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この小さな蝶が「駆除」される風景を想像しながら

このちっぽけな蝶をじっと見つめています。

昨日、家のすぐ近くでムシャクロツバメシジミを撮影しました。
おそらく普通の通行人にとっては目にも止まらないでしょう。
気がついてもただの小さな蝶でしょうし、少し虫好きにとってもヤマトシジミかツバメシジミだかのシジミチョウぐらいかもしれません。
よほど蝶好きならば解るかもしれません?
そんななんでもなさそうな蝶でも撮影してしまったので、今更なんだけど、ムシャクロツバメシジミのことや他の外来種のことを考えたいと思います。
ムシャクロツバメシジミ(以下ムシャクロ)は、もともと台湾あたり原産で日本にはいなかった蝶です。
それが、名古屋市内を流れる新川の堤防(区間限定)に突如発生しました。
どうやら、その周辺にムシャクロの食草であるツルマンネングサが生育していたようです。
とはいえ、食草があるからといい突然、蝶が発生するわけがありません。
もう少しネットサーフィン^^;してみると、どうやらその堤防の脇にある会社が屋上緑化のためツルマンネングサを利用したようです。
買い集めた草に蝶の卵やら幼虫がついていて、それが成虫になり増えたとかかれていました。
(事実は追求しませんし、間違いかもしれません)
最近では、パンジーを食草とするツマグロヒョウモンが街なかでポピュラーになったり、公園の南国風の装飾のためにソテツが植えられ、それを食草とするクロマダラソテツシジミ(外来種)が北上したり(あるいは放蝶?)とよくある例ですね。
話をもどしますが、ムシャクロという、もともと日本にいなかった生物が大量発生することで生態系が崩される可能性を危惧して発生した堤防にて撲滅大作戦が行われたようです(2014年)。
もっとも蝶マニアは採集にいったり、撮影にいったりしていたみたいですが^^;

合理的に考えれば生態系は崩れるでしょうから駆除すべし、となるのでしょうね。だから駆除活動となった。
でも、この合理的のご都合主義はかなり危なさそうです。
そも食草である植物はどうなるのでしょう?
ツルマンネングサも外来種です。
他にも街中には外来植物であふれています。
先程例にだした、パンジーもそうですし、ソテツは日本固有種と書かれていましたが自然植物としての北限は九州南部ということです。
クロマダラソテツシジミもそれにともない生育域が広がっているようです。
クロマダラソテツシジミはソテツを枯らす害虫と紹介されますが、もともとなかった生態系を崩す(かもしれない)ソテツを枯らす益虫という言い方もできなくはないでしょう。
同じ外来植物のセイタカアワダチソウや日本在来のタンポポを滅ぼすセイヨウタンポポは目の敵にされますが、花壇から飛び散り野生化した観賞用外来植物はスルーですね。

では、生態系のためにムシャクロを駆逐せよとした人の外来生物、外来植物との関わりはどうなんでしょう、、、みたいな話になってくると、責任を逃れられる人はいないでしょう。人間がつくったこの社会そのものが原因なんですから。
もっともユヴァル・ノア・ハラリなんかは、そうした人間の性癖を利用してムシャクロは生育域を拡張している、、なんて言うかもしれません。^^;

生態系を崩す可能性のあるムシャクロは駆除すべし、、、、
となれば、当然、生態系を崩す可能性のある観賞用外来植物も駆除すべし、、、
となりますか? そうはなりません。
ムシャクロには経済的価値がありませんが、外来観賞植物には経済的価値があります。
クロマダラソテツシジミには経済的価値はありませんが、観賞用ソテツにはあります。
経済的価値のある何もかもは、経済の発展、つまり社会の発展、ついては人類の発展という視点にはかかせません。
経済的な外来は許されます。
ブラックバスなんて最たるものです。
ミドリガメもそうでしたが、経済的な価値がなくなったとたんに一気に敵視されています。
多くの外来ペットは危うい境界にいます。
じゃあオマエは経済的発展つまり社会の発展ついては人類の発展に与して無いのか?と問われれば、はい、与していません、とは言えません。
そんな社会のなかで生活している一人のわけですから。
そういえば外来カメまで飼っていましたorz

今、ちっぽけな蝶の写真をみつめています。

もしこの蝶が喋れたなら・・・などとはいいません。
言われなくても人間であるボクの身勝手さ、独断と偏見はみえます。
そんな十字架を背負いながらも、
それではどう生きるのだ、
という自問自答しかできません。
人間の性癖を決して肯定せずに、さりとて否定もせず
ちゃんと自覚して、
そうして生きていきます。

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