スプーン工房Cynthia

スプーン作りだけでなく、詩を書き、曲を作って歌っています。詩として投稿したものには、曲…

スプーン工房Cynthia

スプーン作りだけでなく、詩を書き、曲を作って歌っています。詩として投稿したものには、曲がついているものあります。https://sajikobo.base.shop/

記事一覧

散歩にゆこうよ

散歩にゆこうよ 作:米田太郎 散歩にゆこうよ  風が呼んでる  草原の丘のほうへ 君を今日も待っているのは  今日だけの素敵なこと 草の香り 小鳥の声 花の色 たくさ…

夕暮れに

夕暮れに 作:米田太郎 沈んでゆく夕陽が  鉄橋渡る電車が なんとも言えず 川の土手を歩いてる すれ違う人を  誰かが待っているのかな 疲れた足が急いでる  そろそろ…

詩 ぼくと月

ぼくと月 作:米田太郎 秋の夜  月がきれい なんとなく寂しい ひとり飲む酒をやめて 誰かと話がしたい だけど ぼくだけ 遠い街 声は届かない しかたない 自分の影と月…

詩 山々のこと

山々のこと 作:米田太郎 重たい荷物 きつい登り坂 嫌になるほど歩き疲れて 辿り着いた小屋の中で 人の話し声 山々のこと 悲しみなど知らぬような 嬉しそうな自慢…

詩 枯葉

枯葉 作:米田太郎 空に舞う枯葉を うらやましく思った どんなに見つめても 踊れない僕には 重すぎて 風に乗って踊れないよ 僕は重すぎて 枯葉が空に舞う 風の中…

詩 ガラス細工

ガラス細工 作:米田太郎 両手いっぱいにガラス細工を  どれも想い出で壊したくない たまらなく いとおしく  抱きしめたときに割れて落ちる 砕けたガラス 夜空の…

おはなし 悪魔誕生

悪魔誕生 作:米田太郎 僕が友人の失敗を望んだその時、囁きが聞こえた。 「お前の望みはわかった。」 「誰だ。」 「悪魔だよ。人間の欲望を集めて地図を作るのさ。」 悪…

詩 回転遊具

回転遊具 作:米田太郎 幼い日々の公園で 回転遊具がぐるぐるまわる 君はいつでも僕の前 空はいつでも僕の上 家々も電柱も教会の十字架も ぐるぐるまわる ぐるぐるまわ…

おはなし 迷い猫

迷い猫 作:米田太郎 スーパーのレジ脇のガラス窓にチラシが貼ってあった。 「迷い猫預かっています。」スズキ 123-45XX 鋭い眼光のその雑種は迷い猫には見えなかった。…

詩 銀の月

銀の月 作:米田太郎 いままで交わした約束も 君に届かぬことになる その悲しみをあの月は 知っているのか銀色の 冷たい光が照らす道 ただただ祈ることのみが ぼくを支…

詩 銀杏細工

銀杏細工 作:米田太郎 てんとう虫の 銀杏細工 じいちゃんを癒す 悲しき玩具 病室の窓辺 何も知らずに 風にあわせて ゆれていました 夏の夕暮れ そよ風のうた 痛み…

詩 空蝉

空蝉  作:米田太郎 透きとおるような飴色の 主をなくした空蝉を ぼくは集めて泣きました あなたをなくしたその日から ぼくのこころは抜け殻です ああ空蝉よ わかってま…

散歩にゆこうよ

散歩にゆこうよ

散歩にゆこうよ 作:米田太郎

散歩にゆこうよ 
風が呼んでる 
草原の丘のほうへ
君を今日も待っているのは 
今日だけの素敵なこと
草の香り 小鳥の声 花の色
たくさんの出会いは 
きっとどれも奇跡
散歩にゆこうよ 
口笛吹いて
新しい風を感じて

散歩にゆこうよ 
雨があがった 
虹かかる丘のほうへ
悲しくたって 傷ついたって 
信じよう明日のこと
広がる空 流れる雲 そよぐ風
君をやさしく

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夕暮れに

夕暮れに

夕暮れに 作:米田太郎

沈んでゆく夕陽が 
鉄橋渡る電車が
なんとも言えず
川の土手を歩いてる
すれ違う人を 
誰かが待っているのかな
疲れた足が急いでる 
そろそろ僕も帰ろう
今日が終わって明日になれば 
きっと素敵な夢に出会える
犬の声が響いてる 
大好きな少年の帰りを喜んでる 
散歩しようよ 暗くなる前に

灯りをつけず暗がりを 
楽しんでいるそのうちに
いくつか星が光りだす 
神話の中の

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詩 ぼくと月

詩 ぼくと月

ぼくと月 作:米田太郎

秋の夜 
月がきれい
なんとなく寂しい
ひとり飲む酒をやめて
誰かと話がしたい

だけど ぼくだけ
遠い街
声は届かない
しかたない
自分の影と月を仲間に朝まで宴

ぼくが踊れば
影もゆれて
ぼくが歌えば
月はぼくを照らして

ぼくはひとりぼっち
月もひとりぼっち

いつでも弱虫で
他人を疑ってる
ぼくも本当は仲間がほしい
なかなかできない

いつでも自分だけ
大きな顔を

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詩 山々のこと

詩 山々のこと

山々のこと 作:米田太郎

重たい荷物 きつい登り坂

嫌になるほど歩き疲れて

辿り着いた小屋の中で

人の話し声 山々のこと

悲しみなど知らぬような

嬉しそうな自慢話

僕も明日は風を集めて

遥かな尾根を歩こうか

朝日浴びた峰に立つと

頬をさす風 果してない雲

どうしようもないくらい

寂しいけど生きてゆくんだ

またどこかの山小屋で

誰かの話を聞くんだろう

山々のこと

詩 枯葉

詩 枯葉

枯葉 作:米田太郎

空に舞う枯葉を

うらやましく思った

どんなに見つめても

踊れない僕には

重すぎて

風に乗って踊れないよ

僕は重すぎて

枯葉が空に舞う

風の中で踊ってる

空に舞う枯葉を

なつかしく思った

どんなに見つめても

戻れない僕には

どこかに忘れた

遠いあの日の風のうたを

僕は忘れてしまった

枯葉が空に舞う

風の中で踊ってる

詩 ガラス細工

詩 ガラス細工

ガラス細工 作:米田太郎

両手いっぱいにガラス細工を 

どれも想い出で壊したくない

たまらなく いとおしく 

抱きしめたときに割れて落ちる

砕けたガラス 夜空の星座 

まるで二人の別れゆく道に

涙で曇ったぼくが迷わぬように 光っているみたい

次から次と忘れられたら 

また新しいガラス細工を

似ていても 素敵でも 

違うから 彷徨う

風に吹かれて 

失したものが戻らぬならば

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おはなし 悪魔誕生

おはなし 悪魔誕生

悪魔誕生 作:米田太郎

僕が友人の失敗を望んだその時、囁きが聞こえた。
「お前の望みはわかった。」
「誰だ。」
「悪魔だよ。人間の欲望を集めて地図を作るのさ。」
悪魔は高笑いをして消えた。
翌朝天井に欲望の地図が現れた。そこには同級生の家族のそして自分の求めたものが書き込まれている。恐ろしくなった。
「どうだい人の心は。醜いだろう。」
「ふざけるな。」
「欲望の地図が見えたらもう立派な悪魔さ。俺

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詩 回転遊具

詩 回転遊具

回転遊具 作:米田太郎

幼い日々の公園で
回転遊具がぐるぐるまわる

君はいつでも僕の前
空はいつでも僕の上

家々も電柱も教会の十字架も
ぐるぐるまわる
ぐるぐるまわる

お父さんが疲れて止まる
もう一度
ねぇもう一度
ぐるぐるまわる
ぐるぐるまわる

風を感じてぐるぐるまわる
片手を伸ばしてぐるぐるまわる

それでも風はつかめない
それでも空には届かない

もう一度
ねぇもう一度

今また同

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おはなし 迷い猫

おはなし 迷い猫

迷い猫 作:米田太郎

スーパーのレジ脇のガラス窓にチラシが貼ってあった。

「迷い猫預かっています。」スズキ 123-45XX
鋭い眼光のその雑種は迷い猫には見えなかった。

目が合った!?

「おい、あんた。」
「えっ私?」
「あんただよ。助けてくれ。俺は迷ってねぇ。ちょっと休んでただけなんだよ。それがオリに入れられるは、写真撮られて街中に貼られるは、笑いもんだよ。助けてくれよ。」
「私が?」

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詩 銀の月

詩 銀の月

銀の月 作:米田太郎

いままで交わした約束も
君に届かぬことになる
その悲しみをあの月は
知っているのか銀色の
冷たい光が照らす道

ただただ祈ることのみが
ぼくを支えているような
弱き心を投げ捨てて
残る勇気を呼び覚まし
今このときを生きるべし

隣で眠る幼子の
寝顔に思う夢は風
君と出会えた偶然が
いとしきふたりを連れてきた
ぼくらは共に生きてきた

君に伝えることが今
たった一つでいいんだ

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詩 銀杏細工

詩 銀杏細工

銀杏細工 作:米田太郎

てんとう虫の 銀杏細工
じいちゃんを癒す 悲しき玩具
病室の窓辺 何も知らずに
風にあわせて ゆれていました
夏の夕暮れ そよ風のうた

痛みの波が 過ぎ去った後
遠く見つめる 孤独な瞳
気付かれぬように 知らぬふりして
笑わせようと ゆれていました
夏のたわむれ 道化師のうた

明日を託した 静かな手紙
天使になった じいちゃんの夢
涙をふいて 力の限り
強く生きよと 

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詩 空蝉

詩 空蝉

空蝉  作:米田太郎

透きとおるような飴色の
主をなくした空蝉を
ぼくは集めて泣きました
あなたをなくしたその日から
ぼくのこころは抜け殻です
ああ空蝉よ
わかってますか
主はどこへ どこへいったか

憧れの空へ飛び立った
生き急ぐその激しい声を
ぼくは木陰で聞きました
あなたの声を聞こうとも
ぼくのもとへは届かない
ああ空蝉よ
覚えてますか
主の声を覚えてますか

帰りを待って木々の枝に
しが

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