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アニータ少尉のオキナワ作戦(6)、石垣島Ⅰ

 過去アップした「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」は、「エレーナ少佐のサドガシマ作戦、時系列」「マガジン『エレーナ少佐のサドガシマ作戦』」こちらからどうぞ。

 まだ、サドガシマ作戦、終わっていませんが、アニータ、スヴェトラーナとソーニャの物語でも。台湾侵攻をぜんぜん触れていませんでしたので。単なる輸送任務ということだったですが、それで終わりになるはずもなく・・・

アニータ少尉のオキナワ作戦(6)、石垣島Ⅰ

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アニータ少尉のオキナワ作戦(5)、★石垣島、自衛隊ミサイル部隊周辺の農家の納屋(前回までのお話)

「ご苦労さまでした」と富田。「富田さん、物騒なものがあったわ」とアニータ。「中国製69式40mm対戦車ロケットランチャーが4基。成形炸薬弾が8基。これは自衛隊駐屯地攻撃用かしら?」

「たぶんそうでしょうね。中国の南部戦区が台湾の太平島に侵攻してから三週間経ちましたが、ここ数日、この島からの暗号通信の頻度が以前の5倍になっています。起こってほしくはありませんが、石垣島とこの周辺の島は、台湾本土侵攻には目の上のたんこぶ。さらに新石垣空港は二千メートル級滑走路で、占領すれば奴らにとっては魅力的です。ここに奴らが来る確率は非常に高くなった、と言えるでしょう」

「こういう兵器を隠し持っているシンパを逮捕しないんですか?」「もう少し、泳がせておこうと思ってます」「なるほど」

「お二人はいつまでご滞在なんですか?」と富田が聞く。「72時間の予定ですので、明後日出港です」とアニータ。「残念だな。数週間いてほしいくらいです」「富田さん、無茶言わないでよ。アニータとスヴェトラーナのとおちゃんが佐渡で待っているんだから」と紺野。「まあ、そうですな。日本の問題ですしね。いやいや、ありがとうございました」

三人を郵便局前で降ろした後、富田は車の中で一礼した。ハイエースは速やかに走り去った。
 
「アニータ、スヴェトラーナ、ご苦労さま」と紺野。「お安い御用ですわ」とアニータ。「どうだい?もう、宿舎に帰って寝る?それとも、私の部屋で一杯やる?ウィスキーがあるわよ。バランタインの30年もの。飲んでいかない?おいしいソーセージもあるわ」と二人に聞いた。二人が顔を見合わせてうなずく。「では、お言葉に甘えまして、お伺いいたします」とスヴェトラーナ。

「いいねえ、話が早いわ。あのさ、三本あるから、ボトムズアップね!」
「・・・」


★石垣島、離島フェリーターミナル、ペレスヴェート艦上

「イテテテテ」自衛隊沖縄地方協力本部石垣出張所近くのホテルの一室。朝起きて、紺野は頭を抱えた。午前二時からアニータとスヴェトラーナと一緒にバランタインの30年ものを三本空けたからだ。死にそうに頭が痛い。酒、強いなあ、ロシア姉ちゃんは、と紺野は思った。しかし、さすがにあいつらも私以上に飲んだから、多少は二日酔いだろ?

 紺野はサッと冷水シャワーを浴びて、部屋を出た。ホテルを出て市役所通りを右に曲がる。左手の離島フェリーターミナルには、ペレスヴェートとオスリャービャが停泊しているのが見えた。桟橋を少し歩いて、両艦が停船している方に行く。手前でバリケードが有り、自衛隊員が警備をしている。紺野は内閣情報調査室、自衛隊情報保全隊本部ではなく、佐世保基地営繕課の身分証明を見せた。隊員が敬礼する。
 
 ペレスヴェートのタラップではロシア兵が警備していた。こっちは顔パスだ。「紺野さん、おはようございます!」と英語で元気よく敬礼した。アニータ、スヴェトラーナ、ソーニャ以外、彼女は佐世保基地営繕課所属となっているのだ。しかし、エレーナ少佐かジトコ大将か、誰が選別したのか、この部隊、美人しかいないわね。この子も典型的な金髪碧眼、吸い込まれそうな碧い目。男が放っておかないわよね?
 
 若そうだわねえ。何才かしら?身長は私ぐらいだから、165センチ程度?「おはようございます。警備ご苦労さまです!」と答礼した。敬礼する右手が額に当たって二日酔いの痛みが走る。イテテ。

「石垣島はいかがかしら?」と彼女に話しかける。「ハイ!素晴らしいところです。日本列島が細長いとは地図でわかっておりましたが、こんな熱帯の島があるなど想像もしておりませんでした!あ!私、カテリーナと申します。伍長であります」若そうなのに伍長ということは成績優秀なんだ。

「カテリーナさん、お若そうね?年齢をお聞きしてもよろしいかしら?」「ハイ!18才であります!」「お若いわあ。私なんて、37才よ。羨ましい」「ハ?小官は、日本人の女性の年齢が想像できません。てっきり・・・25才くらいかと思っておりました!」

 25才だってさ、25才!こんなお嬢ちゃんにお世辞を言う機転がきくはずはないわよ。若くみえるんだわあ、私!水陸機動団の広瀬に言って、25才よ!あんたの部下のゴリラ、一人、お貸しなさい!とでも言ってやるか?
 
「カテリーナさん、ご出身は?」「紺野さん、小官は任務中でありまして・・・」あら、真面目!「大丈夫よ。こんな朝早く、誰も来ないわよ。アニータ少尉に言っといてあげるから、おばさんとちょっとお話しようよ」う~ん、仕事柄、すぐ身上調査しちゃうんだよな、私。

「ハア・・・小官は、東部シベリアのブリヤート共和国ウラン・ウデの出身であります。所属は、東部軍管区、ハバロフスク基地であります」ブリヤート共和国?バイカル湖の近くね。ロシアでもすごく貧しい地域。平均給与は4万ルーブルぐらいだったかな?8万円くらい?モスクワの平均給与が11万ルーブル、22万円だったわね。ウクライナ戦役でも、ブリヤート共和国や北カフカースのダゲスタン共和国の兵士が投入されているって聞いてたけど。ウクライナじゃあ、モスクワ、欧州ロシアの人間は死んでないって話だったな。
死亡者のうちモスクワ出身はいない…ロシア軍戦死者の悲しい真実(1)
死亡者のうちモスクワ出身はいない…ロシア軍戦死者の悲しい真実(2)

「ブリヤート共和国?ごめんなさい、ロシアの地理に疎くて・・・」「ハ!ブリヤートはバイカル湖の南にあります。モンゴル共和国と国境を接しております。モンゴルが近くですから、モンゴル系のブリヤート人が多いんです。小官もロシア人とブリヤート人の混血であります」ああ、やっぱり。ソ連時代、ブリヤート人は、男性だけが徴兵で連行されて、残ったブリアート女性がロシア人と半ば強制的に結婚させられたと聞いたことがある。

「バイカル湖の近く!お寒そうねえ?」「ハイ、冬はマイナス20℃、夏はプラス20℃、寒暖の差が激しい大陸性気候の場所です」「ご兄弟は?」「ハイ、五男三女です。小官は五番目の子で次女です」いやいや、子供八人かあ。いくら補助があっても生活は厳しいわ。「まあ、八人兄弟!でも、ブリヤートからハバロフスクはかなり遠いんじゃありません?」「ハイ、ブリアートは貧しくて、職もあまりなく、東部軍管区に所属しておりますので、軍に就職した次第であります」

 カテリーナ伍長、利発そうね。気に入ったわ。アニータに言ってこいつをもらおうかしらね?「カテリーナ伍長、ロシアの話、もっと聞きたいわ。今度非番の時に私と食事しない?石垣島を案内してあげる」「ハ!よろしいのでありますか?」「うん、アニータ少尉に許可もらうから、大丈夫よ」「ハイ!ありがとうございます!」

★ペレスヴェート艦上、燃料気化爆弾の使い道

 伍長と別れて、タラップを上った。カテリーナが岸壁から見上げて敬礼をしている。しっかし、頭痛はするし、腰が痛い。もう年なのかしら。筋トレしないと。昨夜みたいな侵入と観察は、アニータ、スヴェトラーナみたいな若いのに任せないといけないわね。カテリーナもどこかで使い道があるかもしれないわ。
 
 アニータ少尉の居室兼執務室に行くと、広瀬二尉がすでに来ていた。あれだけ飲んだのに、普通の顔色で涼しい顔で広瀬と話している。ロシア女と飲むのはよそう。彼女らみたいにアルコール分解酵素を我々日本人は持っていない。
 
「紺野二佐!今朝はご馳走になりました!」今朝ね、今朝だよ、午前四時まで飲んでましたよ。今、午前七時半だぜ、3時間半しか経ってないよ。それを元気な大声出して。「アニータ、あんた、頭、痛くないの?」「ハイ?なぜ?」「三人でウィスキー三本空けたんだよ?」「まったく普通でありますが?」

「広瀬、ロシア女は化け物だよ。ソーニャもお仲間だ。考え直したほうがいいよ」とソファーに座っている二尉に言った。「二佐、小官は、二佐の言われる化け物でも好きであります!」「恋は盲目だもんなあ。で、広瀬はなんでここに?」

「ほとんど積載していた物を積み下ろしまして、その確認作業です。それと・・・」
「それと?なんだ?アニータを口説きに来たか?子猫ちゃんだけじゃ足りないの?」

「ちょっと、二佐、お止め下さい!あのですね、昨日、二佐と少尉がドックにあるサーモバリック爆薬弾頭ロケット弾の話をされたということで、その話をしていたんですよ。地対地仕様のロケット弾で対空、対艦が可能かどうか?」

「ああ、あの話ね。面白いわね。広瀬はどう思うの?」
「検討の余地あり、です。ロケット弾内部の液体燃料の放出弁から蒸発した燃料が秒速二千メートルで噴出しますね。約マッハ6。それが着火されて蒸気雲爆発を起こします。信管を調整して航空機前方で起動させれば、このロケット弾だと燃料の蒸気雲の直径は500メートルになります。この範囲が爆風でおおわれ、次に爆縮する。信管が正常に作動するなら、いくらJ-20(殲20)がマッハ2で飛行していてもかわせるもんじゃありません。一発で撃墜可能です。命中させなくてもいいんですからね」
「ほほぉ、なるほど」

「それから、艦艇に対しても、艦上二百メートルに信管をセットすれば、航空機と同じく、艦艇は破損、乗組員は爆風と無酸素状態で、戦闘不能状態になります」
「うん、まあ、使えないけどねえ」
「大量破壊兵器扱いですからね。あくまで、理論上の話でありますが」
「想像するだけでおっかない兵器だ。ランチャーは24発装填だよね。連続発射しないで、単射すればかなりの数の艦艇、航空機が破壊、戦闘不能にできてしまうな・・・帰りの沖縄寄港時に防衛省装備庁に引き渡すんだろう?」

「ハイ!装備庁の沖縄分屯所でチェックされるそうです」とアニータ。
「それってさ、装備庁なら航空装備研究所管轄になりそうだ。航空装備研究所って、南禅と羽生がしゃしゃり出てくるような気がする。あんなオタクのキチガイにこれを扱わせるのか?」

「紺野二佐は、南禅二佐と羽生二佐と仲が悪いんですか?」と広瀬。
「仲が悪い?航空装備研究所のある立川とか北千住でいつも奴らと飲んでるよ。逆だよ、逆。あいつらがお茶目するたびに、情報保全隊本部内で問題になるのを私が揉み消しているんだ。だから、奴らにこんな燃料気化爆弾みたいなオモチャを渡すと、また揉み消さないといけない羽目になるから心配しているんだよ」
「なるほど」

「今度だって、どう誤魔化したのか、佐渡ヶ島に最高機密のレールガンを持ち出したろう?戦果があがったからいいが、これだって、情報保全隊本部内でまた審査だよ。アホのあいつらは、昇進もいらん、除隊させられたっていいとほざくが、あんなものを民間に放出したらどうなる?ロッキードやボーイングで大量破壊兵器を作るのがオチだよ。だから、防衛省はあいつらを抱え込まざるを得ないんだ」
「大変な人たちなんですね?」
「大変どころの話しじゃないよ」

★紺野二佐の悪巧み

「そうそう、ひらめいたんだけどね・・・アニータ、昨晩の話を広瀬にするよ」
「よろしいのでありますか?」
「広瀬の今回の任務にも関わることだ。オフレコで知っておいてもらおう」

 紺野は、石垣島を巡る人民解放軍のモグラ(スパイ)、左派系の破防法違反くずれの中国シンパの話をした。それで、アニータとスヴェトラーナが発見した中国製69式40mm対戦車ロケットランチャーの話も。
★石垣島、自衛隊ミサイル部隊周辺の農家の納屋

「紺野二佐、その状況は大変緊迫しているとしか申せません」と広瀬。
「そうなんだ。それでね、二人に相談なんだが、ペレスヴェートとオスリャービャの佐渡ヶ島帰港を二週間ほど延ばすのはどうかと思ってね。アニータとスヴェトラーナの部下、40名がいれば心強いと私は思う」
「確かに、アニータとスヴェトラーナ両少尉とその部隊がいれば、いろいろな隠密行動もできるでしょうね?」と広瀬。
「キミの子猫ちゃんも残るしね?」
「それは・・・私的な話でありまして・・・でも、そんなことが可能でしょうか?」
「私が情報保全隊本部から統合幕僚監部に申し入れさせる。同時に、エレーナ少佐に言って、東ロシア共和国、東部軍管区に根回しさせれば、大丈夫と思う」

 アニータが「スヴェトラーナにもこの話をしてよろしいですか?」と紺野に聞いた。「もちろん、スヴェトラーナにも知っておいてもらわないと困る」と紺野。
 
「それで、続きがあって、公安警察の富田が、中国人のモグラ(スパイ)と日本人の中国シンパの接触場所のバーを探り当てたそうなんだ。沖縄の暴力団、沖縄旭琉会系が経営するバーらしい。そこに、我々の誰かが潜入して、諜報するのもありなんじゃないかと思ってね」

「それは、私とスヴェトラーナの仕事ですわね?」とアニータ。
「ダメだね。アニータとスヴェトラーナじゃあ、臭いがプンプンするよ。奴らは、同じ世界の人間の臭いに敏感だ。私も同じく」
「じゃあ、誰が?」
「考えたんだけどね、アニータ、君らの部隊でとびっきりの無邪気な人間がいるだろう?子猫ちゃんが?」
「あ!それ、ダメです!私が許しません!」と広瀬。
「キミ、ソーニャはまだ東ロシア共和国軍所属、貴官の指揮系統じゃない」
「そ、それは・・・」
「それと、アニータ、さっき岸壁で会ったんだが、カテリーナ伍長ってどう?」
「ハ?カテリーナ伍長でありますか?彼女は非常に優秀な兵士でして、18才ですが、近い将来、下士官に推薦しようと思っております。ですが・・・」
「ソーニャもカテリーナも優秀、自分の身は自分で守れる。しかも、カテリーナもそうだと感じたが、とびっきり無邪気で、中国の奴らに警戒感を持たれないよね?お二人さん、どう思う?」

 考え込んでいたアニータが「確かに、私とスヴェトラーナでは、意識したとしても相手が警戒するでしょう。でも、ソーニャ准尉、カテリーナ伍長に確認して、本人の了解をもらいたいのですが」
 
「アニータ、ちょっと待って!俺の了解はどうなる?」と広瀬。
「広瀬ちゃん、ソーニャ本人が受ける、っていったらどうなのさ?」
「・・・」
「じゃあ、この作戦、検討の余地があるってことで、決定ね!」
「・・・俺は承服できません!」
「まあまあ、内閣情報調査室持ちで、また豪華リゾートホテルに招待してあげるから。ね?アニータ、ソーニャをまた非番にしてあげてちょうだい!広瀬ちゃん、ごねちゃダメだよ。何なら、首相から防衛大臣に言ってもらって、あんたを臨時で私の指揮下においてもいいんだよ?」
「紺野二佐、あなた、悪魔だ」
「諜報担当だもん」
「南禅さんは無邪気です」
「そうよ、南禅、ソーニャ、カテリーナは無邪気。私、アニータ、スヴェトラーナは違う。聞くところによると、アナスタシア少尉も私の同族ね。アデルマン大尉は無邪気なんじゃない?女は幾種類もあるのよ。おわかり?」
「・・・」
「・・・エレーナ少佐はわかんないなあ。どのカテゴリーにも入らない・・・」
「紺野二佐、少佐は、天使と悪魔、両方兼ねておられますので」とアニータ。
「エレーナ少佐に直に会ってみたいわねえ。でも、佐渡と石垣島じゃ機会はないけど・・・じゃあ、善は急げだ。アニータ、ソーニャとカテリーナを呼び出してちょうだい」

 艦内放送で、アニータは二人を呼び出した。ひと通り、アニータはソーニャとカテリーナに状況説明を行い、任務概要を知らせた。
 
「准尉、伍長、この任務は任意である、両名の承諾がなければ、小官はキミらに下命しない。どうだ?」
「ハ!お受けいたします!」と即座にソーニャ。広瀬が「ソーニャ、危ないよ。暴力団経営のバーに行くんだよ?」と言うと「広瀬二尉、軍の命令であります。任意ですが、小官を信頼されての指示、お受けいたします!」と一人前に扱われてうれしい彼女はニコニコして言った。

 自衛隊の営繕事務職だとばかり思っていた紺野が、諜報担当のスパイと知らされてビックリしていたカテリーナも「小官も准尉と同様、お受けいたします!」とアニータに敬礼した。
 
「ソーニャ・・・」と広瀬。「あなた、私だって非番ばかりでイヤなんです。今度は任務!面白そうじゃないですか?ソーニャ、頑張ります!」と准尉。

「広瀬、そういうことだ。大丈夫だよ。富田と私、アニータ、スヴェトラーナがバックアップするから。なんていっても、キミの任地の治安に関する重要なことだよ。諦めなさい。さて、お二人」とソーニャとカテリーナに言う。
「ハ!」
「買い物に行こう」
「ハイ?」
「どうせ、キミら、両少尉のような黒のレオタードは持っていまい?市内のスポーツショップとアパレルショップに行って、今回の任務に必要な服を買いに行くんだ」
「りょ、了解であります!」
「私服に着替えて、10分後にここにもどってくるように」
「ハイ!」

 あ!頭痛いのに、10分後なんて言っちゃった・・・「アニータ、コーヒーくれない?とっても濃いエスプレッソを」

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次回の話(7)


島崎藤村 - 椰子の実

島崎藤村作詞・大中寅二作曲

名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ

故郷(ふるさと)の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)

旧(もと)の木は 生(お)いや茂れる
枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚(なぎさ)を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ

実をとりて 胸にあつれば
新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)

海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷(いきょう)の涙

思いやる 八重(やえ)の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん


マガジン『エレーナ少佐のサドガシマ作戦』


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