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2024年2月の記事一覧

【詩】斜陽に生きて

【詩】斜陽に生きて

 向かいのピザ屋の店員、
 疲れを隠さずに働いている。
 トマトソースで汚れた両手に、
 覇気なんて微塵無いな。

 隣りの塾に通っている、
 中学生たちも苦しそうだ。
 夕陽と共に遊んだ、
 あの日の思い出なんて忘れたんだ。

 独りぼっち、
 自転車に跨り走っている。

 靴紐解けた、
 くたびれたシューズは無言のままで。

 甘えたがる、
 自分の欠点押し付けた。

 太陽傾き、
 孤独を倍

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hourglass

hourglass

自作自演の砂時計を持って
その場その場でひっくり返す
時を戻して、また進めて
さっきまであった感情を
なかったようにして
また後から取り出していく
時に向き合えているのか
それとも逃げ出す術なのか
あちこちに散らばる涙も
それぞれの意味と流しかたが
違うんだから仕方がない
感情が追いつけない
23時59分のような魔力
変えられてしまう前に
砂が溢れきる前に
何かを決めなくちゃいけなくて
それが怖く

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答えは見つからない

答えは見つからない

人は生きているだけで哀しい思いをする

でも

人は生きているだけでも幸せ

なのかも知れない

自分では判らない

自分では気が付かないだけなのかも知れないけど

そんなものなのかも

答え合わせは上手くいかない

泣きたくなるような

泣きたくなるような

たぶん泣きたくなるような
歌を聞きたい夜なんだろう
たぶん泣きたくなるような
言葉を抱きたい心なんだろう
たぶん泣きたくなるような
私の姿を見たいんだろう
たぶん泣きたくなるような
泣けない自分のままだろう
たぶん泣きたくなるような
新しいを手にしたいのだろう
たぶん泣きたくなるような
自分を認める自分でいたいのだろう
たぶん泣きたくなるような
嬉しいを実感したいのだろう
たぶん泣きたくなるような

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掌編小説 | 梅の花 | シロクマ文芸部 

掌編小説 | 梅の花 | シロクマ文芸部 

 梅の花がいいと言ったら、渋いねと言った。その女は、オフショルダーのカットソーを着ていた。肌には、背中から肩へ這い上がってきたような格好のヘビが彫られている。悪戯な表情のヘビは、もう少しで彼女の鎖骨を丸呑みしそうだ。
 「テスって呼んで。ヘビじゃなくて、アタシのこと」そう言って笑った。外人の男の子のような顔。色白で、後ろを刈り上げた金髪のショートヘアがよく似合う。
 テスに、わたしはタトゥー入れそ

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かまち 《詩》

かまち 《詩》

「かまち」

ただ書きたいから書いている

書く事自体には何の効力も無く

それに付随した
何かの救いがある訳でも無い

文章を書く事で

心の安定を図るだとか

自己表現をする事で

精神を解放するだとか

誰かの心 
精神の安定や解放に寄与するだとか

馬鹿げてる 

事柄を細分化して

文字に置き換えているだけだ

単なる吐き出しの様な文字の羅列

意味のわからない文脈

何の結論も生まない

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無秩序な心の整頓を踏み間違えた夜

無秩序な心の整頓を踏み間違えた夜

全ての裏切りは
顔を出すことなく
ずっとどこかに
潜んでいる

意味とか使命とか
本当はなくて
人が勝手に
意味付けしている

それがもしも世の中に知れ渡れば

辛さも悲しみも
意味がなくなるから
どこかに希望を持つために
意図的につくられたとか

迷惑な夜にわかって踏み込む愚かさ
何にすがりどこまで力を入れればいい

生き方の異なりを認めない
約束されない永遠に
終わりへ向かってああだこうだ

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Yes Sir 《詩》

Yes Sir 《詩》

「Yes Sir」

目の前にある現実を離れ夢想に耽る

其れは僕にとっても君にとっても

別の世界に通じる秘密の扉だった

その扉を開くのは自分自身の想像力

上手く強く想像する事が出来れば

その扉は開き

現実から遠ざかる事が出来る

其れが生きて行く為に
欠かせない必要な事なの

そう彼女は僕に微笑みながら囁いた

僕は彼女の瞳に

自分自身の反映を見る事が出来た

時には傲慢で身勝手で

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つたえあうわかりあい

つたえあうわかりあい

さようならの
かんじょうの
いきさきを
わからないまま
ふらついてる

もうすぐくる
そのときに
どんなかおを
すればいいの

さきのことを
すべてわかって
いまをどう
すごせばいいの

とてもだいじな
じかんなのに
いつもどおり
なにげないかいわ

どうでもいいことに
わらいながら
おちゃをのんで
どうでもいいことに
おこりながら
まわりをまたわらわす

なにかだいじなはなしは
ないのかな
いま

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誰でも知ってる事、誰も知らない事

誰でも知ってる事、誰も知らない事

誰からも嫌われる孤独に
愛してるよと言えるよ
きみはいつも傍にいてくれて
何も言わず寄り添ってくれた
君は独りじゃないよ

誰からも嫌われる絶望に
望みはあると言えるよ
きみはいつも終わりのようで
終わりにさせずにいてくれた
全てはこれからなんだよ

誰からも嫌われる不安に
ありがとうと言えるよ
きみはいつも煽ってるようで
本当は後ろから心配してくれた
危ないのサインは届いているよ

違うんだよ、

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ふれずつかめずむねのうち

ふれずつかめずむねのうち

ずきずきするとこに
ふれてみようとする
てをのばしてるのに
もっともっとおくへ
ふれようとしてても
ふれられないばしょ
しっかりとこのてに
つかんでたしかめる
それすらゆるさない
とざしたむねのうち
たしかないたみだけ
はっきりわかるのは
こわれないようにと
おしえてくれている
さいんだとおもって
ふれもつかみもせず
きみからのでんごん
しっかりうけとめる
やさしくしなくちゃ
いけないよのさいん

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