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エッセイ

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伝えたいと思ったことや、心を揺らしたなにかを書いています。たまに毒も吐きます。いつかエッセイを書く仕事がしたいなあ。
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すべて忘れてしまうなら

すべて忘れてしまうなら

昨日の夜。いつか、今ある楽しい記憶や美しい思い出も、すべて忘れていくんだろうか。と思うと、突然悲しくて悲しくてたまらなくなって、泣けてきてしまった。

あまりにセンチメンタルすぎる丑三つ時。

どちらかというとポジティブな性格で、基本的には起きてない何かを想像して悲しくなったり落ち込むことはない。

けれど、夜中1人で起きている時。あまり良い気分じゃなくて、寝たいのに眠れない時。ふと、不安が襲って

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為にならなくたって良い。

為にならなくたって良い。

昨今のSNS世界はフォロワー至上主義みたいになっていて、いかにフォロワーを増やすかの闘いが繰り広げられいる。フォロワーを増やす方法、1ヶ月で何人増えたノウハウ……。フォロワーの多さがマネタイズにも繋がるからだろう。

そして、そういった場でよく大事なこととして言及されているのが、情報発信や誰かの為になる内容というものである。自分の得意なことやこれまでの経験を活かして、その情報を必要としている人たち

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わたしの鍵は母子手帳

わたしの鍵は母子手帳

あれは高校生の頃だっただろうか。

それが何かすら覚えていないが、わたしは何かを探していた。きっと、書類のようなものだったのだろう。あらゆるものがファイリングされている棚に手を伸ばし、引き出しを開けたり閉めたりとひっきりなしに手を動かしていた。

まさかここにはないだろう、と、小さな引き出しを開けた時、わたしの手はふと止まった。そこは印鑑や通帳のような、大事そうなものが入っている引き出しだった。手

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アメリカで会話の噛み合わないロシア人とわたし。

アメリカで会話の噛み合わないロシア人とわたし。

大学のクラスに、ロシア人の友達がいた。

私たちは、お互いを驚かすのが好きだった。
その日も、トイレから帰ってきた私を、彼女は驚かそうとしていた。私はそのことに気付き、逆に彼女を驚かせた。彼女は、声をあげて飛び跳ねた。

彼女は笑いながら言った。
「なんで私がいるってわかったの?!」と。

私は返した。
「今日は眠いよ〜。」

……?

完全に会話がなりたっていない。意味不明すぎる。19歳、しっか

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たとえ生きることが、つらいことの連続だとしても。

たとえ生きることが、つらいことの連続だとしても。

マツコが言っていた。

と。

仕事が上手くいかなくて疲れているのに、それに重ねるように人身事故で電車が止まったり。

信頼していた人に裏切られたり、新しく買ったヒールの靴ずれで、かかとがどうしようもなく痛かったり。食べようと思っていたスイーツを意気揚々と買いに行くと、売り切れていたり。

そんな些細な絶望が、私たちの日々を襲う。

ジョン・レノンは言った。

気づけばあの日の思い出からは10年が

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本当の悪は笑顔の中にある

本当の悪は笑顔の中にある

誰かに対して、本気でその人の存在を消してしまいたいと思ったことはあるだろうか。

その日、私は友達と飲んだ帰りだった。
突然、知らない女性からDMが届く。

「彼、いま、私の家で寝ているんですが。」

状況が読み込めず、頭が真っ白になる。
自分の頭のうずまきを取り払うのに必死すぎて、外の世界の音が、色が、景色が、スーッと遠のいて行くのがわかった。血の気が引く、鼓動が激しくなるとは、まさにこのことだ

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恋愛ノウハウを買う人たち

恋愛ノウハウを買う人たち

「恋愛」というハッシュタグの人気記事を見てみると、彼氏を沼らせる方法だとか、セフレから恋人に昇格する方法だとか、そういった類のものがゴロゴロと有料で販売されている。

そしてバンバン購入され(多分)、故にオススメ数も多い。わたしには、この現象が至極疑問である。

困っている人たちは、知らない人の経験談ではなく、現実世界で目の前にいる人への対処法が知りたいはずなのに。

恋愛ノウハウとは、経験豊富な

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わたしと海の軌跡

わたしと海の軌跡

母 「ライフジャケット着けてね。」
人生初の海、石垣島。小学1年生。

ー海って透き通っててこんなにもキレイで、
魚はこんなにもカラフルなんだ。
シュノーケルで沖縄の海の美しさを知る。

私 「え?これがほんとうに海?」
初めて沖縄以外(湘南)の海に行き、透明度の差におもわず溢す。小学4年生。

ーむり!入れない。
生しらす捕りの体験だけして、トマトに塩をかけてかじる、おいしさを知る。

父 「そ

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届かない蛍光灯と心の距離

届かない蛍光灯と心の距離

好きな人と、同棲をしている。

1LDKの充分すぎる広い部屋で、必要最低限のモノたちと共に暮らす。収納はほとんど趣味に使うものたちで埋め尽くされ、それ以外の荷物はほぼない。

小さな観葉植物を買って少しずつ育てる。
そんな穏やかな生活が落ち着く毎日。

実は、以前も同棲をしていたことがある。

その時は今よりもうんと狭く小さな部屋で
慎ましやかに暮らしていた。

当時、ある日突然別れを告げられ、家

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イルカショーで涙ぐんだ

イルカショーで涙ぐんだ

先日、江ノ島水族館に行った。決して広いとは言えない水族館だが、さまざまな展示を行っており、入った瞬間から人々の感嘆が耳に入る。

かくいう私も、1つ1つの展示に感動し、暗闇の中に明るく照らし出される水槽の中で悠々と泳ぐ魚たちを眺めながら、ひさしぶりの水族館を満喫していた。

歩いていると、あと5分でイルカショーが始まるところだった。せっかくなので観に行こう。

「イルカを飼育している水族館のメイン

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恋に落ちずにはいられない

邦楽、洋楽、ジャンルを問わずいろいろな音楽を聴くが、最近改めて私の心を揺らした曲がある。

Can't Help Falling Love / Elvis Presly

誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。まず「恋に落ちずにはいられない」というタイトルも良いが、始まり方の歌詞が何よりも素敵だ。

バカだとわかっていても、好きになってしまう。心が躍って止められない。それが恋だと、シン

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