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連載小説•タロットマスターRuRu
【第七話・深夜の散歩】
ほろ酔いで店を出た丘咲は、大きく伸びをして駅とは違う方向へ歩きだした。酔い覚ましも兼ねて、来たことのないこの周辺を、散歩してみることにする。この辺りの飲食店はガラス張りでテラス席のある店が多く、どの店も賑わっているのが見える。幸い、会社の知り合いは見当たらなかった。
裏通りを奥へ進むと、店がまばらになり、徐々にひっそりとした雰囲気になっていく。街灯だけが道を照らしていた
連載小説•タロットマスターRuRu
【第三話・夕暮れ時】
しばらくの間、琉々がウトウトの心地よさを楽しんでいると、ノックの音がした。しかし、客が来るにはまだ早い時間である。
「はぁーい!」琉々は入口に向かって大きく返事する。インターフォンなどないこの屋敷では、こんな風に、アナログな対応を続けているのだ。琉々は、立ち上がって小走りで入口へ向かう。
『安川のおばあちゃまかしら?』そう推理してガチャリと扉を開けた。
「こんにちは!
連載小説•タロットマスターRuRu
【第二話・屋敷】
駅を通り過ぎ、少し歩いたところで、角を曲がり細い路地へと入って行く。駅前は賑わっているが、一本道を逸れると静かで落ち着いた通りになる。
裏通りには、服やアクセサリーのお店、オシャレな飲食店がポツポツとある。休日は若者で賑わう通りだ。
それらの店の前を通り過ぎ、通りの先のT字路を曲がった先に大きな木が茂った屋敷がひっそりと佇んでいる。古い外観だが、外壁も庭も丁寧に手入れされてい