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学び直しのフィンランド留学記

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Aalto Universityの大学院で感じた日本の教育との違いや、学んだことについてを綴っています。それに加えて留学を考えている方に役立ちそうな情報を載せていきます。
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記事一覧

感性インテリジェンス(KANSEI Intelligence)の可能性  -修士論文を書き終えて-

感性インテリジェンス(KANSEI Intelligence)の可能性  -修士論文を書き終えて-

2022年12月に修士論文を書き終えました!
卒業して、ベルリンに拠点を移してから1年はバタバタしており、今更の報告になってしまいました。
Bachelor of Economic(経済学士)から、晴れてMaster of Art(芸術修士)に✨
私はフィンランドのAalto UniversityのNordic Visual Studies and Art Education (NoVA)という修

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フィンランド企業でのインターンシップ、女性起業家/お母さんのもとで働いて学んだこと

フィンランド企業でのインターンシップ、女性起業家/お母さんのもとで働いて学んだこと

修士論文が忙しく前回の投稿から大変期間が空いてしまいました。
これまでの出来事を少しずつ振り返っていきたいと思います。

今回はフィンランド企業でのインターンシップについて。
アアルト大学のインターンシップバウチャーを使ってフィンランド企業でインターンシップを2022年3月から2022年6月経験しました。
インターンシップバウチャーとはアアルト大学が学生のインターン先での給料を補填することで、企業

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アアルト大学教授が共有してくれた失敗談から学んだこと

アアルト大学教授が共有してくれた失敗談から学んだこと

今修士論文を書いているところです。その過程で担当教授に相談をする機会が多くなりました。
企業へのワークショップへの提案について相談した際に教授の失敗談を交えてアドバイスをしてくれました。

ワークショップをやる際の注意点として、参加者の前提をわかっておかないといけないと言われました。それは教授(アート学部)がエンジニア学部の修士学生にCreative and Critical thinkingの授

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フィンランドの企業とワークショップした話

フィンランドの企業とワークショップした話

少し前になりますが、2021年11月フィンランドの企業CO-FOUNDERSと一緒にワークショップを企画しました。CO-FOUNDERSは企業文化のコンサルティングをする会社です。企業文化というと目に見えない、なんとなくあるものという印象がありますが、CO-FOUNDERSはそれを企業内で社員さんを巻き込んだワークショップを通りしてコンサルティングをしていきます。また、その文化をどのように継続させ

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アートが知の探索の助けになるかも

アートが知の探索の助けになるかも

「両利きの経営(ambidexterity)」- 知の探索と深化のバランスが取れている会社がイノベーションを起こせる、という理論をテレ東Bizニュースアカデミーで学びました。その番組で早稲田大学ビジネススクールの入山教授はこうおっしゃっていました。

人間には認知の限界があり、自分の目の見えるところでしか、知と知を組合せなくなる

国際経済を日本の大学で専攻して、現在は芸術学修士でアート教育をフィ

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アートとビジネスの違いから見るアート教育

アートとビジネスの違いから見るアート教育

教養としてのアートが大切と言われて数年。多くの人が美術館に足を運んでいます。
アートを教養として学ぶことも大切ですが、
そのアート作品がなぜ作られたのか、作者の意図は何かを考えることも大切だと感じます。
アートや感性を使った研修プログラムを考えていく上での気づきを今回は書いていきます。

経済学士から芸術学修士を取ろうとしている今、ビジネスマンとアーティストがプロジェクトをする上で大切にしているこ

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『感性・感情を通した創造性のひらき方』 ワークショップのお知らせ

『感性・感情を通した創造性のひらき方』 ワークショップのお知らせ

Laereさんと一緒にオンラインワークショップを企画しました。
アールト大学院での学び、フィンランドの教育について前半でお話をし、
後半のミニワークでは身近なものを使って、日常の中の感性、創造性のひらくきっかけをお話しします。
フィンランドでの教育の生の体験、またみなさんの感性をひらくヒントを得れるようになっているワークショップです。
フィンランドの留学に興味がある方、感性を磨きたい、創造的な働き

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Aalto Universityの特徴とサポート

Aalto Universityの特徴とサポート

そろそろ2021年9月入学の合否が出て、どの大学に行くか迷われている方もいると思います。今回はアアルト大学の特徴とどのようなサポート制度があるのかご紹介できればと思います。大学院留学1年目が終わろうとしている今、細かい授業内容というよりは大学の全体的な特徴を私の学び視点で書ければと思います。
この記事が、入学を考えている方に大学内にいるからこそ知ることができるサービスをお伝えすること、また大学関係

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ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【後半:学び編】

ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【後半:学び編】

前回紹介したワークショップで発見したことを紹介したいと思います。自分で企画・運営したからこそ見えてきた課題がありました。

課題はありますが、何より、日本とフィンランドでのイベントを多く企画されているフィンランドセンターさんと進めることで、多くを学ばせていただきました。このようなチャンスをいただいたフィランドセンターさんに本当に感謝です。

■課題
フィンランド会場が直前まで決まらない
日本の会場

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ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【前半:企画編】

ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【前半:企画編】

2021年4,5月にフィンランドと日本を同時にオンラインで繋ぐアートワークショップをフィンランドセンターと企画・運営をしました。
対象は20歳以上の英語を話せる方。フィンランドの会場はDidrichsen Art Museum、日本の会場はメッツァパビリオンです。

ワークショップの内容に関してはこちらに寄稿しているのでぜひご覧ください。
https://note.com/lapuankankur

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フィンランドの学び直しの多さ・女性の自立

フィンランドの学び直しの多さ・女性の自立

世界経済フォーラムが世界男女格差指数で、フィンランドは第2位、日本は120位。

フィンランドは男女平等が進んでいると言われています。どんなところから来ているのでしょうか。
女性の参政権(投票だけでなく、出馬する権利)が世界で初めに認められたのはフィンランドです。そして今は共働きが当たり前。育休は男女ともにとることが多い。などなど。
特に印象的なのは、離婚率が高く、50/50という子供を交互に世話

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フィンランド教育の5つの特徴と、 Phenomenon-based learning

フィンランド教育の5つの特徴と、 Phenomenon-based learning

フィンランドの教育は世界的に注目をされています。
1968年の教育の民主化、1994年の教育大全の大改革、2度に渡り大きな教育改革を行い、OECDが行う学習到達度調査(PISA)のテストでも常に上位を占めています。そんなフィンランド教育の特徴を今回は簡単にご紹介したいと思います。

まずはフィンランドの教育構造から。日本との大きな違いは16歳以降です。日本でいう高校卒業後、特定の職業に必要な資格を

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アアルト大学でのバイトでの学び、フィンランド人の働き方

アアルト大学でのバイトでの学び、フィンランド人の働き方

現在フィンランドに自費留学しています。バイトをしないと赤字のため、2021年1月からアアルト大学でのResearch Assistantというバイトを始めました。週11時間 590€/月(時給1800円ほど)。リモートでの仕事がほとんどで、自由裁量で仕事ができるので割りの良いバイトです。このバイトを通じてフィンランドについて学んだことを紹介したいと思います。

■仕事内容
仕事内容はファシリテーシ

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アート思考と多文化コミュニケーションの似ているところ

アート思考と多文化コミュニケーションの似ているところ

アアルト大学には世界各地から学生が来ています。

火曜日は香港、フランス、チェコからの生徒とフィンランドの文化についてディスカッション、
水曜日は、フィンランド人、アメリカ人、ベトナム人と企業戦略のコミュニケーション方法についてグループワーク、
木曜日の夜は、イラン人、アメリカ人、ラトビア人とホームパーティーをして、授業の愚痴を言ったり、
金曜日は、ギリシャ人、パキスタン人、ウクライナ人、フィンラ

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