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エッセイ

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#生きる

判断するのをやめる。決めつけるのをやめる。

♪なんであいつを悪いと決めた
誰があの娘を哀れと決めた
どうしてあいつを選ばせた
後先も考えず……♪

知らぬうちに泉谷しげるの古い歌を口ずさんでいた。
そうなんだ。
なんで、あいつを悪いと決めたのだろう?
決めてしまえば楽になれる。
悪いやつだからと壁をつくれば迷わずにすむ。
あの娘を可哀想な奴としてしまえば扱い方が決まる。
哀れな奴だから、助けてあげようの一択になる。
判断しなければ不安になる

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落下する写真家!?  じっと手を見る

落下する写真家!?  じっと手を見る

撮影した写真でお金を貰ったことはない。
というわけじゃないけど、自分を写真家と名乗ったこともないし思ったこともない。
それ以前に写真家という言葉さえ浮かんでこない。
生きることの一部としてのただの写真撮りである。
そんなワタシが始めて唯一「もしかしてオレは写真家かもしれない」と思った瞬間だった。

その日も「いつもの森」へカメラをもって踏み入った。
車を降りたときから、いつもウブな感性に連れられて

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蝶にしてみれば、人間のアレコレなど知ったこっちゃないのだろうけど、、、

最近、酷い気持ちにさせられた。
権威を傘にロジックを無視し精神論を押し付ける老人と同席した。
相手にせずに老人の妄想として言わせておけばいいのかもしれない。
でも、滅茶苦茶な言葉を真に受けた第三者が傷つくことは許せなかった。
ワタシは素直でいい人が傷つけられるのには過敏に反応してしまうようだ。
ワタシはかなり怒っていた。
ほんとうに腹ただしかった。
あの老害をどう懲らしめてやろうかと考えていた。

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ことばで語り直すことが生きていくということ、それを見守るということ@「臨床とことば」より

人は自分を語りながら大人になる。
それが生きていくということ。
人生のときどきによって語ることばを変更し言い直しつつ大人になる。
それが成長するということだろう。
その都度、自分とはこういう人間なのだと納得しながら語ることになる。
でもまあ、いつまでたっても、これだという自分が決まるわけでもない。
正しく言い直し続けることができればいいんだけど、そうはならない。
ずっと正しく語るのは、なかなか困難

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人間からの自由

歩けなくなってから何故か尾崎豊を聴いている。
歩けない繋がりなのか、不自由繋がりなのかは解らない。
ふと尾崎豊を思い出し、なんとなく聴いているのはそうしたタイミングなんだろう。

歌を聴きながら、
○○から自由になりたい。
○○から解放されたい。
ということのロジックが浮かんできた。

○○から自由になりたい、と感じるためには、まず○○の一員でなければならない。
○○が彼氏ならば、恋人同士という関

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歩けない@傾聴

歩けなくなってから3−5日がピークで全く歩けなかった。
所在なくTVをみる。
歩いている人々の姿が映し出される。
みな普通に歩いている、歩けないボクは「凄い」、と感心する。
歩けなくなって歩くことの凄さを再確認する。
あたりまえに歩けていたときは解らなかった。
失ってから、再確認できるなら、失うことの意味もあるかもしれない。
失わないと、当たり前を実感できないことが普通だから。
失ったことを取り戻

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この小さな蝶が「駆除」される風景を想像しながら

この小さな蝶が「駆除」される風景を想像しながら

このちっぽけな蝶をじっと見つめています。

昨日、家のすぐ近くでムシャクロツバメシジミを撮影しました。
おそらく普通の通行人にとっては目にも止まらないでしょう。
気がついてもただの小さな蝶でしょうし、少し虫好きにとってもヤマトシジミかツバメシジミだかのシジミチョウぐらいかもしれません。
よほど蝶好きならば解るかもしれません?
そんななんでもなさそうな蝶でも撮影してしまったので、今更なんだけど、ムシ

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人工呼吸器・車椅子ユーザーの海老原宏美さんの言葉

(障害者)当事者として生きていて思うのは、周りが思っているほど私は大変じゃないんですよ。大変なことも多いですけど、結構面白いんですね。目の前に障害が治る薬があったら飲みますかと言われたら、私は多分のまないと思うんです。障害と生きるって大変なことがありすぎて面白いんです。別に強がりではなくて、障害があることで、健常者にはない喜びを得られる機会がもの凄くたくさんあって、色んな人に出会えたり、指が動く、

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物語(魂)はたとえボクが死んでも人々に広がる。ましてや生きている今は、、、(ふいにサポートを受け考えたこと)

ふいにnoteからメールがくる。
思いがけず「サポート」のお知らせだった。
あまりに突然のことで驚き、戸惑う。
どうしよう、、、ただ好き勝手に書いているだけなのに。
ボクのnoteに「気づきがあった」というメッセージ。
じゃあ、、まあ、、いいかな。
素直にサポートを受けよう、と思った。
物語が広がったぁ、と感じたら、とても嬉しくなった。

noteにボクの思いを綴る。
それはボクの物語である。

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「人間」は誰? 「ニワトリ」は誰? 「良識派」は誰?

nuricoさんのnoteに安部公房の「良識派」というテキストが紹介された。
と、またしてもnuricoさんに絡むのかぁ、、とちょっとためらう^^;
よほど波長があうのだろうか。
でもストーカーと思われないようほどほどにしなくては、、ね^^
ま、今回はnuricoさんのnoteとはいえ、安部公房に絡むのだから少しは気が楽なのだが、、、笑。
安部公房は中高生の頃好きで、そのころまでに発表された半分ぐ

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ボクの「写真」は自己満足

ボクの「写真」は自己満足

 最近たてつづけに写真についての会話が続いたので、ちょっと写真のことを考えている。
 告白しよう。実はnoteに写真をupしたあと、自分でupした写真を自分で見つめ返してニヤニヤしている。それが1度や2度ではない。5度、6度、そして定期的にかなり過去の写真まで遡り見つめてニヤニヤ。つまり一つのnoteにupされた写真を数十度はみつめてニヤニヤすることになる。傍目にはかなり気色悪いヤツに映るのだろう

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アスファルトのうえの蝶

アスファルトの照り返しに煽られ飛ぶ蝶
そんな蝶はアスファルトを知っている

アスファルトは熱いもの
アスファルトは硬いもの
アスファルトは水を弾くもの
アスファルトは地面を覆うもの
アスファルトは草を隠すもの
アスファルトはアリの巣を阻むもの
アスファルトは落ちる種を流すもの

アスファルトは人の造りしもの
アスファルトは人だけを繁栄せしもの
アスファルトは人を快適にさせるもの
アスファルトは人の

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笑って終わるために

笑って終わるために

いつだったかな、こんな写真がいいんだ、と言われたことがあった。
なんてことはない歩道に、カラフルな小さな木の実が散乱している光景である。
もちろんボクにしたって、ちょっといい光景だな、と思ったから撮ったわけなのだけど・・・でもボクにとっては、いつも行く公園の通り道だし、毎年この時期になると見ることができる風景だし、もっとたくさん、もっとドラマチックに落ち、散乱して、光の浴び方だってどの時間がいいん

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まわり道

まわり道

唐突だが今期の朝ドラ「半分青い」は、かなりお気に入りである。
いつものように朝支度のなかで惰性で観るのではなく、観たくて観ているという感じ。
別に何か為になるとか、考えさせられるというのではなくて、単に娯楽として面白いという理由なのだけどね。
でも今朝の内容には少しだけ考えさせられている。

岐阜の田舎で育った少女(すずめ)が人気漫画家(秋風)に弟子入りするという物語なのだが、すずめはあっさりくっ

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