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気になる中国

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中国、台湾などでの取材経験を経て、今は国際ニュース発信に従事。現地の人たちとの交流を通じて知ったこと、考えたこと、また、言葉や、溢れかえる中国情報の中から、「私が気になる中国」を…
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#海外生活

載せては消され、消されては載せ・・中国の人たちの新しい風刺動画とは?

載せては消され、消されては載せ・・中国の人たちの新しい風刺動画とは?

「坚持就是胜利!(頑張り抜けば勝利!)」の大号令で進められてきた中国の「清零(ゼロコロナ)政策」が、辛抱限界という抗議の予想以上の盛り上がりを受け、急に緩和され始めた。

国のトップの「弱毒化」発言に続いて、専門家が異口同音に「弱毒化」でお墨付きを与える。大幅な緩和の“科学的根拠”は整ったようだが、結局“勝負”は勝てたのか?元々どうなれば“勝利”かもわからなかったが。

さて、先日は、毎日PCRを

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中秋節「月が綺麗ですね」

中秋節「月が綺麗ですね」

9月10日は「中秋節(zhōngqiūjié ジョオンチウ・ジエ)」。
「中秋佳節 (zhōngqiū jiājié ジョオンチウ・ジアジエ)」とも呼ばれる。
(英語では、Mid-Autumn Festivalなど。そのままやん!)

日本ならば、「お月見でもするか。きれいだね。」程度の日かもしれないが、中国では、春節や清明節などと並び、家族が集まりとても盛大に祝われる日とのことで、最初とても驚い

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赤ちゃん産んだら「坐月子(ズオ・ユエズ)」

赤ちゃん産んだら「坐月子(ズオ・ユエズ)」

「坐月子(zuò yuèzi ズオ・ユエズ)」という中国語をご存じだろうか。

日本語で言うと「産後の肥立ち」にあたるのだろうか。女性が出産後、1ヶ月にわたって身体を休めて養生する中華圏独特の「産後ケア」の伝統習慣だ。

私も実際に知らないので色々調べると、「これはダメ、あれもダメ」と1ヶ月間にわたって生活上の制約が加えられることが書かれていて、とにかく1ヶ月静かにしていなさい、というもののようだ

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中国の「東北人」が、最も言われたくない言葉とは?

中国の「東北人」が、最も言われたくない言葉とは?

中国広し。気候も、食べ物も、言葉も、そして人の気質も、各地で大きく違う。

今日のテーマに入る前に、早速ちょっと脱線。とは言っても、もちろんテーマと関係あり。

私は関西出身だが、若い頃東京に出てきて衝撃的なことがあった。

それは、本当に人にお礼の気持ちを伝えたくて、「ありがとう!いやあ、本当にありがとう。助かった。本当ありがとうねー」と、何度も心をこめて「ありがとう」を連発して気持ちを表したつ

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「民族の伝統」”だから”、席を譲る!?

「民族の伝統」”だから”、席を譲る!?

中国にいると、ちょっとした看板に書かれた何でもない言葉でも、ものすごく違和感を覚えることがある。”政治体制の違う異国”にいるのだとわかってはいるものの、普段目にするものは日本ともそんなに違わないので、すっかり馴染んでいるが、あらためて日本とは全く違う発想で書かれたものを見ると、「おー!ここまで考え方が違うんだ」と、驚かされることが多いのだ。

ちなみに、昔noteの記事で紹介した、街でよく見るスロ

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”人民”ならクスッと笑える、”間接”政治風刺

”人民”ならクスッと笑える、”間接”政治風刺

「中国で政治風刺はできない」 -- そう思っている人はほとんどで、特にそれが中央政府を批判したものであった場合は、実際そうだろう。しかし、中国の人や中国通の人に言わせると、「みんな結構うまく風刺を楽しんでいる」というのだ。

先日、中国人の友人が以下のようなSNSの投稿を見せてくれた。

「最新消息(=zuìxīn xiāoxi=ズイシン・シャオシ=最新ニュース)」という仰々しいタイトルが目を引く

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上海から届いた一枚の「風刺画」

上海から届いた一枚の「風刺画」

先日、中国・上海から、一枚の風刺画が届いた。

きっかけは、中国の「”官製”風刺画」への違和感を書いた私の記事。

上海ロックダウンを生き延びながら、いつも「幽默(yōumò=ヨウモー=ユーモア)」たっぷりに、中国の生の情報を知らせてくれる、「けんいち★人民熊猫1号」さんに、「いつか、けんいちさんの風刺画が見てみたい」とつぶやいたら・・

なんとその直後、本当に描いてくださったのだ! 
こちらをぜ

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権力が描く、官製「風刺画」!?

権力が描く、官製「風刺画」!?

「風刺画」と聞いて、どんな絵を思い浮かべるだろうか。私が人生で初めて意識した風刺画は、やはり、あれ、かなあ。

アメリカ人とイギリス人が、彼らより一回り小さな軍服姿の日本人の背中を押して「お前が行けよ」と。その先には、どっかりと座っているロシア人。彼が焼いている「火中の栗」を拾えと迫られている、あれ。世界史の教科書で誰でも一度は見たことがある超有名なやつだ。

日本に住んだフランス人のビゴーという

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「上海ロックダウン」と「米中戦争」の関係とは?

「上海ロックダウン」と「米中戦争」の関係とは?

どこまでエスカレートするのか、「上海ロックダウン」をめぐる大混乱。住民が警察や党の幹部に抗議をする動画が、中国のSNSに次々アップされては即座に削除されているが、ある動画の中での警察官の発言に、私は、あまりの違和感に自分の耳を疑った。何度も聞き直したが、確かに次のように言っている・・・

抗議する市民の女性と揉み合いになった警官が、女性の顔に人差し指を突きつけてこう大声で怒鳴るのだ・・・

ん、ん

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日本で中国人に「中国の印象はどうですか?」と聞かれたら・・・

日本で中国人に「中国の印象はどうですか?」と聞かれたら・・・

新大久保の散策は面白い。

かつては、といっても、自分が青春時代の頃だが、新大久保=韓国人街だった。今では駅の西側は中国人、そのもっと西はネパール人、北側はムスリムが集まっているようだ。そして最近はベトナムの店の増加が顕著。アジア各国の食を味わい、珍しい食材も買い揃えることができる。ちょっと怪しさもありながら、こんなにエネルギッシュな街もないと思う。

その日、中国系スーパーで食材を買った。店員も

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「要物資!不想餓死!(物資をくれ、餓死したくない)」 上海で一体何が起きているのか!?

「要物資!不想餓死!(物資をくれ、餓死したくない)」 上海で一体何が起きているのか!?

けんいち🎈人民熊猫1号さんを始め、何人もの方がnoteでも現地からリポートされている、ゼロコロナのための「上海ロックダウン」。一体、今、何がどうなっているのか?

現地からSNSで届く映像では、夜の高層マンション街で、住民たちが一斉に窓を開けて、「要物资!(yào wùzī ヤオ・ウーズー=物資が欲しい)」と大声で叫び合い、その声が大合唱になって、夜空に響き渡っている。

さらに、大勢の人が集ま

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世界で5人に1人が視ている(?)ウクライナ報道とは

世界で5人に1人が視ている(?)ウクライナ報道とは

中国のウクライナ報道は・・・
前に中国でのウクライナ報道のテーマを取り上げてから、もう3週間あまり。

今では停戦交渉に注目が集まり状況も変わっているが、今の中国でのウクライナ報道はどうなっているのだろう。「世界の人口の20%近くを占める人たち」は、どういうウクライナの映像を見ているのだろうか。

そう、あくまでざっくりとした数字上の、”おおげさな例え”だが、こんなにたくさんの人が視るものは、どん

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どこまでいくの!? 中国「清零(=ゼロコロナ)」のリアル

どこまでいくの!? 中国「清零(=ゼロコロナ)」のリアル

次のネタは、中国の「清零(qingling=チィンリィン=ゼロコロナ政策)」にしようと思っていた。しかし、けんいち🎈人民熊猫1号さんの記事を読み、書けなくなってしまった。

だって、あまりに凄すぎるから。あまりに恐怖映画の様なリアルストーリーに、中途半端なことは何も書けなくなったのだ。

記事によると、けんいちさん、朝の四時にいきなり家のドアを叩かれ、開けると防護服の人にPCRされ、いきなり「明

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中国の人は、どんなウクライナニュースに触れているのか?

中国の人は、どんなウクライナニュースに触れているのか?

夜のTVニュースでは・・・
日に日に凄惨さを増すばかりのウクライナへの侵攻。中国政府はロシアを批判しないスタンスを貫き、むしろこれまで以上にアメリカ批判を強めているが、実際中国国内では、この戦争はどう報じられているのか。どうせロシア寄りだろうとは誰でも想像するが、実際どんな感じなのか、チェックしてみよう。

まずは、TVニュースの代表格、国営放送CCTVの午後7時の「新聞聯播(Xinwen Lia

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