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夢を見る、父と私の諦め

アヤコちゃんが自殺した。私が20歳のときだった。 アヤコちゃんはお父さんの「彼女」だった。 その5年後、お父さんが精神科病院に入院となった。 拘束もされた。 借金が1500万円あると発狂した。 子どもたちも支払い義務がある、と。 社会人3年目を迎えた春、父から留守電が入った。 「ユキちゃん、もうお父さん死ぬ、今救急車呼んだとこ、さっき血便が出た、大腸ガンで、父さん、もう何日もうんち出てなくて、どんどん手とか、顔が黄色くなってきて、足もフラフラして動きにくくて、ごめんなあ

    • 楽に笑いたい

      ふと、立ち止まって 一緒に歩いてた人が 一人で前に進む様子を見つめる いないことに気づいて きょろきょろと探しだす その様子 ゆっくりゆっくりゆっくり歩いて きみとの放課後を少しでも長くしたかった 今はこどもが三人もいるきみ あのとき「一緒に逃げよう」と言えなかった理性が頭の中にベットリと染み渡っている いつもみんながわたしに全部教えてくれていると思ってわたしも全部教えてその後でみんなはなんにも教えてくれてなかったんだということに気づく 空から街を見下ろしてつぶやく

      • 唇の皮

        3000円のブーツはそれなりで それなりのテロテロさで テロテロがひどく私を安心させた # ギュッのある暮らし 水がこぼれたら、 溢れて戻らないなら、 わたしが飲み干すから 自分が優しいと錯覚する運転 ホカホカのごはんの上で ちょっと火が通っちゃった明太子 本当は羊じゃないんだ 見た目も悪いし味も美味しくもない それでも喜んでほしかった みんなに 夢の中で暮らすのはそんなに苦しいですか いつ届くんだろうと待ち侘びる なにも注文していない 誰からも連絡もないのに

        • 古いカップ麺の中を揺蕩う

          もう遊ばなくなったけど、連絡もとらなくなったけど、君が言ってた「お風呂のあとにすぐトイレに行ったら負けた気がする」の思想はずっと私の頭の中にあって、思いすぎて今はもう君と私の2人の小説になっています。 「俺たち家族はかなりドライだからね」 そんなふうに思ったこと一度もなかったよ 犬の足を踏んじゃって泣いたあの人のこと、ずっと美化してる 「また会いたいです」 もう会えないのに、今年だって何回も手紙を読んでは泣いている。ずっと大丈夫だったのに最近になって大丈夫じゃなくなった

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        夢を見る、父と私の諦め

          数年前、毎日怒鳴りあっていたころの私達について

           数年前、私と夫は喧嘩が絶えず毎日のように怒鳴りあっていた時期があった。  私のすべてを夫に理解してほしい。  夫のすべてを理解したい。  ずっとずっとそう思い続けていた。  自分のすべてを与えながら、奪われ、夫のすべてを与えられながら、奪う、そんな生活をしていた。  たくさん泣かせて、たくさん泣いた。  加害者であり、被害者であった。  夫は、私が今まで出会った人間のなかで、一番優しい人間だ。  焼肉屋さんに行ったら、皿にタレを入れるのもお肉を焼くのも取り分けるのも

          数年前、毎日怒鳴りあっていたころの私達について

          あなたとわたしの豪遊ライフ

          「サイゼで豪遊したい」 ここ最近、ずっとこの言葉が脳と腹をかけめぐっている。 ふと、世の中の人がいったいどんな豪遊をしているのか気になったので 「で豪遊」と検索し、まとめてみました。 ・サイゼで豪遊 ・UFOキャッチャーで豪遊 ・メイドカフェで豪遊 ・ニトリで豪遊 ・幸楽苑で豪遊 ・クーポンで豪遊 ・ココスで豪遊 ・始発まで豪遊 ・デニーズで豪遊 ・物産展で豪遊 ・1000円で豪遊 ・マカオで豪遊 ・王将で豪遊 ・しゃぶ葉で豪遊 ・直島で豪遊

          あなたとわたしの豪遊ライフ

          日比谷街歩き謎解き、ときを超えて新たな意味をつけられるものたち

          日比谷の街歩き系謎解きに参加してきた〜 参加費用:謎解きキット購入時に500円 この日はまず都内のスイーツビュッフェに行き、思うままに食べまくり13:30に終了。 わたしと夫はビュッフェが大好きで、よく都内まで食べに行くけど、ビュッフェのあとに何して過ごすかがいつも悩むところ。 関東に住んでいるけど都内ではないので、せっかく都内に行くなら何かして遊びたい。だけど都内で遊ぶような趣味がない… 過去には伊東屋に行って文房具を買ったり、丸善に行って本を読んだりしていたけど、最近

          日比谷街歩き謎解き、ときを超えて新たな意味をつけられるものたち