見出し画像

Aalto Universityの特徴とサポート

そろそろ2021年9月入学の合否が出て、どの大学に行くか迷われている方もいると思います。今回はアアルト大学の特徴とどのようなサポート制度があるのかご紹介できればと思います。大学院留学1年目が終わろうとしている今、細かい授業内容というよりは大学の全体的な特徴を私の学び視点で書ければと思います。
この記事が、入学を考えている方に大学内にいるからこそ知ることができるサービスをお伝えすること、また大学関係者の方の学生へのサービスを考えるヒントになれば幸いです。

■学ぶ過程を重視・暗記型のテストがほぼない
学部にもよると思いますが、いわゆる試験がほぼないです。フィンランド人の科学、建築、ビジネスの他の学部生にも聞いたのでアート教育の学部のみの話ではないはず。
授業は何をしているのかというと、プロジェクトを自分で組み立てたり、グループワークをしてプロジェクトを完成させたり、実験をしたり、作品を作ったり・・・。その過程を踏まえて何を学んだかをレポートや作品にすることで、それが評価されます。
結果ももちろんですが、それよりも学ぶ過程を重視する方針です。
何かを暗記してテストに臨むのは高校生以来やったことないという子が多かったです。ある子が「暗記しようとして、テストのために覚えたものはすぐに忘れてしまうから、結局自分のためにもならない。それなら自分の視点で物事を見て考えて書くエッセイの方がよっぽど身になる」と。その通り!

■大学職員・教授のレスが早い
アメリカ、イギリス、日本などと比べて学生数が少ないこともあるのか、大学に問い合わせをすると基本的に24時間以内に返信をもらえます。そして人にもよりますが返信が丁寧です。邪険にされている感じを全く感じたことがないです。入学前、入学後で急ぎの手続きなどがあるときは特に助かっています。

■教授の手厚いサポート
上記と重なりますが、まず何よりオンライン授業であっても、教授のサポートが手厚いことです。そもそも他の国に比べて、一学年の生徒の人数が少ないこともあり、教授のサポートが手厚いです。
授業時間外に個別にミーティングを設けてくれる教授もいます。

画像1

またとてもオープンな大学なので、自分の担当教授以外の人に連絡を取っても丁寧に返してくれます。コロナ禍でこういったサポートがあったので孤独を感じずに入れたと思います。そして私のプログラム(Nordic Visual Studies in Art Education)は9名なので、家族のような雰囲気で皆支え合っています。クラスメイトと一緒に散歩をしたり、お茶をするだけでも気持ちが明るくなることがありました。

またフィンランドは比較的コロナ禍であっても、楽しめるような生活様式なのと、規制が他の国に比べて緩かったので、外に出れなくて苦しいことや孤立を感じることはなかったです。大学側もオンラインコーヒー会など様々な工夫をしています。

■VR Hub                                 VRHubといい、大学内にVRのソフト開発や体験ができる施設があります。そこには教授が常駐していて、自分のやりたいことを伝えればアドバイスをくれます。私も授業で ARを使った教育プログラムを考える時にヒントを得るために行きました。https://studios.aalto.fi/vr-hub/                             

画像5

その他具体的なサポート

■コロナ禍でのサポート
・コロナ禍での卒業延期
コロナが理由で修論を終わらせることができなかった場合、1学期間、奨学金を得て伸ばすことができます。どれだけ奨学金がもらえるかは状況によると思います。

・Well-bingのアンケートやそれに関するセミナー
https://link.webropolsurveys.com/Participation/Private/0d70806a-cfcc-4da8-93e9-1784d431f8be?recipientId=f6bfd45a-d780-47c4-b5dc-998d72dab902&surveyLocale=en
アンケートを実施し、その結果を上記のようにきちんと報告してくれるので、どのように大学側が改善を図ろうとしているのかわかります。

■ツール関係
・学食は3.0€でビュッフェスタイル
学生証があれば、学食は安く食べることができます。味は普通です笑 少し高いですが5.3€でビーガンランチを提供するWicked Rabbitはとても美味しいです!
Kipsariという学生が運営している非営利のベジタリアンの学食はメニューが日替わりで比較的美味しいです。申し込めばそのメンバーに加わることができ、メニューを考えたりできるそう。

・Aalto Take out
https://takeout.aalto.fi/
カメラ、ビデオ、照明器具など様々なものを借りることができます。授業に関係するものであれば、授業の期間中、個人的に使う場合は最大2週間借りることができます。
SDカードまで貸してくれるので、高い費用をかけて自分で機材を揃える必要がありません。

画像2

・Aalto Gallery
https://www.aalto.fi/en/research-art/aalto-galleries-and-exhibition-venues
アアルト大学のキャンパス内に作品を展示するスペースがあり、予約をすれば学生は使うことができます。卒業生の展示がしてあったり、学生のプロジェクトの展示がしてあったり、とても面白いですし、学生にも良い経験になると思います。

画像3
Wood program 展示

↑Wood Programの木を使った20cm四方のオブジェの展示

・Officeのソフト(ワード、パワポ、エクセル)を無料でダウンロードできる
学生のIDがあれば、在学中は無料で自分のパソコンにダウンロードできます。

・Zoomビジネスが使い放題
上記同様

・Art Film
アート、デザイン、建築関連の映画を集めたサイトに無料でアクセスできます。

・農園を借りれる
申し込みをして抽選にあたれば、キャンパス内の農園を借りることができます。

・受験料がほぼ無料
資料の送料のみ。出願料やデポジットを取る大学がある中、アアルト大学はチャレンジがしやすいです。

■助成金関係
・Aalto Scholarship
出願の時に申し込むものです。成績優秀さというよりも国の情勢、自分の金銭状況を志望動機書に書き記し、取れるものです。

・Incentive scholarship
学費を支払っていて、60単位を取得している学生に€1,500の奨学金をくれます。ほぼ申し込めばもらえるそう。私も今年申し込みます。

・Internship Vaucher                            年に1回、12月に募集があるもの。アアルト大学が学生の短期インターンをする企業と契約をし、お金を渡し、学生に給料が発生するようにするもの。インターンシップに申し込む際に、大学側が給料をサポートをしてくれます。こちらも申し込めば基本的には取れます。3ヶ月間合計€1200(月€400)サポートしてくれます。友人はフルタイムでインターン先と交渉して、インターン先から€600/月+€400/月=€1,000/月 もらっていました。

・Mentoring program                          Aalto Universityの就業4年以上の卒業生と現役生をマッチさせるメンタープログラムです。6ヶ月間で月に1回ほどミーティングをメンターと学生が行い、学生の就活の相談などに載ってくれるものです。

・Aalto ART grant
修論・卒論に関連するアート制作・プロジェクトをする際の材料費・渡航費などを助成してくる制度です。給料的なものは補償してくれません。

・学生同士の売買
アアルト大学の学生間ではWhatsappでもLINEでもなく、Telegramが主流です。こちらのTelegramのグループでは売りたい人と買いたいひとがやりとりできます。引っ越すことが決まったらぜひ覗いてみることをお勧めします!https://t.me/aaltomarketplace

まだまだ私も知らないサービスがあると思います。入学当時は授業についていくのに必死で助成金のことを知らず、友達から聞いたり、教授から教えてもらい少しずつ知っていくことができました。ただ、自分で必要なものを探しに行かない限り、特に助成金は教えてもらえるものでもないので、入学前または入学後早い段階で大学のサイトを隈なく読むこと、大学側に聞きまくることをおすすめします。

また新しいサポートやサービスを見つけたら、随時こちらの記事を更新していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?