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短編小説 | バースデーバルーン | 創作大賞2024
妹の頭が徐々に大きくなっていく。病気じゃない。
わかっているんだ。家族の誰もが。だけど何も言えやしない。
傷ついても、恥ずかしくても、怒っても、どうしたって、妹の頭は大きくなって、その成長を止めることは出来ない。
(一)
妹は僕の八つ下で、ぼくにとっては目に入れても痛くない存在だった。だけど、そんな例えですら口にするのも憚られるくらい、妹の頭は大きくなっていた。
その始まりはた
エッセイ | 作品は投稿した瞬間に自分だけのものではなくなる。
もう2年近く前のことになるが、「#作者がコントロールできること・できないこと」という記事を書いたことがある。
なかなか作者が思ったとおりには作品は読まれることがない。もっと作者の作品に込めた思いに耳を傾けたらどうだろう?、という気持ちで書いた。
だが、どんな作品であっても、それが古典的な地位を占めるような作品であればあるほど、誤読というか、換骨奪胎したような解釈をされるのはやむを得ないの
【読書コラム】自分より本や映画に詳しい人を見ると自信をなくしてしまうけど - 『さがしもの』角田光代(著)
うっかり本を借りてしまった。積読が何百冊もあるというのにやってしまった。
案の定、
「ありがとうございます! 読みます!」
と、答えて半年近く経ってしまった。1ページも開くことなく。
読書談義で盛り上がるとこういうことになりやすい。わたしは素直に面白そうと言ってしまうから、好意で、
「よかったら貸してあげるよ」
と、言ってもらいやすい。そして、つい、感謝の言葉を述べている。
【読書コラム】とどのつまり、文体ってなんなのだ?! プロとアマチュア、男と女、人気のあるなし。その差はいったいどこにある? - 『数字が明かす小説の秘密 スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで』ベン・ブラット(著),坪野圭介(訳)
高校生の頃、幸運にも、大江健三郎さんとお話しする機会を得た。最初、有名な小説家ということで、
「大江先生」
と、お声かけしたのだが、「先生はやめてくれ」と言われたことが印象的だった。
「大江さんと呼んでください」
当時、大江さんの初期作品にわたしはハマっていたので、どうしてこんな現実離れした設定を書くことができたのか、いろいろ質問させて頂いた。「そんなむかしの話を聞かれても」と言いつ