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CUTBOSS MAGAZINE 2019年6号(2月22日号)

自分の「血液型」を当然のように知っているのは日本人だけだ、とよく耳にするが、本当にそうみたいで、社内の外国人エンジニアたちは殆ど自分の血液型を知らなかった。彼女らが来日して驚いたのが、「日本人たちが自然と自己紹介がてら血液型の話をすること」だったそうだ。自分はその話に混ざれない……それは日本で生活する上で早速直面する壁だったみたいで、私に「どうすれば血液型を調べられるのか?」と相談されたので、すぐ彼女らを連れて献血に行ってきた。

事前に、皆で血液型を予想した。血液型の性格診断みたいなのは、日本だけではなく各国にも存在していて、その表現は各国それぞれではあったが、要約するとその内容は日本とほぼ同じだった。世界でも血液型毎に感じている印象は同じらしい。これは面白い。血液型と性格に因果関係が無いってのは、私は信じていない。私は嘗て、「他人の血液型を当てる」のが得意だった。のび太のピーナッツ食いみたいなもので、どうでもいい特技なのだが、だからこそ「粋」であり誇らしかった。それこそ見事に百発百中だったのだが、衰えたものだ、今回、全部、外した。なんと悔しいことか!

私は予想に負けたから、これから後の私の人生は、女性モノのネックレスを身に着けて暮らさなければならない。私の負けたペナルティは、彼女らがレジンで作ったネックレスをオシャレに身に着けることだったので……いやいや、自信満々だった私が悪いんだが、今更ながら、罰が重過ぎやしませんか。

目次
・宝くじと死生観
・「修行」って言葉に騙されている気がする
・「Fit Boxing(フィットボクシング)」はマジ最高!
・「オセロ」って世界共通の娯楽だと思っていた
・ベトナムの「コーヒー」をもっと知ってほしい
・性の話題は「5歳」でもうシモネタとして笑うらしい
・暫くは外国人採用を「出し」に使うんだろうな世間も



宝くじと死生観

私以外が全員外国人エンジニアなので、どうしても近年の日常はそのギャップに驚くことがメインになってしまうのだが、「宝くじ」に対する捉え方もまた違って面白かった。

バレンタインジャンボ」が発売されているが(何かにつけて売り始めたな……)、日本の当選金はそこまで高額ではないので、イマイチ盛り上がりに欠けるというのだ。海外だと、「何百億」という当選金なので、一攫千金、一か八か、それこそ、当たる人は、「神に選ばれた特別な人」と決まっている。

日本で宝くじに当たっても、大富豪レベルの金額ではないから、さすがに「神に選ばれた」とまでは思えない。「お上に選ばれた」くらいには思うが。何にせよ、彼女らに言わせれば、「神に選ばれる」というのは、どんな事故に遭っても窮地に陥っても絶対に死なない、ということと同義なのだという。とにかく、九死に一生を得る、それは神に選ばれたから。本当に人生に挫折したら、死のうと思えばいい。いつか宝くじが当たる人は、それでは絶対に死ねないから。宝くじに当たらない人はその時点で死ぬ。当たる人は、絶対に生かされる。宝くじに当たる人というのは、そういう人なのだそうだ。九死に一生を得るだけで、それだけで宝くじに当たったようなものだと私は思うのだが、その「生かされた意味」は絶対にあって、それはいつか宝くじに当たる為に生かされるのだそうだ。

凄い考え方だが、妙に納得してしまった。生きている意味は、普段、生きていてよく分からなくなる。だけど、「生かされた」のなら、むしろ意味を求めてポジティブに生きるような気がする。これはきっと、宝くじに限ったことではない。仕事なんかでもそう。死ぬ思いで全力でやって、それで失敗して死んだらその程度で、死ななかったら、先に成功が待っているって思っていいんだろう。チャレンジせず、ダラダラ生きるのは、確かに、勿体無い、か。



「修行」って言葉に騙されている気がする

若い頃、IT業界に入る前はパティシエだったのだが、毎日同じことの繰り返しでそれに耐えられなくなって辞めてしまった。元々飽き性なので、今の色々な技術で色々なアプリを開発する職の方が圧倒的に性に合っていたのだと思う。勤めていたパティスリーにはショコラティエが居なかったので、ショコラティエに凄く憧れていて、オリジンーヌ・カカオの面接を受けたこともあるのだが、不採用だった。多分、性根を見透かされたんだろう。バレンタインの時期だけ、大阪にオリジンーヌ・カカオが出張に来るので、毎年チョコを自分で購入している。だからこの時期になると当時を思い出して干渉に浸ってしまう。東京に帰省したときもほぼ必ずオリジンーヌ・カカオに寄るのだが、川口さんはすっかり爺さんになっていて、時の流れを感じる。面接を受けた頃はまだまだ眼光が鋭かったのだけど。

そういえば、ホリエモンの言葉がよく分かる。パティシエは10年の修行を終えるまでは新人だと言われていたのだが、長年の修行はあまり意味がないと当時も今も思っている。実際、業界内で非難されながらも、たった4年だけの修行で独立したシェフがいて、そのパティスリーは大阪で大繁盛。今も現役だ。

これが正しい現実だと思う。現場は体育会系がバリバリで、最早、精神的な修行になってしまっている。いや、「修行」という言葉に身を任せてしまって、何を目指しているのか、ただ年数を経ただけという状態になっている職人だって少なくない。「一人前」って、何なのだろうか。10年修行したら一人前って、どういう理屈なんだろうか。社歴が長いから偉い、みたいな鼻で笑ってしまうような程度の理屈だと思う。

プログラマーでも同じだし、多分、全ての仕事で共通するはずだが、技術を追求した先に何があるのか、その技術を使って何ができるのか、その機転、所謂ビジネスを最も学ぶべきでしょう。極めた技術を誰かに発掘してもらわないと活かされない、自分自身を他人に発掘してもらうこともまた、学ばなければならない必要なビジネススキルなんじゃないか。パティシエ時代、勤務後、黙々と飴細工の練習をする同僚たちにはどうしても共感できなかった。スキルアップは勿論必要なことだ。現在の私だって日々個人的にアプリを開発して常に最新技術の獲得を意識している。ただ、じゃあ、極めた先に何があるのかを考えているのか。自己満足で終わってしまってはいないか。そこが「修行」という言葉で騙されている気がする。



「Fit Boxing(フィットボクシング)」はマジ最高!

体験版の「Fit Boxing(フィットボクシング)」が終わったので、パッケージ版を購入した。そして会社で皆でやったのだが、いやあ、盛り上がる!

二人プレイが相当に面白い。「ダブル」というモードは二人で並んで同じトレーニングをするだけなのだが、「バーサス」というモードが、なんと「対戦バトル」なのだ。相手の攻撃をガードしたり、身体を捻って避けたり、もう汗ダラダラで盛り上がる。

そういえば、ニュースになっていた。やっぱり人気だったんだな。

ただそのせいで、一時的に、パッケージ版の値段が高騰していた。Amazonだと5300円程で購入できたのだが、人気で一時的に品切れになり、その間になんと7000円超まで高騰していた。抜目がないというか、節操がないというか。

ところで、スコアで100点満点を一度も見たことがなかったので、意地になって満点を取るまでやってみた。5回連続でやって、やっと出た。もう酸欠でフラフラ……消費カロリーは合計で110kcalだった。達成感と比較して、こんなもんかあ?

この画面に映っているインストラクターは男性・女性が複数人から選択できて、その見た目もカスタマイズできる。私は白人が好きで金髪が好きでグラマラスな女性が好きなので、そのように設定したら、見事にそのままのインストラクターになってしまって、ちょっと皆に見せるのが恥ずかしい。



「オセロ」って世界共通の娯楽だと思っていた

世界大会があるくらいだから「オセロ」って世界共通で当たり前に一緒に遊べると思っていたのだが、ベトナムの子がオセロを全く知らなかった。そういや、オセロの発祥って日本だから、日本を買い被り過ぎていたというか、世界共通なのはプログラミング言語くらいだ。ベトナムの子は、今まで生きてきてオセロを見たことすらないという。代わりに、ベトナムでは「囲碁」が流行っているそうだ。こりゃまた意外だ。なんで?

やってもらおうと思ってこれを買ったのだが、コンビニにオセロは普通に売っているもんだと思っていたが、売っていなかった。昔のコンビニには将棋などボードゲームの携帯版が売っていたと思うのだが、時代が古いか?今時、オセロはスマホアプリやネットでやるんだろうけど、リアルな対人ができないじゃん。実際、子供の頃にやった以来、リアルな対人で遊んだことなかった。だから久々に面と向かって対戦するオセロは楽しかった。童心に返った気分。

コツを知らないとオセロって絶対に勝てないけど、コツを教えると彼女らもどんどん強くなっていく。エンジニアを日本で選ぶくらいだから、勤勉だし、思慮が深い。今は私の方が強いが、いつか負けそうだ。こっそりオセロの訓練している。負けたら恥ずかしい。なんか、少年漫画みたいで恥ずかしいけど、遊びも、仕事も、トレーニングも、負けたら悔しい相手がいると捗るなあと思ってしまった。そして圧倒的に負けると諦めてしまう。挑戦者の頃が一番楽しい。HUNTER×HUNTERでネテロ会長が難敵に対して「血沸く血沸く♪」と挑戦者になれて喜んでいたが、確かに大人になって立場もそれなりになると、挑戦ってなかなか出来る立場にならないし、保身が勝ってしまって挑戦する気にもなれないから、自分にとっても今は貴重な環境なんだろう。



ベトナムの「コーヒー」をもっと知ってほしい

……しかし、ベトナムのコーヒーが旨い。しみじみ、旨い。毎日、欠かさずに飲んでいる。ベトナムって、実は「世界2位」なんだよね、コーヒー豆の産地として。これは無知で恥ずかしい、本当に知らなかった。ベトナムのお土産として貰って、今回、初めて口にしたのだが、チョコレートと間違うくらいの風味と甘味、コクもあるし、今まで飲んだコーヒー豆の中で一番旨いかもしれない。胸を張って大絶賛できる。

コーヒー豆に対して、豆を挽くという行為に対して、素人には難しいという先入観を持っていたのだが、最近は(オセロのお陰で)チャレンジ精神が芽生えているので、コーヒーミル等、一式、揃えた(以下に紹介)。思っていたよりもずっと簡単に豆が挽けるし、手入れも面倒じゃなかった。マグカップの上にフィルターを乗せてお湯を入れるだけ。わーお、お手軽!

最近は本当に何処へ行ってもベトナムのコーヒーを勧めている。そしてこの一式も。今の所、ベトナムがコーヒー豆の産地として世界2位だと知っている人は一人もいなかった。だから敢えてベトナム産を買ったことも一度もない人ばかりだった。騙されたと思って飲んでみてほしい。もう病み付きになる。次のベトナムのお土産も、私は厚かましくも同じコーヒー豆をお願いしている。



性の話題は「5歳」でもうシモネタとして笑うらしい

自慰(性行為)管理アプリ「アイナーノ」が早々に「500」ダウンロードを突破し、今日現在「700」ダウンロードに達したのは、素直に驚いた。勿論、ユーザの皆様には心から感謝したい。本当に予想外だった。ただ、75%が海外での利用だ。

独自調査の範囲を出ないが、日本ではやはり自慰の話題はシモネタとして嘲笑される対象で、Google以外のサービスでこのアイナーノを宣伝しようとするとアダルトコンテンツとして規制を受けてしまう。メンタルヘルスの世界ではオナニーはリラックスやストレス解消の一環として認められているのだが、日本ではその認知度が極めて低い。だからこのアプリを口頭で勧めるのはセクハラにしかならないから絶対に日本では言えない。

どうもこのアイナーノの需要を調べていると、iPhoneのヘルスケアアプリにはSEXを記録する機能はあるのだが、オナニーを記録する機能はないので、私のこのアイナーノに辿り着くようだ。英語と韓国語でも調べたのだが、圧倒的にオナニーの話題をツイッターでツイートしているのは日本人だった。シモネタとして。そう、だからシモネタとして日本でウケても面白いか、という浅はかな予想でこのアイナーノはリリースしたのだが、私の目的と同じく真面目にヘルスケアとして世界には受け入れられて、本当に嬉しかった。日本でもいつか、必要になるアプリだと思っている。メンタルと性欲が直結していることがよく分かるから。

年末年始、ツイッターで年間のオナニー回数や、今年のオナニーに対する抱負なんかを多くの日本人がツイートしていた。日本では、5歳でもう性に関する話題になると笑ってしまうらしい。タブーを笑って誤魔化すというか、タブーだからこそ笑ってしまうというか。年末年始、驚いたのは、こんなにも自慰に関心があるのに、真面目に語れない日本。子供の頃から植え付けられたタブー。

柏木ハルコの「花園メリーゴーランド」という漫画が今でも本当に心から好きなのだが、この漫画に出てくる「夜這い」や「筆下ろし」の風習は、現在の読者にはただのエロい話にしかならないみたいなのだが、そうやって体を使って性教育する大人たちの「真剣」は、今の学校の潔癖な性教育を考えると失われるべきではなかったと思えてくる。

まあ、とにかく、今後も真面目にヘルスケアアプリとして私はアイナーノをアップデートしていく。先日は貴重な要望も戴いて、その機能を搭載した。有り難い。ゆくゆくは年毎にバイオリズムを見られるようにする予定。吉良吉影の爪ではないが、自慰のバイオリズムは実は「運気」にも繋がっているかもしれない。そうだときっと面白い。



以下は社内批判が若干あるので有料にて限定します。我慢できないことだったのでもう吐露します。

暫くは外国人採用を「出し」に使うんだろうな世間も

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食費入力のみ家計簿アプリ「食費簿」、自慰管理アプリ「アイナーノ」、どちらも御陰様で好調です。より良いアプリ開発に役立てます。