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私を殺してから結婚しろ、の言葉に傷つかない娘はいないよ

今、親に結婚を反対されている。

正直、覚悟はしていたけどここまでとは。
『母と娘』という人間の関係性の中でもとりわけ難しいところを、見くびっていた。


私は、自分の人生には自信をもって生きてきたほうだと思う。今回の結婚も、私の生涯の幸せにとって最善の相手だという自信がある。若気の至りで舞い上がっているわけではないし、今までの経験や自分自身を踏まえた上での選択だと思っている。

そんな彼なので、母が反対する理由に納得できていない。主な理由は二つで、自営業であることと、出身地だ。

おかしい。借金もなければ養育費も年の差もなく、見た目も素行も問題ない一般男性。我が家も、片田舎の一般家庭。

自営業については、親のエゴではないか。
私はかなり教育には力を注いでもらったおかげで(その是非は別の話)、同じ出身大学や同じ会社の人と結婚しろ、と言われている。彼だと娘とのレベルがあわないと思っているのだろうか、娘を過大評価しすぎているし、学歴を過大評価しすぎている。学歴が良くてもダメな男がいることも経験済みである。
私は一人でも生きていけるような仕事で、共働きで、それでも「いざという時にあてにされるなんてだめだ」と言ってきかない。専業主婦に言われても、という言葉をぐっと飲みこむ。
心配されているのはわかる。でもそれならなおさら、こちらの話も聞いてほしい。

出身地に関してはもう完全に親の思い出の話である。
母が義実家との関係性にかなり苦労したのは知っている。その義実家と、私の結婚相手が同じ地域であることが気に食わない。いやいやお互い様でいい田舎具合ですよというのが客観的意見だが、「この地域の人はダメって昔から言ってきたでしょう」の理不尽さに勝てる理屈などない。
母の恨みは夫婦間で解決して、後の代には持ち越さないでほしいが、父は生粋のコトナカレ主義であり、すべて娘に振ってきている。

そんな母が「結婚の話を進めるなら自死する」と言い出したので、実家でくらす妹はそのフォローにまわってくれている。
妹にとったら、姉は一家の厄介毎を生み出しているストレスの源にすぎず、「結婚?よかったね」などと祝福するムードではない。

祝福されたい、というのは私の理想でしかなかったけれど、ここまで誰にも歓迎されないと、さすがに。
自信をもって生きてきたのは、家族を顧みていなかっただけなのだろうか。幸せを追い求めてきた裏で、どんな犠牲を生んでいたのだろうか。


*****


彼の御家族はとっても良い方で、私の両親がもう2度も「お断りの電話」をし大迷惑をかけているにもかかわらず、電話でもうちの両親をうまくあしらってくれている。
私はただ謝ることしかできないが、私たちの幸せをねがっているよと言葉をかけてくれる。

彼は、落ち込む私にいつも寄り添ってくれる。実家で猛反対されて落ち込んだ自分を、気の向くまま進むドライブに連れて行ってくれる。
今の困難の中でも、どうにか前向きにすすめられるよう知恵を出してくれる。

ただ「いっそ同棲と入籍は裏でするのはどう?」とよく提案してくる。
私が弱気であったり、それでも母を思いやるような発言をすると、「自己犠牲は自分の幸せを否定するってことで、それは二人の幸せを否定するってことだよ。」と言ってくる。
あなたとの幸せのために悩んでいるって大前提があるんだから、ちょっと黙っていてほしい。
(これを書きながら気づいたが、彼にも心の余裕がなくなってきているのかもしれない。私も冷静でいたい。)


*****


入籍する前にとりあえず一緒に住もうと、二人で住む家を借りて引っ越す予定だった。社宅契約になるため、会社の規定上「入居日の3カ月後までに入籍する」状態でないと補助は下りない。
仲介会社から、入居はこの日までにお願いしますと連絡が来たり、今の家の退去申請は1カ月前までに必要だったり、住居手続き系も自分がやらないといけないが、こんな状況だから進めようにも迷いが出るが、締切はくる。


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自分が蒔いた種であるが、母のメンタルケアのために周囲の人に協力を依頼している。父の立場もあるため、正確には依頼するよう父を誘導している。叔父、叔母、友人、第三者に話すだけで心が軽くなることもあるかと思い、とりあえず話をきいてもらうよう、お願いをしている。

これでは全然結婚の話は進まないのに、
でも万一、気が狂ったり死なれても困るし、

そりゃ脅しで言ってるだけだとは思うけど、
母子の関係性をもって脅すのは本当に意地が悪いことだと、わかっていない

私は私で、母の静止を振り切って入籍すると心が決められないのは、こちらも親への依存があるからだろうか。母と一緒に暮らす、父や妹への負い目だけではないのだろうか。


母と娘は難しい。毒親という言葉で片付けることもできるけど、そこまでではない、と思ってしまうのも娘心か。


飾っていた芍薬の花が枯れた。
この記事の画像を芍薬にしようと思い探していると、コメント欄に花言葉ががあった。「幸せな結婚」、そうだったのか。どんな因果か。

ひとつ知識が増えた。
結婚写真を撮るときは芍薬の花を持つのもいいな、とふと思った。




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