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わたしと海の軌跡


母 「ライフジャケット着けてね。」
人生初の海、石垣島。小学1年生。

ー海って透き通っててこんなにもキレイで、
魚はこんなにもカラフルなんだ。
シュノーケルで沖縄の海の美しさを知る。

私 「え?これがほんとうに海?」
初めて沖縄以外(湘南)の海に行き、透明度の差におもわず溢す。小学4年生。

ーむり!入れない。
生しらす捕りの体験だけして、トマトに塩をかけてかじる、おいしさを知る。

父 「そろそろダイビングだな。」中学1年生。

ー鼓膜って破れるとこんな感じなんだ。痛い。
体験ダイビングで鼓膜を破り、水圧のコワさと、自分の耳鼻の弱さを知る。

親友 「伊豆の海に行こうよ!」高校1年生。

ーえっ!めっちゃ綺麗じゃん!
沖縄以外にも水色の海があること、水の色がちがって見えるのは、砂の色の影響も大きいことを実感する。高校1年生。

私は海が好きなのだ、と自覚し
周りも伝えはじめる頃。

親友2人「叫んでみよう!やっほ〜!」

ーあ〜、スッキリする。
高校の親友2人と、遮るものがない空間に向かって叫ぶ気持ちよさを知る、高校2年生。


マダム「海には犬の散歩で毎日くるのよ〜。」

ー海の近くに住むのって、いいな。
ひとり海を眺める良さと、茅ヶ崎に住む見知らぬ人の暮らしを知る。高校3年生。

私 「日差しがつよすぎる!!」

ー海外は日本と日差しの種類が違うな……。
外国の海で、サングラスの必要性と世界の空の広さ、フィッシュアンドチップスの美味しさを知る。19歳。

友達 「海辺で昼間からお酒って最高!」

ーあれ?ビールが美味しく感じる。
暑い中で飲むビールなら美味しいこと、
昼間からお酒の背徳感を知る、21歳。

私 「海で花火が見えるって、すごいね。」

ーこの人、私のこと好きじゃないからなあ…
実らない片想いをしている相手と見る、
海の儚さと、片想いの切なさを知る。22歳。

姉 「海で写真撮ろうよ〜!!」

ーお姉ちゃんとの海外旅行、楽しい〜!
大人になってから行く家族旅行の楽しさと
家族の尊さを知る、23歳。

私 「洗濯機かと思った…」

ー大きい波に巻き込まれたら、しんじゃうな。
サーフィンで波に巻き込まれる怖さと、
波を待つ楽しさを知る。24歳。

彼 「海、一緒に入ろうよ。」

ー入る入る!海はやっぱり楽しいな!
彼と海にくる楽しさ、海の家のタコスのおいしさ、砂浜で並んで寝るきもちよさを知る。
25歳。

波の音を聴きながら、沈み行く夕陽を砂浜で
ただ眺めていると、時の流れがココだけゆっくりなんじゃないかと思うほど、心が落ち着く。


嬉しさ、楽しさ、悲しさ、寂しさ、
あらゆる感情やそれまで知らなかったことを
海で学び、海に捨てた。

どんな感情もその大きさで受け止めて、
悲しさはどこか遠くへ、嬉しさはどこか遠くから、運んでくれそうな気がするから。

海はわたしの、特別な場所。 

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