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#恩田陸
恩田陸『夜明けの花園』(毎日読書メモ(537))
恩田陸続く。
今年の1月に刊行された『夜明けの花園』(講談社)、水野理瀬シリーズ最新刊だが、2022年に雑誌に発表された「絵のない絵本」(学園を出たあとの理瀬が、ヨーロッパ方面のリゾート地で思いがけない事件に巻き込まれる)
2023年に雑誌発表された「月蝕」(学園を出る直前の聖が思い出話と暗殺への不安を並行して語る、過去のおさらい的物語)、書下ろしの「丘をゆく船」(聖のひとり語りにも出てきた、黎二
恩田陸『spring』(毎日読書メモ(535))
4月に刊行された恩田陸『spring』(筑摩書房)を読んだ。雑誌「ちくま」に2020年から2023年にかけて連載されていたバレエ小説。
バレエ。その鋭さ、その華やかさ、その躍動感、それをどう言語化するのか。その試みは、かつてピアノコンクールの情景を言語化してみせた『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)に通ずるものがある。というか、先行する『蜜蜂と遠雷』を意識せずには読めない。それがこの小説にとって幸福だったの
恩田陸『夜果つるところ』『鈍色幻視行』(毎日読書メモ(524))
恩田陸『夜果つるところ』『鈍色幻視行』(集英社)を続けて読む。というか、この2作は、関連を持って書かれているので続けて読まなくてはならない。たまたま『夜果つるところ』を先に読んだが、正解だった。『鈍色幻視行』の中でネタバレされちゃうので。ただし、『鈍色幻視行』を先に読んじゃっていても、テキストが膨大すぎるので、ネタバレの部分を読みながらスルーしちゃっていて、気づかない可能性もあるか、そんなボーっと
もっとみる日本に来て60周年! 『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(毎日読書メモ(500))
最近全然毎日じゃなくなっている「毎日読書メモ」だが、記念すべき第500回は、ルース・スタイルス・ガネット作、ルース・クリスマン・ガネット絵、わたなべしげお訳 子どもの本研究会編集『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(福音館)である。
『エルマーのぼうけん』は1948年にアメリカで出版され(執筆は1946年らしい)、渡辺茂男の翻訳による日本語版が刊行されたのが19
恩田陸『薔薇のなかの蛇』(毎日読書メモ(289))
恩田陸『薔薇のなかの蛇』(講談社)は、水野理瀬シリーズ17年ぶりの新作である。先日、『愚かな薔薇』(徳間書店)を読んでいて(感想ここ)、先に刊行されていた『薔薇のなかの蛇』も読んでなかった、と思って慌てて借りてきた。
何しろ17年ぶり。シリーズものを書かない訳ではないが、点と点を結ぶように、細々と物語世界がつながっている感じの恩田陸のシリーズものは、間があきすぎて、どんな話だったっけ、とぼんやりし
『私の家では何も起こらない』(恩田陸)(毎日読書メモ(269))
恩田陸『私の家では何も起こらない』(メディアファクトリー、幽BOOKS、現在は角川文庫)の読書メモ。現在恩田陸『愚かな薔薇』(徳間書店)を読んでいる途中なので、恩田陸つながりで。
恩田陸読みつぶしのため、作者名で図書館データベース検索かけて発見して、予約した本。時代も場所(国)もわからない、不思議な家そのものが主役となったホラー。何回も繰り返し語られる、その家で起こった陰惨な事件も、当事者たちの
毎日読書メモ(241)NHK交響楽団定期演奏会で小林愛実ちゃん聴いてきた! そしてのだめとかのことを考える。
池袋の東京芸術劇場で、NHK交響楽団のA定期を聴いてきた。1月のA定期に反田恭平くんが出演するので、1回券発売前に確実にチケット入手しようと、12月―2月の3回券を買ったら、2月のA定期、指揮者パーヴォ・ヤルヴィとピアニストイゴール・レヴィットが来日出来ず、指揮者下野竜也、ピアニスト小林愛実に変更! はからずも、ショパンコンクール凱旋定期みたいになった、冬のA定期である。イゴール・レヴィットはブラ
もっとみる毎日読書メモ(207):(今度こそ)2021年に読んだ本
2021年に読了した本115冊。膝を故障して、走らない分少し頑張って読んだが、再読本、児童書も結構多め。夏からnoteに「毎日読書メモ」つけて、過去に読んだ本の振り返りも含め、自分の志向について見直している日々。
来年の目標は、岸政彦『東京の生活史』(筑摩書房)読了です。
トップ画像は今年準備したお節料理の写真です、ぜいぜい。
今年読んで面白かった本(noteに感想書いた本は、タイトルからリ
毎日読書メモ(205):2020年に読んで面白かった本(注・2021年ではありません)
年末になって仕事も納めて、もう少し本読めるかと思ったら、色々ばたばた用事があって、2021年の読書の総括が出来ないので、とりあえず、昨年末の日記から、2020年の読書の総括を。一部の本はnoteに感想書いたので、リンク貼っておきます。
トップ画像は本文とは関係ありません。日本橋三越のパン屋、Johanのショーウィンドウに飾られた、フェーヴ(ガレット・デ・ロワの中に入れる陶器の飾り)の数々です。
毎日読書メモ(176)『三月は深き紅の淵を』(恩田陸)
恩田陸の「水野理瀬」シリーズ第一作。『三月は深き紅の淵を』(1997年、短編)の後、
『麦の海に沈む果実』(2000年、長編)
『黒と茶の幻想』(2001年、長編上下巻)
『黄昏の百合の骨』(2004年、長編)と続き、今年、
『薔薇のなかの蛇』(2021/5/26)が刊行されたらしい。読まねば!
2001年7月の日記より。
恩田陸『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)。理瀬シリーズ第一作。
タ
毎日読書メモ(126)『生きていてもいいかしら日記』(北大路公子)
恩田陸の『月曜は青い蜥蜴』の中に、北大路公子『生きていてもいいかしら日記』(PHP文芸文庫)の解説文が収められていた。それを読むまで、北大路公子という作家について全然知らなかったのだが、すごく魅力的な解説文だったので、気になって読んでみた。
というか、最近、Twitter見ていると、わたしがフォローしている人たちがしょっちゅう北大路さんのツイートをRTするので、まるで自分でフォローしているのかと
毎日読書メモ(121)『チョコレートコスモス』(恩田陸)
日記の中から拾いだしてきた本の感想。もう一度読みたいな、チョコレートコスモス。単行本が毎日新聞社から出ていたのは、「サンデー毎日」に連載されていた小説だから。
恩田陸『チョコレートコスモス』(毎日新聞社、現在は角川文庫)、まだ読み始めたばかりだが、これはお芝居についての物語か? 三谷幸喜とか、『ガラスの仮面』とか、そういうひとやものを思い出しイメージしつつ読む。
『チョコレートコスモス』(毎日