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和合亮一さんの「詩の礫」から派生した 礫を起点に波紋のよう奇想は巡る
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ダンサーインザダーク

ダンサーインザダーク

山間のバス停に2人
朝の時間帯を逃すと
次がやってくるのは4時間後
到着まであと5分
あなたは踊っているようにも
揺れているようにも見える
私は読みかけの文庫本から目を離せない
伊坂幸太郎の短編なら待ち時間で
読み終えられるから
音が消える
さっきまでの衣ズレや足音が止まっている
「ねーそれ面白い?」
「えっ面白いよ」
「わたしよりも?」
「比べるものじゃあないんじゃないかな?」
「疑問形を疑問形

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ドロリどろりん

ドロリどろりん

血の気が引く
音は
さぁー
って鳴る
寄せては返す
膨らんで萎んでまた膨らんで
いつまで経っても飛ばせない風船
溶ける音
溢れる音
漏れ聞こえる
ドロリ
曖昧な境界線は
揺れる
振れる
シロカ
クロカ
シロクロ
はっきりしない心象風景
グレーみたいに交わらない
曖昧さは
しんか
たいか
身体化
身体は知っている
首を刎ねられても
刺し違える武士
頭を失っても飛び続ける蜻蛉
止んでも滴る雨垂れ
連続

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panoramagardenナンナン

panoramagardenナンナン

ナンを食べるガールズ
風はなんなんってうとうてる
物語に封をして
食べられる前に
届けないと
お腹をすかせた山羊は貪欲
物語を食べてしまったヤギは考える
この紙にも命があって
それをいただいて生きているんだあ
一方その頃
まさか出した手紙が
山羊に食べられてしまったなんて
思いもよらないことが
起きていることなどつゆ知らず
今日もあなたは返事を待っている
伝えたかった私に
語られることがなかった話

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愛は最速

愛は最速

愛と平和
ラブ&ピース
いつも先に愛があって
いつだって愛の側には平和がある
隣人を愛せよ
愛はするものなのかどうかも不確かだけれど
でも愛の傍らには確かに
平和があるってことは信じたい
愛は最前線で踊っている

ナポレオンと同じ誕生日のあなたへの手紙

panoramagarden】vol2 本日雨宿り

panoramagarden】vol2 本日雨宿り

このpanoramagardenは
あのpanoramagardenの続編なのか
はたまたマルチバース違う世界線なのかわからないけれど現時点のあべーわかなの最前線が
手元にやってきた
レシピがあり短編小説があり写真とグラフィック
演劇のチケットzine内zine音楽
まさに自由への片道切符か何かのようで
何処まで行けるんだろう
法定速度のイマジネーションは光速道路へ
光は1秒で地球を7周するってい

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ちっくたっくハグjuly1

ちっくたっくハグjuly1

ポポポポポセミン
いなわしろこでバタフライ
湖畔の空気を吸い込んで
青と緑を取り込んで
血肉となった筋繊維
育ちつつある
駆け出せる筋肉
もう
走り出せるぞ
ポポポポポセミンミン

ちぐはぐハグは
猪苗代を肥やしに
すくすくと育っている
やけに多いな今日は子ども達
三連休の中日
その影響なのかはわからない
土のポセミン
平面
これが
立体になったなら
あの
ポセミン
ルーツの周辺にはコンビニがない

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ちっくたっくハグJune2

ちっくたっくハグJune2

ぎこちないハグとハグは
距離感バグって正面衝突
セッション
セッション
何このテンション
踊る
踊る
身体と心は
チッグハッグ
君は筋斗雲に乗れるのかい?

ちくたくちくたく
刻む時刻
ちくちくちくちく
たくたくたくたく
一定のリズムに見えても
ちくちくでもたくたくでもない
ちくでたく
ずれる
いきる
うまれる
アップルは嘴に
ぴーひゅろろろろ
空にイーグル
鷹の目に天鏡湖

ちっくたっくハグJune1

ちっくたっくハグJune1

この痛みはなんだかんだ
辿って巡りついたあなたはわたし
青い炎は赤いよりも熱い
痛くて悲しい
痛みは怒りと哀しみを浮遊する
拒絶する
受容する
逃走する魂
追跡する私
仲良く喧嘩する
トムとジェリーは
いつかお互いにハグをする時が来るのだろうか

好meets×このみひとつ

好meets×このみひとつ

【Panoramagarden×1.01】
abe-wakanacopyandpasteあべーが描いてリリースしたzineは漫画だったイラストレーターが描く漫画と漫画家の描く漫画の中間の表現を目指したらしいそんな
パノラマガーデンは
コマ割りが1枚の絵を繋ぎ合わせたようなフローをしているこれはアニメーションに近いのかいやアニメの動きを曲線と連続する情景と言葉で構成している映画の予告編のあのスピード

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ほどけてるほどいてる

ほどけてるほどいてる

むすぶって決意することだから
まだむすびたくないんです
解けている
んじゃなくて
解いているんです
きゅっと決心
ほどいて残心
足元の蝶々
羽根は無限をかたちづくる

エブリバディルッキングミイラ

エブリバディルッキングミイラ

吐瀉物はコンクリートの上で干からびて
固まっている
土に還ることもできず
晒されている
誰のかも知らない
ゲロなんて
見たくもないけど
すでにそこに
あるということ
その事実は既成
風雪
風雨
に曝された
木乃伊は
埋葬されたくはない

わたしいがいわたし

わたしいがいわたし

私は
私の顔を描いている
自画像を描いている
ポセミンがひょっこり現れる
私はポセミンなんだから
じゃあ
ポセミンは私なのだろうか
あなたも
あなたも
あなたのポセミンは
同じように見えても
誰一人同じではない
差異なんて
あるし
ないし
ニンゲン
なんて
川みたい
流れが止まると死んでしまう
溢れる涙を
心でしまう
あなたはわたしを写している
ありがとうと
さようならは
枝分かれした
わたしとあ

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書を捨てよ、博物館へ行こう詩人のいる博物館②

書を捨てよ、博物館へ行こう詩人のいる博物館②

講師
詩人
和合亮一
詩人三沢市寺山修司記念館館長
佐々木英明


12月23日(土)13:30-15:30

福島県立博物館講堂&オンライン

「アクション」

寺山修司は文学青年だった
寺山修司=競馬の世界

寺山修司記念館の展示方法について
遠回りする見せたくないような展示のしかた劇場型の「アクション」を加える事で見えてくることがある

寺山修司記念館の客層
①『20前後寺山修司を知らな

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ライドインマイボディ

乗って走行
シンクロ率は100%
メンテナンス次第で縦横無尽
吐く息は蒸気
白い煙は
前へ後ろへ遠ざかる
屁がなる
ぶっぶっと
自家中毒
穴から穴へ
空気を串刺し
吸って吐いて
ぶほぶほ
鳴らしてエンジン
浮遊
目の前の雲を掴んで
空へ飛んでいった