はすむかい

「筆を執ってみたい欲」にかられて 大人になりきれない自分と日々闘っている31歳です。 …

はすむかい

「筆を執ってみたい欲」にかられて 大人になりきれない自分と日々闘っている31歳です。 少し海が見える田舎のマンションでの、魚屋さんとの二人暮らしを綴っています。毎日、幸せを感じながら眠りたい。

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固定された記事

あなたと生きていく、覚悟のはなし

結婚しようと決まった時は、家にいた。私たちらしいプロポーズのようなそうでないような一生に一度の儀式は、この先も思い出すたびに笑顔になるような、そんなものだった。…

72

愛おしい毎日に

アボカドを育ててみた。 スーパーでいつものように買ったアボカド。 食べて余った種をきれいに洗って、コップの水につけておくだけ。 育て始めたのはいつだっけ、もう半年…

はすむかい
9か月前
16

祈りのようなもの

なんだかなあ、という日が続く。 悪くはないけど、たいして良くもない。 毎日、何かをこなしているような、何もしていないような。 毎日、日めくりカレンダーをちぎっては…

9

2023年と31歳を、始めようと思う

1ヶ月ほど前、 31歳の誕生日の夜、わたしはかなり落ち込んでいた。 何もしないまま30歳が終わってしまった、この1年に価値はあったのか。何もできていないわたしに価値はあ…

20

時には昔の話をする

今夜の金曜ロードショーは『紅の豚』。 ジブリ映画それぞれに、今までの人生に紐づく思い出がある。 そんな日本人はたくさんいるんじゃないかな。 わたしも例に漏れない…

23

手前味噌に、彼のくれた恋文のこと

彼から恋文をもらった。 彼から手紙をもらうのは、実は2度目だ。 前回は中学3年生、卒業記念に同級生へ手紙を書く企画でもらった、感謝の手紙。 今回、15年ぶりにもらっ…

30

髪を切ったら、阿佐ヶ谷姉妹の三女に立候補できるかもしれない自分になった

就活の面接で、嫌なことがあったときの対処法を聞かれたことがある。 「髪を切ります。」 堂々答えたのはもう9年前のこと。おそらくこの答えがきっかけになって、今の会社…

14

彼の詩と、アンサーのエッセイ

恋人への手紙を書いたことがある。 言葉を目に見える形にすると、どこか本心ではないような、本当に思っていることが伝わっていないような、そんな気がしてしまう。 でも…

8

クリムトのように眠る

グスタフ・クリムト みなさんご存じ、あの有名で人気の高い画家です。 最初に私と絵の関係から話をする。 美術館へはたまに行くくらい、テレビで日曜美術館やなんでも鑑…

15

母が死にたくなったのは、昔のわたしの言葉がきっかけみたいだ

母親は私の結婚に反対している。 ここ数カ月、結婚の話も母親との関係もうまくいっていないが、少し動きはあった。 反対の原因は娘のわたしにあると、1日3通くらいずつ、わ…

15

仕事って、いってみたら案外平気だから大丈夫だよ

工場夜景の見える家に引っ越して、もうすぐ2週間が経つ。 火力発電の煙突からは24時間煙が出ている。 夜の闇に映える白い煙は、いつまで見ていても飽きない。 田舎だし、…

10

都会の空は第二のふるさと

7年住んだこの街は、わたしにとって自由の象徴だった。 引越しそして同棲にあたって、新居へのワクワクはもちろんある。けれど初めて手に入れた自由と、便利さと、気軽さと…

5

私を殺してから結婚しろ、の言葉に傷つかない娘はいないよ

今、親に結婚を反対されている。 正直、覚悟はしていたけどここまでとは。 『母と娘』という人間の関係性の中でもとりわけ難しいところを、見くびっていた。 私は、自分…

25

「絵を描く側の人」にはなれないと思っていた

noteのプロフィール画像を自分で描いてみよう、とひらめいた時、「よくこんなこと思いついたな」と自分でもびっくりした。 昔だったら絶対につながっていない「自分」と「…

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あなたと生きていく、覚悟のはなし

あなたと生きていく、覚悟のはなし

結婚しようと決まった時は、家にいた。私たちらしいプロポーズのようなそうでないような一生に一度の儀式は、この先も思い出すたびに笑顔になるような、そんなものだった。

幾つもの月を数え私は今見つけた
これから先に何があろうとも
あなたと一緒に進んでいこう
(ハンバートハンバート 夜明け より)

ハンバートハンバートの「夜明け」という歌が好きだ。
この歌は、人生の覚悟ができた人の歌なんだろうなと思って

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愛おしい毎日に

愛おしい毎日に

アボカドを育ててみた。

スーパーでいつものように買ったアボカド。
食べて余った種をきれいに洗って、コップの水につけておくだけ。
育て始めたのはいつだっけ、もう半年以上前のこと。

数日おきに水を替えていたら、そのうち種がひび割れた。
割れ目から、白い根っこが少しずつ出てきた。

なんか、種の割れ目けっこうグロテスクだね
確かにそうだね

根っこばかり伸びてコップぎゅうぎゅうになってきたころ、小さ

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祈りのようなもの

祈りのようなもの

なんだかなあ、という日が続く。
悪くはないけど、たいして良くもない。

毎日、何かをこなしているような、何もしていないような。
毎日、日めくりカレンダーをちぎっては捨て、ちぎっては捨て。
アボカドの種に水をやり、お日様にあてる。芽が出たばかりの種は、いつのまにか葉っぱが4枚ひらいている。
おまえはすくすく育っていいな。
毎日進歩があっていいな。

こんなときに考えてしまう、「もしも」

「もしも」

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2023年と31歳を、始めようと思う

2023年と31歳を、始めようと思う

1ヶ月ほど前、
31歳の誕生日の夜、わたしはかなり落ち込んでいた。
何もしないまま30歳が終わってしまった、この1年に価値はあったのか。何もできていないわたしに価値はあるのか。

布団の中で泣き出しそうだった。心の中では泣き始めていた。

となりにいる、彼が言った。
「どうだった?30歳は」

え、どうだったか?どうだったんだろう。何も思いつかない。何もでてこない。なんて言っていいかわからない。

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時には昔の話をする

時には昔の話をする

今夜の金曜ロードショーは『紅の豚』。

ジブリ映画それぞれに、今までの人生に紐づく思い出がある。
そんな日本人はたくさんいるんじゃないかな。

わたしも例に漏れない。
夕方テレビ欄に『紅の豚』を見つけ、元彼の一番好きなアニメだったなと思い出していた。

***

その元彼とは6年ほど付き合った。わたしのモラトリアム時代の傍らには彼がいた。

彼はアニメに拒否感を持つ人だった。だが、ジブリは例外。「

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手前味噌に、彼のくれた恋文のこと

手前味噌に、彼のくれた恋文のこと

彼から恋文をもらった。

彼から手紙をもらうのは、実は2度目だ。
前回は中学3年生、卒業記念に同級生へ手紙を書く企画でもらった、感謝の手紙。

今回、15年ぶりにもらった手紙は、来週にひかえた私の30歳に誕生日に寄せたもの。

ハガキでも便箋でもカードでもない
縦書き明朝体、B5サイズ
コンビニで印刷、自分で製本した、
手作り小冊子の恋文だった。

***

M-1の決勝は、本格的に年末に突入する

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髪を切ったら、阿佐ヶ谷姉妹の三女に立候補できるかもしれない自分になった

髪を切ったら、阿佐ヶ谷姉妹の三女に立候補できるかもしれない自分になった

就活の面接で、嫌なことがあったときの対処法を聞かれたことがある。
「髪を切ります。」
堂々答えたのはもう9年前のこと。おそらくこの答えがきっかけになって、今の会社に入社できた。

私にとって髪を切るとは、定期的なメンテナンスではない。
自分をリセットすること、楽しみな明日をつくること、新しい自分を見つけること。

★★★

今日は気分転換のために2か月ぶりの美容院へ。
カット+カラー+トリートメン

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彼の詩と、アンサーのエッセイ

彼の詩と、アンサーのエッセイ

恋人への手紙を書いたことがある。

言葉を目に見える形にすると、どこか本心ではないような、本当に思っていることが伝わっていないような、そんな気がしてしまう。
でも自分が受け手になると、そんなことは全く気にならず、手紙というだけでただ単純にうれしい。そんなものか。

これは、手紙ではないけれど詩を見せてもらった日の出来事。

***

昨日の夜、彼から「今日書いた詩をみてほしい」と持ち掛けられた。

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クリムトのように眠る

クリムトのように眠る

グスタフ・クリムト
みなさんご存じ、あの有名で人気の高い画家です。

最初に私と絵の関係から話をする。

美術館へはたまに行くくらい、テレビで日曜美術館やなんでも鑑定団など、面白そうなテーマがやっていたらぼーっとみるくらい。

大学の時、空きコマで美術の授業をとっていたこともあった。経済学部の自分は少し浮いていて、毎回緊張しながら教室に入った。作品解説の講義はとても面白かったが、後半色鉛筆による実

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母が死にたくなったのは、昔のわたしの言葉がきっかけみたいだ

母親は私の結婚に反対している。
ここ数カ月、結婚の話も母親との関係もうまくいっていないが、少し動きはあった。
反対の原因は娘のわたしにあると、1日3通くらいずつ、わたしを非難するメールが母から届く。

今日はもう何も手につかず会社を休んでしまった。最近仕事も辛かったから、逃げてばっかりだ。
30になるのにこのメンタルの弱さ、すぐに泣くし、仕事も休むし、社会人としても微妙、私生活も微妙、全部中途半端

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仕事って、いってみたら案外平気だから大丈夫だよ

仕事って、いってみたら案外平気だから大丈夫だよ

工場夜景の見える家に引っ越して、もうすぐ2週間が経つ。
火力発電の煙突からは24時間煙が出ている。
夜の闇に映える白い煙は、いつまで見ていても飽きない。

田舎だし、職場への通勤時間は倍以上になったけれど、なんだかんだいいことのほうが多いではないか。
仕事もリモートがあるから出勤は週3でよい。週に3日だったら早起きも電車もがんばれそう。引越しすぐの私はワクワクのほうが大きかった。

*****

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都会の空は第二のふるさと

都会の空は第二のふるさと

7年住んだこの街は、わたしにとって自由の象徴だった。
引越しそして同棲にあたって、新居へのワクワクはもちろんある。けれど初めて手に入れた自由と、便利さと、気軽さと、この街を離れるのは少しさみしい。

***

引越しまであと3週間。
今日は午前中に引越し用段ボールが届くとあって、少し早起きした。
正確には、まだ暗いうちに起きてしまって普段なら二度寝をするところ、そのまま起きていることにした。

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私を殺してから結婚しろ、の言葉に傷つかない娘はいないよ

私を殺してから結婚しろ、の言葉に傷つかない娘はいないよ

今、親に結婚を反対されている。

正直、覚悟はしていたけどここまでとは。
『母と娘』という人間の関係性の中でもとりわけ難しいところを、見くびっていた。

私は、自分の人生には自信をもって生きてきたほうだと思う。今回の結婚も、私の生涯の幸せにとって最善の相手だという自信がある。若気の至りで舞い上がっているわけではないし、今までの経験や自分自身を踏まえた上での選択だと思っている。

そんな彼なので、母

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「絵を描く側の人」にはなれないと思っていた

noteのプロフィール画像を自分で描いてみよう、とひらめいた時、「よくこんなこと思いついたな」と自分でもびっくりした。

昔だったら絶対につながっていない「自分」と「イラスト」。

新しいことをやってみたいとか極端に前向きな気持ちではなくて、そういえば、くらいの自然な思考でひらめき、繋がった。

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誰かのnoteに、スマホでさくっと絵が描けるアプリの話がでていた。
絵を描くのって無料ツ

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