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発達障害ノート

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記事一覧

「キモくてカネのない女性」は透明な存在である(女性と就労と発達障害)

## 発達障害女性は女社会の共感性圧力によって苦しむのだ論になんか言いたかったはい、インターネットカミツキガメマガジン、前回記事で私がrei氏を取り上げた理由なのですが、ぶっちゃけこっちの話に突っ込みたかったのです。もう一個の論建てがアレだったのでそっちに突っ込んでしまいましたが。

ちょいちょい他記事・動画などの紹介ありますが、記事としてはこれでだいたい完結しているので、後から参照してもらうとい

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「自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界」について

「自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界」について

最近私が意識して取り組んでいるのが「読書」です。
ここ数年「SNS依存」「スマホ依存」の自覚があり、スマホやネットから敢えて距離を置いて心身を休める「デジタルデトックス」の必要性を感じていました。
詳しくは後日改めて書こうと思いますが、長時間SNSやネットを見ていると目が疲れて頭痛がしてくるだけでなく、脳に入る情報量が過剰のために知らず知らずのうちに脳疲労を起こしている不安があるからです。目と脳を

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なぜ「発達障害」が増えているのか。ASD児が知的な両親のもとに生まれることが多い件について。

なぜ「発達障害」が増えているのか。ASD児が知的な両親のもとに生まれることが多い件について。

今日は本のレビューもかねて表記のテーマで書いていきます。
読んだ本はこちら。

岡田先生は『愛着障害』について特に多数の本を出しています。

愛着障害と発達障害こちらの本では、発達障害というより、認知機能の違いだよ。
定型の発達がなぜ必要なのか。認知機能の違いは才能だよ。と明言くださっていて非常に気持ちいいです。

大人が育て方を間違えて二次障害を起こさせたり、愛着の形成をしないことのほうが子ども

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選り抜き一口エッセイ:自閉症スペクトラム

選り抜き一口エッセイ:自閉症スペクトラム

 自分は、精神科にて自閉症と診断されておりまして、そのせいでコミュニケーションに関して問題があったりもしたのですが、これは「にゃるら」という存在のおかげでだいぶ救われました。
 僕の他人との関わりはすべて「にゃるら」のアカウントを知っている方と行っているため、「この人はこういう人だから」といったバイアスがかかり、僕の妙な言動は個性として多少は容認されるようになりました。「ネットの変なやつだから変な

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選り抜き一口エッセイ:精神科医の魔法

選り抜き一口エッセイ:精神科医の魔法

 基本的に精神科の先生は、患者の気持ちを安らげてあげるため、相談された悩みに対して巧みな返答をしてくれます。
 たとえば、「最近眠りすぎて困っているんです」と話してみると、「それはあなたが普段頑張っていたり、他人より生きづらかったりするのだから、その分多く休むのは当然のことだよ」といったことを話す。このように、相手を一安心させる話術に長けているのですね。
 理屈はどうであれ、お医者様の立場で「あな

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エグい眠気とうっかりに困っていた私がADHDに診断される前後の経験談(コンサータ服用中)

私という人間の説明欄にADHD成人女性というステータスが刻まれてから大体3年くらい経つ。私が診断を受けた時よりも、世の中で「ADHD」という発達障害への認知はどんどん広まっているし、当事者の話もネットでかなり探せるようになってきた。でもまあ、いろんなパターンの当事者経験談が読めた方が良いよね!と思うので、自身の振り返りも兼ねて、ネット上に経験談を放流しようと思う。だから、以下はあくまで私個人の話だ

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目を見ながら話せないこと。

目を見ながら話せないこと。

私が小さい頃、母は私が斜視ではないかと疑っていました。私が相手の目を見なかったからです。
私の言葉の遅れについては割と気にしなかった母ですが、目を見ない・視線が合わないことについてはかなり悩んでいたようでした。どうやら普通の子供は言葉を話す前から自然に相手の目を見るものみたいです。

大きくなってからも母からは「ちゃんと人の目を見て話しなさい」と口うるさく注意されたものです。友人からも「Luちゃん

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「困り感のないASD」について。

「困り感のないASD」について。

「カサンドラ症候群」(←配偶者と情緒的な交流が持てないために心を病んでしまう既婚者)の配偶者の多くは未診断のASD当事者とされています。
本人の困り感がないためにASDの自覚もできないので診断や適切な支援につながらず、配偶者だけが困り感を抱えて苦しむという状態です。
最近このような方のツイートをよく目にするのですが、失礼ながら個人的な第一印象は「ASDなのに困り感がないっておかしくない?」というも

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発達障害者の「疲れ」について。

発達障害者の「疲れ」について。

よく「発達障害者は疲れやすい」と言われます。中には週5日フルタイムで働くことも難しい当事者の方も少なくありません。力仕事など特段体力を使うわけでもなく日中普通に過ごしているだけなのに疲れてしまうという方も多いでしょう。
私も例外ではありません。おそらく「疲れた」と「めんどくさい」というのがこれまでの人生の中で最も口にする頻度の多かった言葉ではないかと思っています。

発達障害者の特性のうち「他者と

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ASDを「自覚する」ということ。

ASDを「自覚する」ということ。

自閉症スペクトラム(ASD)は感覚や認知特性、思考パターンなどが多数派の定型発達者と異なるために、しばしば無意識のうちに定型の人たちにとって不可解で違和感のある言動をとることがあります。
そのため、職場の上司・同僚や配偶者・パートナーなどASD当事者と深く関わる立場の定型発達者からは「自分のASD特性を自覚してほしい」という声がよく聞かれます。
しかし、ADHD(注意欠如・多動性障害)やLD(学習

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聴覚情報処理障害(APD)について。

聴覚情報処理障害(APD)について。

聴力自体は問題はないのに、相手の話が聞き取れなくて悩んでいる人たちがいます。賑やかな場所で会話の内容が聞き取れなかったり、何度も聞き返してウザがられたり、よく聞き取れないまま適当に答えて怪訝な顔をされたり、聞いた内容をすぐ忘れてしまって叱られるという経験が人一倍多い場合、聴覚情報処理に問題があるかもしれません。
これらは以前は自閉症スペクトラム(ASD)の特性の一つとされていましたが、現在は聴覚情

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受動型ASDの「内モード」について。

受動型ASDの「内モード」について。

最近「カサンドラ症候群」と呼ばれる、ASDの配偶者と情緒的な交流が持てないために心を病んでしまう定型発達者(特に女性)が増えていますが、興味深いことに彼女たちが指摘するASD配偶者の殆どが「受動型」なのです。積極奇異型や孤立型に比べて比較的問題の少ないと言われる受動型ですが、一体彼らの何がパートナーを苦しめるのでしょうか?どうやら仕事や社交の場で定型発達のようにふるまう「外モード」を離れて、家族や

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会社に「居座り続けた」こと。

会社に「居座り続けた」こと。

先日、私の勤めている会社から「永年勤続表彰」を受けました。
これは私にとってはとても特別なことです。新卒当時、私には社会人生活など到底続かないだろうと私含め誰もが思っていたからです。

永年勤続表彰は会社にずっと勤めてさえいれば誰でもいつかは貰えるものですから多くの人にとっては別にどうというものではないと思いますが、ASD・ADHDの私にとってはその「ずっと勤める」ということ自体がとても大変なこと

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