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012:頑固者が作る優しい白ナチュール【メール・エ・コキヤージュ / Mer & Coquillages 2018】

012:頑固者が作る優しい白ナチュール【メール・エ・コキヤージュ / Mer & Coquillages 2018】

こんにちは、実質春の記憶がない2020年、気がつけば残り2ヶ月を切っています。季節は着実に進み、秋深まった今日この頃。

満を辞して、寝かしていた(キッチンで常温放置していた)柿とブラータと共に。オリーブオイルに胡椒と岩塩を上からたっぷりかけておつまみ仕様に。まさに秋の贅沢。これとNETFLIXを観ながらの晩酌の幸せと言ったら。

メール・エ・コキアージュ / Mer & Coquillages

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旬のスペシャル!失敗知らずの「牡蠣とターメリックのパエリア」が冬を盛り上げます。 #旬とスパイス

旬のスペシャル!失敗知らずの「牡蠣とターメリックのパエリア」が冬を盛り上げます。 #旬とスパイス

今回はとっておきの「パエリア」のレシピです。皆さん「パエリア」はお好きですか? 私は大好き!

お米の芯はかすかに感じるくらい。おこげもカチカチではなくあくまで香ばしさのため。具材はうーんとゴージャスに。華やかさがないとつまらない。大好きがゆえに出来上がりも、こだわりたくなってしまいます。

パエリアパンがあったら本当は嬉しいけれど、フライパンでも出来て、忙しい年末でも軽やかな気持ちで、とっても美

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「辛くはなく、酸っぱさが際立つ」イラン料理を知るための10皿

「辛くはなく、酸っぱさが際立つ」イラン料理を知るための10皿

1980年代後半から90年代にかけて、日本にイラン人が大挙やってきたこともあってか、イラン料理は中東料理の中でも比較的早く日本に広まった。とはいえ、ケバブや「ポロウ」と呼ばれるピラフなど、料理店で食べられるものは、比較的限られている。ここでは、もう少し幅を広げて紹介できたらと思う。

イラン料理を特徴づけるものはいろいろあると思うが、中でも「酸っぱさ」は大きな特徴だ。味付けにレモンなどのかんきつ類

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いつもの冷しゃぶに飽きたら、雲白肉。

いつもの冷しゃぶに飽きたら、雲白肉。

きょうはユンパイロー(雲白肉)にしようと思う、と告げると妻の表情があきらかにこわばった。妻は未知なる食に対する警戒心がとても強い。対する自分はわりと何でも興味を持って食べ漁るほうだ。いつもこちらの思いつきで見よう見まね料理を食べさせられているので、妻としてはそういう態度になるのも無理はない。

あわてて僕は言い直した。「中華風ピリ辛冷しゃぶにするよー」

妻はホッとしたようで「最初からそう言ってく

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おうちで中華マガジン - 秋から冬の中華料理20選+1

おうちで中華マガジン - 秋から冬の中華料理20選+1

本マガジンのレシピは、2024年2月発売の「秋から冬の中華料理50選」に統合されました。レシピが50本入って同じ値段ですので、そちらをお買い求めください。断然お得です!

はじめに新マガジンです!今回は秋と冬が旬の食材を使った中華料理のレシピが21個入っています。秋冬マガジンは今回が初めて。寒い時期に身も心も満たされる料理を厳選してお送りします。

マガジンの価格は、燗酒一本のイメージで500円と

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おうちで中華 - 雪菜肉末炒蚕豆(高菜漬けと豚ひき肉と空豆の炒めもの)

おうちで中華 - 雪菜肉末炒蚕豆(高菜漬けと豚ひき肉と空豆の炒めもの)

空豆が大好きなので、この時期は空豆ばかり食べている。今日は新たな空豆中華をご紹介しよう。江南料理の雪菜肉末炒蚕豆(高菜漬けと豚ひき肉と空豆の炒めもの)だ。

名前は長いが、3つの食材を炒め合わせるだけのシンプルな料理である。豚ひき肉と雪菜(≒高菜漬け)の旨味を、ホクホクの空豆にからめて食べる。その美味しさは、食べずとも想像してもらえることだろう。

雪菜肉末炒蚕豆 
xuěcài ròumò ch

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おうちで中華 - 臘肉炒蒜苗(葉にんにくと中華ベーコンの炒めもの)

おうちで中華 - 臘肉炒蒜苗(葉にんにくと中華ベーコンの炒めもの)

日本でも広まってほしい中国の野菜は色々あるが、そのひとつが蒜苗(或いは、青蒜)。葉にんにくのことだ。シャキッとした歯ごたえににんにくの香りが立ち(当たり前だ)、甘みもある。炒めものに使うととても美味しい。

最近、蒜苔(にんにくの芽)は普通のスーパーでも見かけるようになってきた気がするが、蒜苗はまだまだ。日本人が大好きな麻婆豆腐や回鍋肉だって本場は必ず蒜苗を使うのだから、潜在的需要はあると思うんだ

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おうちで中華 - 涼拌薄荷(ミントの冷菜)

おうちで中華 - 涼拌薄荷(ミントの冷菜)

ご好評を頂いた薄荷牛肉湯(ミントと牛肉のスープ)に続いて、今日も新たなミント料理をご紹介する。雲南料理の涼拌薄荷(ミントの冷菜)だ。これまたSNSで大きな反響を頂いたので、早々にレシピ化してみた。

ミントを料理に多用する雲南料理。その中でも最もシンプルなミント料理がこれだ。最小限の調味料でミントを和えるだけで、ミントの爽やかな香りがむくむくふくらみ、清涼感に満ち溢れた前菜になる。

涼拌薄荷 凉

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おうちで中華 - 鹹肉燜蚕豆(空豆と豚の塩漬け干し肉の炒め煮)

おうちで中華 - 鹹肉燜蚕豆(空豆と豚の塩漬け干し肉の炒め煮)

空豆の旬が終わらぬうちに、空豆中華を畳みかけていきたい。今日の料理は、鹹肉燜蚕豆(空豆と豚の塩漬け干し肉の炒め煮)だ。鹹肉という塩漬け干し肉と空豆をぐわっとたっぷり炒め合わせるワイルドなひと皿である。

冬場に鹹肉を自作した人(→レシピはこちら)には、魅惑の利用法になると思う。もちろん、市販の鹹肉や臘肉を使ってもいいし、それもなければ厚切りベーコンでも似た味は楽しめる。気軽に作ってほしい。

鹹肉

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おうちで中華 - 薄荷牛肉湯(ミントと牛肉のスープ)

おうちで中華 - 薄荷牛肉湯(ミントと牛肉のスープ)

今日はとびきりのご馳走をご紹介する。雲南料理の薄荷牛肉湯(ミントと牛肉のスープ)だ。SNSに上げたら予想以上に大きな反響を頂いたので、早めにレシピ化してみる。

牛肉を煮込んだあっさりスープに、大量のミントをどっさりちぎり入れ、煮えばなを食べる。ミントを!?牛肉と!?大量に!?どんな味なの!?そういう驚きの声をたくさん頂いたが、実際に作れば、今度はあまりの美味しさに驚いてもらえるはずだ。

薄荷牛

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おうちで中華 - 茴香豆(空豆のウイキョウ煮)

おうちで中華 - 茴香豆(空豆のウイキョウ煮)

今日の料理は、茴香豆(空豆のウイキョウ煮)。そう、またも空豆中華だ。茴香豆は、大人気の葱油蚕豆(空豆の葱油炒め)と並んで、僕の中で空豆中華の双璧をなす存在である。

空豆が安く買えた上海時代、大抵は数キロ単位で買ってきて、その日食べる分は葱油蚕豆にして、残りは茴香豆にしていた。茴香豆は味が染み込んだ方が旨いので、買ってきた日に一気に作っておき、翌日以降に食べるのだ。

茴香豆
huí xiāng

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おうちで中華 - 雪菜焼黄魚(高菜漬けとイシモチの煮付け)

おうちで中華 - 雪菜焼黄魚(高菜漬けとイシモチの煮付け)

今日は久々に魚料理をご紹介しよう。上海など江南地方の家庭料理として親しまれている雪菜焼黄魚(高菜漬けとイシモチの煮付け)だ。

名前から焼き魚と思うかもしれないが、中国語だと「焼」は煮ること。魚と雪菜(≒高菜漬け)を一緒に煮ることで、互いの旨味が互いに染み込み、優しく深い味わいが生まれる。

雪菜焼黄魚 雪菜烧黄鱼
xuě cài shāo huáng yú用いる魚は、イシモチ(シログチ)。上海周

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おうちで中華 - 薄荷炒蛋(ミントの卵炒め)

おうちで中華 - 薄荷炒蛋(ミントの卵炒め)

前回に続いて、今日もミント中華をご紹介する。かつて雲南旅行で出会った薄荷炒蛋(ミントの卵炒め)だ。

ミントを卵と一緒に炒めるだけなのでレシピと言うほどのものではないのだが、「ミントってそうやって食べてもいいのか!」と驚いてくれる人もいるんじゃないかと思って、レシピにしておく。

薄荷炒蛋
bòhe chǎo dàn冴えない見た目と思うかもしれないが、雲南の田舎の食堂で出てきそうな気取りのない仕上

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おうちで中華 - 西紅柿捶肉湯(トマトと叩き肉のとろみスープ)

おうちで中華 - 西紅柿捶肉湯(トマトと叩き肉のとろみスープ)

今回の料理は、西紅柿捶肉湯(トマトと叩き肉のとろみスープ)。「捶」とは「打つ、叩く」という意味で、豚肉を叩いて薄く伸ばすところから、この名前がある。

西紅柿捶肉湯 西红柿捶肉汤
xī hóng shì chuí ròu tāng叩いて片栗粉をはたくことで、ちゅるんと柔らかくなった豚肉が実に旨い。叩くことにきちんと意味が感じられる。自然にとろみが付いたスープは、優しい旨味に溢れている。味付けは塩だ

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