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ダウン症。認知機能障害の改善や成人後かかりつけ医のいない問題、陸上大会に出場など。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

ダウン症とは染色体の異常で起こる先天性の病気です。知的発達の遅れなどが特徴で、空間認識や記憶力をつかさどる認知機能に障害が出ることもあります。数百人に1人の割合で生まれるとされています。21番染色体が3本あることから、毎年3月21日は「世界ダウン症の日」と定められています。

2022年9月フランスで、ダウン症の認知機能障害改善の研究結果が発表されました。現在は医学の進歩により、ダウン症の方の平均寿命も50歳以上伸びたそうです。

また、宮崎県では2020年に県立みなみのかぜ支援学校の生徒3人による「ダウン症の部」で、障害者アスリートの種目で陸上大会に出場したり、2021年にはダウン症の選手だけの陸上大会も開かれました。

今回は現在のダウン症のことについて迫ります。

ダウン症当事者の認知機能障害が改善、フランスの研究結果より

ダウン症の人に起こる認知機能の障害を、ホルモンの1つを投与したことで改善が可能となった研究データを、フランスのリール大学などの研究チームが総括しました。研究チームは「将来のダウン症の認知機能障害の治療法として期待が出来る」と話していて、その論文が2022年9月2日付のアメリカの科学誌[サイエンス]に掲載されました。

ダウン症の人のほぼ半数の人には生まれつきの心臓の疾患を持って生まれます。1970年まではダウン症の人の平均寿命が約10歳でした。現在は手術で心臓の疾患の治療が可能で、小学生の間には、心臓の疾患も併せて生まれつきの合併症の治療は寛解することも多いと言います。

一方、課題に上がっているのが、甲状腺機能の異常数値やてんかんなど、大人になってから起こる様々な合併症への対応です。21番染色体には、アルツハイマー病に関係した遺伝子構造があり、全員が発症しませんが、40代からアルツハイマー型の認知症の症状が引き起こすケースも出てます。今まで出来ていたことが無理になることもあり、家族も本人を受け入れられず、思い詰めてしまいます。ダウン症の当事者だけでなく、家族の心の緩和ケアも必然です。

今回研究チームでは、ダウン症を再現したマウスを使用した実験データで、嗅覚障害と生殖に関係する「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」と呼ばれるホルモンの1つが認知機能に連携しており、ダウン症の人の治療にも役立つと考え付きました。GnRHは、子宮筋腫の治療薬でも使用されます。ダウン症を再現したマウスでは、GnRHを微調整する物質の機能が良くなく、GnRHの機能を回復傾向に向かわせることで嗅覚障害や認知機能が飛躍しました。

この実験データをベースに、研究チームは、ダウン症を抱えている成人男性に半年間、GnRHをミニポンプで2時間単位で皮下に入れる臨床治験を実施しました。この臨床治験に参加した男性7人のうち6人で空間視覚の機能や判断力などで測定する認知機能が回復しました。嗅覚機能に関しては変化は見られませんでした。

参照:ダウン症の人の認知機能障害、ホルモンの一種投与で改善…仏チームの研究で成果 読売新聞(2022年)

ダウン症が専門の大阪大学の准教授の男性によれば、「ダウン症から来る認知障害に関しての改善策は今まで見つからず、非常に興味深いデータとなっています。更にダウン症の人の参加者を拡大させた臨床治験での有効性の確証が待ち焦がれる実験データです」と言いました。

ダウン症当事者の平均寿命が50年で50歳伸びる

ダウン症を抱える人の大半は生まれつき心臓の疾患があり、1970年までは平均寿命が10歳程度でした。現在は手術で心臓の疾患があっても助かり、最近のダウン症の人の平均寿命は60歳程度ともされています。長生きに合わせ、大人になってから医療の受け皿があまりないことが浮き彫りとなっています。

臨床遺伝専門医でダウン症が専門の東京都北療育医療センターの医師の男性の話では、アメリカでは2010年にはおよそ6割のダウン症の人が二十歳以上を迎えました。高齢化が加速する日本においては、そのダウン症の人の割合はさらに高確率だとされます。大人になったダウン症の人を、うまく医療に結びつけることが喫緊の課題です。

小学生の頃は、心臓の疾患も合わせて生まれつきの合併症の治療も寛解し、その後は特に大きな病気に罹患する事例も少ないので、「かかりつけ医」が不在のまま、大人になってからを生きるダウン症の人も多いと言います。小児科医がその後も大人になってもかかりつけ医である事例もありますが、小児科では、大人になってからのがんや認知症、介護システムとの提携などには十分応じられないことがほとんどです。

大人になると、ダウン症の人はお住まいの内科などに移行していくことが良い傾向であり、定期的な健康診断に行ったり、甲状腺機能検査や尿酸値の検査、認知機能の確認などを毎年1回は受けた方が望ましいです。

さらにダウン症が専門の東京都北療育医療センターの医師の男性の話では「行動確認のチェックなど、自覚症状が現れにくい合併症もありますが、ダウン症を抱える人は自分の症状をハッキリと訴えることが難しい人が多く見られ、状況が悪化した後で病院に通院されることが社会問題です」と指摘しました。

参照:ダウン症の人の寿命、50年で50歳伸びる 不足する医療の受け皿 朝日新聞デジタル(2022年)

ダウン症に重きを置いて課題を議論し発展させる場として、2019年に「日本ダウン症学会」が発足されました。「日本ダウン症学会」では、子どもから大人になった時の移行期医療に関連するガイドブックも作成しました。目標は12歳になると大人になった時に向けて移行支援を取り進め、それから、大人になってから合併症や将来の将来設計などを討論を重ね、20~26歳で成人診療科への移行医療に持ち込むことを盛り込みました。

ダウン症の選手だけのスポーツ大会開催in宮崎

ダウン症の選手だけが出場する、初めての陸上競技の全国大会が24日、宮崎市で開かれ、小学生から成人まで幅広い世代の選手たちが競い合いました。

宮崎市の県総合運動公園で開かれたこの大会は、ダウン症の選手だけが出場する初めての全国大会です。小学生から成人までの合わせて30人余りが出場し、午前中は「ジャベリックスロー」と呼ばれる、やり投げに似た競技や、男女の60メートル走などが行われました。

現在のパラ陸上の大会では、比較的、記録が出にくいとされるダウン症の選手と、ほかの知的障害者の選手が同じクラスに出場することが一般的となっているため、ダウン症の選手どうしが競い合える大会を新たに作ろうという動きが国際的に広がっています。

引用:国内初 ダウン症の選手だけが出場の陸上全国大会 宮崎-NHK(2021年)

参考記事

ダウン症に特化した陸上大会 宮崎で行われたアスリート記録会 NHK宮崎WEB特集(2022年)

ダウン症の子の笑顔はかわいい

ダウン症の方の笑顔は可愛いと思います。私は身近な人にはいないのですが、テレビで観ていたりして、可愛いと思いました。最近はファッションモデルの菜桜さんだったり、マクドナルドで働いている、ダウン症の方もいらっしゃるらしく、多彩ですよね。

私が初めてダウン症の方を知ったのは、金澤翔子さんでした。私はあの頃は左耳の感音性難聴しか分かっていませんでしたが、私はあの時「障害があっても、こんなに凄いことが出来るんだ!凄いなぁ〜」と子どもながら凄く感動したのを覚えています。

どんな障害があっても、自分の特性にピタッとはまれば、その才能が華開き活かせられる、と私は今ライターとしてそう思います。ダウン症の方は認知症など合併症にかかりやすいと言われていますし、全ての障害や病気に言えることですが、その症状が落ち着いたり、和らげられる治療法が早期に確立されることを願います。

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