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詩 空蝉

空蝉  作:米田太郎

透きとおるような飴色の
主をなくした空蝉を
ぼくは集めて泣きました
あなたをなくしたその日から
ぼくのこころは抜け殻です
ああ空蝉よ
わかってますか
主はどこへ どこへいったか

憧れの空へ飛び立った
生き急ぐその激しい声を
ぼくは木陰で聞きました
あなたの声を聞こうとも
ぼくのもとへは届かない
ああ空蝉よ
覚えてますか
主の声を覚えてますか

帰りを待って木々の枝に
しがみついてる空蝉を
ぼくはとるのをやめました
あなたに会えぬと知りながら
ぼくもここから動けない
ああ空蝉よ
気づいてますか
主が二度と戻らぬことを

ああ空蝉よ


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