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【業界研究】総合商社のトレーディングと事業投資について

こんにちは!
最近、また就活関連の記事のアップが増えてきました、
総合商社4年目で就活コンサルをやっていますYasuと申します。

今回は、総合商社の仕事内容について話していきます。

商社志望の方々は、「トレーディング」と「事業投資」という単語を聞いたことがあるでしょう。
総合商社ビジネスの大きなカテゴリーのことで、ほとんどのビジネスはどちらかに当てはまります。

他の業界や大学生には馴染みのない言葉ですので、今回商社の歴史も紐解きながら、ざっくり解説しようと思いました。

商社はビジネス領域が広いので、業界研究と志望動機を伝えるのが難しく、ほとんどの方はビジネスの内容が理解できていないがゆえに、
残念ながら落ちてしまっています。

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総合商社の新卒採用や、転職を志望されている方は、
ぜひ商社ビジネスの変遷やリアルな働き方を参考にしてみて下さい。
それでは中身に入っていきます!

総合商社のトレーディングと事業投資とは?

まず、商社ビジネスの変遷・歴史を話していきます。

もともと商社は前者のトレーディングで活躍しており、以下2つが生業でした。一般的な商社業ですね。
★日本の良い製品を海外に売る
★海外の良い製品を日本に持ってくる


今ではメーカーが垂直統合をはかり、自社で輸出入をすることも多いですが、1900年代では、グローバルなノウハウや英語力を有する企業は少なく、仲介として商社が入って成り立っていたのです。

このようなサプライチェーンは珍しく、今でも海外の方からすると
「Trading Company」という言葉は馴染みがないようです。
日本独自の商習慣も商社の存在を認める要因だったのかもしれません。

しかしながら、1980年代になると、商社不要論が唱えられ、メーカーが輸入からすべてを担うようになります。
言い換えると一社でサプライチェーンを完結してしまうのです。

サプライチェーンの図

その影響から、商社はトレーディングだけではなく、事業に投資をして、グループ企業に経営者の派遣を始めたのです。

「えっ!それって投資銀行と同じなんじゃない」
と思った方いるかと思いますが、商社の事業投資は少し違います。
投資銀行がお金の投資を通じてキャピタルゲインを得る一方で、
総合商社は、お金、人材、ノウハウ(コンサルティング)すべて投資します。

よって、実業がない銀行やコンサルとは違い、責任や当事者意識を持って事業に携われるのです。

余談ですが、商社と投資銀行の違いを面接で聞かれたときに、この仕組みが分かっていないと少々厳しいですね。ぜひ勉強してください!

2022年になった今では、トレーディングの利益よりも事業投資の利益が通常多い印象です。
(今は資源価格の高騰もあって、トレーディングで儲けている特殊な状況かもしれませんが。。。)

三菱商事では「経営人材」という言葉を2017年ごろから掲げており、単に貿易だけでなく、”社員全員を経営ができる”レベルまで育成したいとの目標があります。
上記の流れからすると自然な発想ですよね。

トレーディングと事業投資の意義は?

次に私が考えるトレーディングと事業投資の立ち位置について話したいと思います。
上の話を聞くと、
「では利益率も良い事業投資だけでいいのでは?」
という考えてしまいそうです。

しかし、トレーディングは新規顧客の開拓や収益基盤として重要な役割を担っています。

前提として、信頼関係ゼロから商社が他社と一緒に投資を行うことはほとんどありません。
もともとトレーディングのお客さんだったとか、一緒に輸入に携わったことがあるなど、小さな協業経験があるものです。

そのため、トレードをゼロにしてしまうと、自然と事業投資のチャンスも減ってしまうことでしょう。

また、前述したように資源価格の高騰などで、収益の柱になる可能性
もありますので、バッサリ切った方が良いとは全く思いません。

私の中でトレーディングはヒット、事業投資の成功はホームランです。
コンスタントにヒットが打てるバッターと、三振もあるホームランバッターをチームに入れておいた方が良いチームですよね。
ある程度のバランスが大事かと思います。

トレーディング、事業投資 働き方

次に2つの働き方の違いをサラっと話します。
働き方は会社によっても違う可能性もありますので、ぜひOB訪問などで探ってみて下さい。

トレーディングの働き方

トレーディングは文字通り、輸出入や三国間貿易を行っています。

流れとしては、契約を締結して、価格数量を決定、船や保険はどちらが手配するかなど責任の範囲を決めて、実際に商品を発送します。

輸入の場合は、サプライヤーと顧客どちらともタイムリーにコミュニケーションを取る必要があり、商品が揚地に入港した時など、忙しくなる時期がスポットであります。

私も原料のトレードを行っているので、結構あるあるです(笑)
当然海外と関わる機会が多く、英語力も活かしやすい仕事かと思います。

こんなひとにおすすめ!
★スピーディに働くのが好き
★すぐに結果が出る世界で勝負したい
★海外とのつながりを感じたい

事業投資の働き方

事業投資の働き方としては、まず市場調査を通じてなぜこの会社への投資が必要なのか社内に説明します。承認取得後契約書を締結し、実際にプロジェクトに入っていく流れです。

グループ会社化する場合は、人も派遣するので駐在のチャンスもありますね。
実際に駐在する人以外にも、経理や戦略のアドバイスを本社から伝える役割もあります。

トレーディングと大きく違う点としては、スピード感です。
例えば発電所を作ろうとしても、契約締結まで数年、着工から10年で操業など、時間がかかりますよね。

そのため、じっくり大きなことを成し遂げたい人におすすめかもしれません。

こんなひとにおすすめ!
★長期間努力を積み上げるのが好き
★経営に携わってみたい
★人をまとめるのが好き

まとめ(働き方はこれ以外にも)

今回は、トレーディングと事業投資の歴史・違い、リアルな働き方を駆け足でまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

トレーディングと事業投資はどちらも重要なビジネス形態で、あと10年は変わらないと個人的に思っています。

就活生の皆さんは一概に総合商社と捉えずに、どういう働き方に憧れがあるか、因数分解して考えてみる機会にしてください。

また1つ補足させていただくと、商社には上記以外にも人事、経理、財務、広報、総務などの「管理部門」があります。
私の同期で言うと、全体の3割くらいですね。

そのため、別の働き方もあることを理解いただければと思います。
スキやコメントいただければ、この辺りも今度解説してみます。

無料記事に割には長くなってしまいましたが、以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

今後も宜しくお願いします。

★【最難関の理由を解説】総合商社の志望理由の作り方

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