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感想文(映画、本、ドラマなど)

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物語から得られること。
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#日記

子供のための優しい物語 君たちはどう生きるか 

子供のための優しい物語 君たちはどう生きるか 

ぽわぽわした不思議の世界の中で、はっきりと感じたものは、未来を生きる子供たちに向けた優しい眼差しだった。
物語の本質も細かい点も理解しきれず、気持ちをうまく言葉にできないというのに、涙がぼろぼろ零れ落ちた。

私が感じた2つの強い気持ち

・世界は不思議で不確かなもの

現実を生きていると、社会を世界を分かった気になってしまう。
でもここで生きてる私たちが本当に知ってることなんて僅かなんだと思った

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あいの里感想~恋愛適齢期とは~

あいの里感想~恋愛適齢期とは~

ネットフリックスで配信されている「あいの里」観ましたか?
参加者が35歳以上の大人な恋愛と言うことで、他の恋愛リアリティーショーとは一線を画していた。
「あいのり」が大好きな私は、SNSで「あいの里」の存在を知り、わくわくしながら見始めたのだけど、大人な恋愛と言う前情報を入れていなかったので、面食らってしまった。60歳の恋愛はなかなか見慣れていないので。

若い男女の恋愛の方がビジュアル的に美しい

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映画「あの子は貴族」と駅ビルの美味しかったパスタについて

映画「あの子は貴族」と駅ビルの美味しかったパスタについて

映画「あの子は貴族」を観た。
東京の富裕層の家庭で育てられた女性と地方の少し経済的に苦しい家庭出身の女性の人生が、1人の男性を巡ってほんの少し交差する話。

胸がヒリヒリしたのは、私が地方出身で勉強して東京に上京する切符を得た経験があったからだ。
そして劇中で、東京では同じレベルの人としか巡り合わない構造になっているという話も、ヒヤッとした。貴族のような本物のお金持ちに私は出会ったことがないから

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フィンランドと映画「かもめ食堂」私と共に、いい感じに変わろう。

フィンランドと映画「かもめ食堂」私と共に、いい感じに変わろう。

映画「かもめ食堂」を観た。

フィンランドのヘルシンキに行くことになった時、フィンランドと言えば何だろうか?と思いつくものを列挙してみた。

サーモンスープ、シナモンロール、マリメッコ、ムーミン、かもめ食堂

と浮かんだくらい、フィンランドを舞台にした有名な日本の映画。

日本食レストランを切り盛りするサチエという女性と、ワケありな二人の日本人の生活を切り取ったお話。
淡々とした日々の中で、人生に

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私が本屋さんに求めるものは人との繋がり

私が本屋さんに求めるものは人との繋がり

*本屋さんがどんどんなくなる

有名書店の廃業が新聞に載っていた。
出版不況と叫ばれているが、コミックの売上は回復したとか。

よく言われることだけど、
本好きが減ったわけでも無いし、
電子書籍に市場がめちゃくちゃ奪われたわけでも無く、

暇つぶしとしての本=雑誌、 雑学書
知識習得しての本= ムック、専門書

が売れなくなったんだと体感している。

つまり、本が持っていたある種の機能が失われた、

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マカロニえんぴつがアラサーの私にも響く理由

マカロニえんぴつがアラサーの私にも響く理由

マカロニえんぴつが大好き!
(ボーカルのはっとりさん率いるロックバンド。
若者に支持されている。)

ライブに行くと圧倒的に私だけ年齢が高い…!
とはいえ、明らかに歳下のティーンのキラキラした笑顔を見るのも楽しい。

*マカロニえんぴつとの出会い

高校1年生の生徒に「ヤングアダルト」を教えてもらった。
(あっ、私は高校教師です。)
思春期の生徒たちはこんな歌詞に共感するんだねと思って聴いたら、は

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黒髪が乱れるままに。

黒髪が乱れるままに。

最近ちょっとした和歌ブームです。
そこで、今日の和歌を一つ。

黒髪の 
乱れもしらずうちふせば 
まづかきやりし
人ぞ恋しき

和泉式部

【訳】
黒髪の乱れもかまわず、
倒れるように横になっていると、
真っ先に、この黒髪を掻き上げてくれたあなたが浮かぶ。
あなたが恋しい。

(文法をきちんと読み解いていくと、ところどころ違うのかも知れませんが、こんな感じで合っていると思います。)

なんて、美

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あとがきの余韻。

あとがきの余韻。

恩田陸さんは特別好きな作家さんの一人ですが、
先日読んだ本のあとがきがたまらなく素敵だったので、まだ時折そのことをふいに考える。

こういうのを「余韻」と呼ぶのだろう。

タイトルは「七月に流れる花」と「八月は冷たい城」。
図書館のティーンズコーナーをうろうろしていて見つけた2冊。
表紙は大好きな酒井駒子さん。

かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド。

講談社から出ているシ

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読書記録◆2022.1◆

読書記録◆2022.1◆

2022年の目標の一つに、「本を月に3冊は読む」を掲げた。
小さなころから、物語に傾倒していた私だったが、閉塞的な学生生活が終わり、自由に行動できるようになると逆に、本から離れてしまった。
今一度、本物の自由を手に入れるために本を手に取る。
また、別世界を求めて小説を読み漁っていた少女時代とは違い、雑読をテーマにしている。

①『未来を変えた 島の学校』山内 道 雄・岩本 悠 ・ 田中 輝美、 岩

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NETFLIXおすすめドラマ
~ 多様性な社会って…~

NETFLIXおすすめドラマ ~ 多様性な社会って…~

最近、英語の勉強のために、ネットフリックスの海外ドラマを見始めた。
流行っているということで、「エミリーパリに行く」を観て、ふ~んと。
軽いストーリだなぁ。まあエミリーかわいいし、お洋服もパリで浮いてるけど、おしゃれだし、パリの街並みも素敵だし適当に観るにはいいか…て思った。
ただ、お勧めに上がってきた他の二つのドラマを何気なーく観て、強い衝撃を受けた。
「多様性」について考えさせられました。

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『燃ゆる女の肖像』無知、故の無垢な情熱について

『燃ゆる女の肖像』無知、故の無垢な情熱について

プロジェクターとスクリーンを出して、地ビールを凍らせたグラスに注ぎ、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼとバターたっぷりの炒りたてのポップコーンを用意して、賢く美しい親友との映画観賞会は始まった。

彼女のおすすめを2作品観た。そのうちの一つがこの『燃ゆる女の肖像』だ。ちなみにもう一つは、ウクライナ出身のバレエダンサーセルゲイ・ポルーニンの肉体美を惜しげもなく映したラブロマンス『シンプルな情熱』

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