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恋愛ノウハウを買う人たち



「恋愛」というハッシュタグの人気記事を見てみると、彼氏を沼らせる方法だとか、セフレから恋人に昇格する方法だとか、そういった類のものがゴロゴロと有料で販売されている。

そしてバンバン購入され(多分)、故にオススメ数も多い。わたしには、この現象が至極疑問である。

困っている人たちは、知らない人の経験談ではなく、現実世界で目の前にいる人への対処法が知りたいはずなのに。

恋愛ノウハウとは、経験豊富な人の、いわばデータベースのようなものであり、それらのデータを平均化し、こうすれば成功する確率が高い、という統計学的なものだと思っている。


しかし、目の前にいる彼や彼女は、その統計学で解決できるのだろうか?そういったものを買って解決しようとしているから、いつまで経っても、その沼から抜け出せないのではないか?


小手先のテクニックなどではなく、真心、真正面から相手と対峙し、話し合いをしないと、解決できるものではないのではないか?
むしろ、その小手先テクニックで手に入るような簡単な人間を、本当に欲しているのか?


……などと、必要のない思考がぐるぐる巡る。


いや、買いたい人がいるなら買えばええやろ。個人の自由だし。それで解決できるならハッピーラッキーじゃん。需要と供給。

そう思う自分もいる。わかる。ビジネスはなんだって、需要と供給が合っているならそれで良い。そうでしかない。


でもなんだろう。

ドヤ顔で、こうすれば成功する!沼らせられる!と堂々と販売されている有料ノウハウを見ると、モヤッとボールを投げたくなる。(モヤッとボールの存在を久々に思い出した)


恋愛がはじまるキッカケづくり、進展させるキッカケづくりが上手な人はたしかにいるが、それより先は、結局は対人間であり、個人である。考え方や感性は人によってもちろん違うし、問題が起きた時の対処法も違う。


統計学なので、ノウハウに書いてあることを、片っ端から試せば、何かがヒットするかもしれない。そして思った通りに行くかもしれない。


しかし、この人はこのタイプの人なのか、じゃあこうすれば上手くいくんだ、と、相手をカテゴライズして、それに対するやり方を見つけにいこうとしている。


その時点で、相手を転がしているつもりが、結局自分が合わせに行ってないだろうか?ノウハウを買っている時点で、ありのままの今の自分では勝負できないとわかっている負け戦ではないか?


また、無駄にぐるぐると巡る思考。

彼氏を沼らせられたら、恋人に昇格できたら、嬉しいだろう。目標は達成できるかもしれない。


けれどそのノウハウを買って目標を達成した人たちは、自分の思うように行かなくなれば、適宜他人のノウハウを買うのだろうか……。

そのデータベースを使わずとも分かり合える人と出会い幸せになるほうが、何倍も簡単に思えるのは、わたしだけだろうか。


……。


そんなことを思いつつ、価値観が違くて分かり合えない人にばかり惹かれてしまう私は、データベースの中身が気になって、5年後くらいにポチッている自分を想像できてしまうのだ。

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