詩　回転遊具

回転遊具　作：米田太郎

幼い日々の公園で
回転遊具がぐるぐるまわる

君はいつでも僕の前
空はいつでも僕の上

家々も電柱も教会の十字架も
ぐるぐるまわる
ぐるぐるまわる

お父さんが疲れて止まる
もう一度
ねぇもう一度
ぐるぐるまわる
ぐるぐるまわる

風を感じてぐるぐるまわる
片手を伸ばしてぐるぐるまわる

それでも風はつかめない
それでも空には届かない

もう一度
ねぇもう一度

今また同じ公園で
回転遊具はまわってない

私の記憶の中にいる
幼なじみの君と僕
いつまでも変わらない

回転遊具の中の君
回転遊具の中の僕

ぐるぐるまわる
ぐるぐるまわる

人より早く薄れ行く
私の記憶が続くまで
回転遊具はぐるぐるまわる