- 運営しているクリエイター
2024年7月の記事一覧
Bills族とN.O.T.E族
2階のカフェに向かうエレベーターの扉がほとんど閉まりかけたタイミングで、人影が見えたから、僕は慌ててエレベーターの右側にある丸い開ボタンを押したのだった。
そしたら、Tシャツ姿で髪を短く刈り込んだ色黒で割と体格のいい男性が乗り込んできた。
入ってきたとき、彼は「ありがとう」の一言、いや、会釈すらせずに、エレベーターが開いたときも、何も言わずにいちばん最初に出て行った。
正直、「何やねん、こい
【1分小説】死神さんとワルツを
真夜中、静まり返った病院の廊下を僕は歩いていた。
暗がりの中で、誰かが踊っていた。
窓から射し込む月明かりに照らされて顔が見える。
やつれきって肉がほとんどなく肌も真っ白、生きていないかと思えるような女性だった。
それでも踊っている姿がとても美しくて僕は見惚れてしまった。
「あら?こんな時間に可愛い坊や。
あなたも眠れないの?」
「うん…。
少しお姉さんの躍りを見ててもいい?」
「