はすむかい

「筆を執ってみたい欲」にかられて。 後厄32歳、穏やかな日々。 少し海が見える田舎のマ…

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「筆を執ってみたい欲」にかられて。 後厄32歳、穏やかな日々。 少し海が見える田舎のマンションでの、魚屋さん・娘・わたしの3人暮らしを綴っていきます。

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あなたと生きていく、覚悟のはなし

結婚しようと決まった時は、家にいた。私たちらしいプロポーズのようなそうでないような一生に一度の儀式は、この先も思い出すたびに笑顔になるような、そんなものだった。 幾つもの月を数え私は今見つけた これから先に何があろうとも あなたと一緒に進んでいこう (ハンバートハンバート 夜明け より) ハンバートハンバートの「夜明け」という歌が好きだ。 この歌は、人生の覚悟ができた人の歌なんだろうなと思っていた。この人と生きていくと決めたときの覚悟の歌だと。 私にとっての結婚は、「夜

    • 長い長い何十年の始まり

      母子共に健やかに退院した日は、満開を少しすぎた頃。 今年の桜はあっという間に咲いたらしい。3月の終わりに様子を見に行った時は、まだほんの少し咲いていただけだったのに。 病室のテレビで、花見の様子を連日放送していた。病室の窓からは、桜の木はどこにも見えなかった。 帰り道、桜並木のある道を通ってもらった。 桜だよきれいだねと、彼女に話しかけた。 彼女は初めてのチャイルドシートで、すやすやおとなしく眠っていた。時折り呼吸を確認してしまうほど。 春を待つ気持ちと一緒に、彼女の誕

      • 人とのコミュニケーションにおいて、 こんなに早くトライアンドエラーで改善まわせることってないよなあと4ヶ月になった我が子をみて思う。 親子関係、だんだん難しくなってくと思うけど、少しずつ少しずつ関係を築いていきたいな。

        • 愛おしい毎日に

          アボカドを育ててみた。 スーパーでいつものように買ったアボカド。 食べて余った種をきれいに洗って、コップの水につけておくだけ。 育て始めたのはいつだっけ、もう半年以上前のこと。 数日おきに水を替えていたら、そのうち種がひび割れた。 割れ目から、白い根っこが少しずつ出てきた。 なんか、種の割れ目けっこうグロテスクだね 確かにそうだね 根っこばかり伸びてコップぎゅうぎゅうになってきたころ、小さな芽が顔を出した。 茎はニョキニョキ伸びて、あっという間に葉っぱが開いた。 い

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        • 人とのコミュニケーションにおいて、 こんなに早くトライアンドエラーで改善まわせることってないよなあと4ヶ月になった我が子をみて思う。 親子関係、だんだん難しくなってくと思うけど、少しずつ少しずつ関係を築いていきたいな。

        • 愛おしい毎日に

          祈りのようなもの

          なんだかなあ、という日が続く。 悪くはないけど、たいして良くもない。 毎日、何かをこなしているような、何もしていないような。 毎日、日めくりカレンダーをちぎっては捨て、ちぎっては捨て。 アボカドの種に水をやり、お日様にあてる。芽が出たばかりの種は、いつのまにか葉っぱが4枚ひらいている。 おまえはすくすく育っていいな。 毎日進歩があっていいな。 こんなときに考えてしまう、「もしも」 「もしも」あのとき別の選択をしていたら。 仕事、住まい、恋人、家族、趣味、 わたしのアナザ

          祈りのようなもの

          2023年と31歳を、始めようと思う

          1ヶ月ほど前、 31歳の誕生日の夜、わたしはかなり落ち込んでいた。 何もしないまま30歳が終わってしまった、この1年に価値はあったのか。何もできていないわたしに価値はあるのか。 布団の中で泣き出しそうだった。心の中では泣き始めていた。 となりにいる、彼が言った。 「どうだった?30歳は」 え、どうだったか?どうだったんだろう。何も思いつかない。何もでてこない。なんて言っていいかわからない。 しょうがないので、正直に答えた。 「あんまり思い出せない」 こんな言い方して

          2023年と31歳を、始めようと思う

          時には昔の話をする

          今夜の金曜ロードショーは『紅の豚』。 ジブリ映画それぞれに、今までの人生に紐づく思い出がある。 そんな日本人はたくさんいるんじゃないかな。 わたしも例に漏れない。 夕方テレビ欄に『紅の豚』を見つけ、元彼の一番好きなアニメだったなと思い出していた。 *** その元彼とは6年ほど付き合った。わたしのモラトリアム時代の傍らには彼がいた。 彼はアニメに拒否感を持つ人だった。だが、ジブリは例外。「ジブリ以外のアニメはあんまり好きじゃない」という彼の主張は、アニメ文化への偏見に

          時には昔の話をする

          手前味噌に、彼のくれた恋文のこと

          彼から恋文をもらった。 彼から手紙をもらうのは、実は2度目だ。 前回は中学3年生、卒業記念に同級生へ手紙を書く企画でもらった、感謝の手紙。 今回、15年ぶりにもらった手紙は、来週にひかえた私の30歳に誕生日に寄せたもの。 ハガキでも便箋でもカードでもない 縦書き明朝体、B5サイズ コンビニで印刷、自分で製本した、 手作り小冊子の恋文だった。 *** M-1の決勝は、本格的に年末に突入するためのスイッチのようなものだ。 世間ではクリスマス、大晦日、年越し。私にとっては

          手前味噌に、彼のくれた恋文のこと

          髪を切ったら、阿佐ヶ谷姉妹の三女に立候補できるかもしれない自分になった

          就活の面接で、嫌なことがあったときの対処法を聞かれたことがある。 「髪を切ります。」 堂々答えたのはもう9年前のこと。おそらくこの答えがきっかけになって、今の会社に入社できた。 私にとって髪を切るとは、定期的なメンテナンスではない。 自分をリセットすること、楽しみな明日をつくること、新しい自分を見つけること。 ★★★ 今日は気分転換のために2か月ぶりの美容院へ。 カット+カラー+トリートメント 平日はクーポン利用で1000円引きになるけど、一刻も早く気分を変えたかった

          髪を切ったら、阿佐ヶ谷姉妹の三女に立候補できるかもしれない自分になった

          彼の詩と、アンサーのエッセイ

          恋人への手紙を書いたことがある。 言葉を目に見える形にすると、どこか本心ではないような、本当に思っていることが伝わっていないような、そんな気がしてしまう。 でも自分が受け手になると、そんなことは全く気にならず、手紙というだけでただ単純にうれしい。そんなものか。 これは、手紙ではないけれど詩を見せてもらった日の出来事。 *** 昨日の夜、彼から「今日書いた詩をみてほしい」と持ち掛けられた。 詩?ポエム?なぜ…? 隣にいるけどすぐにLINEが鳴って、 そこには10行くら

          彼の詩と、アンサーのエッセイ

          クリムトのように眠る

          グスタフ・クリムト みなさんご存じ、あの有名で人気の高い画家です。 最初に私と絵の関係から話をする。 美術館へはたまに行くくらい、テレビで日曜美術館やなんでも鑑定団など、面白そうなテーマがやっていたらぼーっとみるくらい。 大学の時、空きコマで美術の授業をとっていたこともあった。経済学部の自分は少し浮いていて、毎回緊張しながら教室に入った。作品解説の講義はとても面白かったが、後半色鉛筆による実習が始まり出るのをやめた。 最近はビジュチューンで絵に関する教養を深めていたり

          クリムトのように眠る

          母が死にたくなったのは、昔のわたしの言葉がきっかけみたいだ

          母親は私の結婚に反対している。 ここ数カ月、結婚の話も母親との関係もうまくいっていないが、少し動きはあった。 反対の原因は娘のわたしにあると、1日3通くらいずつ、わたしを非難するメールが母から届く。 今日はもう何も手につかず会社を休んでしまった。最近仕事も辛かったから、逃げてばっかりだ。 30になるのにこのメンタルの弱さ、すぐに泣くし、仕事も休むし、社会人としても微妙、私生活も微妙、全部中途半端。 家にいると泣いてばかりなので、喫茶店に来た。noteを書いて頭を整理する。

          母が死にたくなったのは、昔のわたしの言葉がきっかけみたいだ

          仕事って、いってみたら案外平気だから大丈夫だよ

          工場夜景の見える家に引っ越して、もうすぐ2週間が経つ。 火力発電の煙突からは24時間煙が出ている。 夜の闇に映える白い煙は、いつまで見ていても飽きない。 田舎だし、職場への通勤時間は倍以上になったけれど、なんだかんだいいことのほうが多いではないか。 仕事もリモートがあるから出勤は週3でよい。週に3日だったら早起きも電車もがんばれそう。引越しすぐの私はワクワクのほうが大きかった。 ***** 先週の金曜日の朝、本当に会社に行きたくなかった。休みたかった。 仕事つらいな~い

          仕事って、いってみたら案外平気だから大丈夫だよ

          都会の空は第二のふるさと

          7年住んだこの街は、わたしにとって自由の象徴だった。 引越しそして同棲にあたって、新居へのワクワクはもちろんある。けれど初めて手に入れた自由と、便利さと、気軽さと、この街を離れるのは少しさみしい。 *** 引越しまであと3週間。 今日は午前中に引越し用段ボールが届くとあって、少し早起きした。 正確には、まだ暗いうちに起きてしまって普段なら二度寝をするところ、そのまま起きていることにした。 少しずつ明るくなり、電車の音が聞こえ始めた。 この街ともあと少しだし、せっかくだか

          都会の空は第二のふるさと

          私を殺してから結婚しろ、の言葉に傷つかない娘はいないよ

          今、親に結婚を反対されている。 正直、覚悟はしていたけどここまでとは。 『母と娘』という人間の関係性の中でもとりわけ難しいところを、見くびっていた。 私は、自分の人生には自信をもって生きてきたほうだと思う。今回の結婚も、私の生涯の幸せにとって最善の相手だという自信がある。若気の至りで舞い上がっているわけではないし、今までの経験や自分自身を踏まえた上での選択だと思っている。 そんな彼なので、母が反対する理由に納得できていない。主な理由は二つで、自営業であることと、出身地だ

          私を殺してから結婚しろ、の言葉に傷つかない娘はいないよ

          「絵を描く側の人」にはなれないと思っていた

          noteのプロフィール画像を自分で描いてみよう、とひらめいた時、「よくこんなこと思いついたな」と自分でもびっくりした。 昔だったら絶対につながっていない「自分」と「イラスト」。 新しいことをやってみたいとか極端に前向きな気持ちではなくて、そういえば、くらいの自然な思考でひらめき、繋がった。 ***** 誰かのnoteに、スマホでさくっと絵が描けるアプリの話がでていた。 絵を描くのって無料ツールでもできるんだ、となぜか関心したことから興味を持ってダウンロード。 ペンの

          「絵を描く側の人」にはなれないと思っていた