なにかを成すとは、どういうことだろう。
それはメロン味の飴が溶けていくようで まるでメロン味の飴が溶けていくようで あなたとわたしの「距離」も溶けていったから この氷が溶けていく速さも 昨日降った静かな…
花束、茶髪に散って、枯れた空、青天に パズルし薔薇に、空気壊れ ケーキでキスして、共に甘やかに ほつれ糸の緑、祝祭に映える 一方で、 曇天の黄昏から舞い降りた鳩 薄…
What a spectacular. 四ツ葉にブラックホール 裂けて、咲いたダリアの花 が、ガガガガガッと割れて、 モーゼの海 に、そそり立つ三島が燃やした金閣寺 さんごじゅうごで …
東京タワーを見上げていた。 酸いも甘いも何度も噛んで、 あなたと出逢った。 「あなたは、初恋の人に似ていただけ」 突き放すわたしを、 「恋は、落ちたそのときが、い…
「雪が好きだ」とあなたが言って、 名前を呼ばれたような気持ちになった。 「どうしたの? あんまり唐突に言うから、 わたしの名前を呼んだのかと思った」 と笑ったら…
ベラ・バクスター「poor things. lol 」 エンドロールの最後に、 彼女は、そうジョークを言って、笑った。
夢を見ることは、時に、 人生を残酷に映すこともあるだろう。 それでも、君は、夢を見る。 なぜだろう。 夢は、最後のその時も、 きっと、夢見る君のそばにいる。 さあ…
背伸びして、あなたのロングコートの 1番上のボタンをとめる 唇を躱すより あなたを傷つける方法を知りたくて 合いそうになる目をそらす あなたを送り出した後 リビング…
「海だなぁと思って」 港町のテラスで、 君は当たり前のことを言ってみせる 晴れた日には、いつもわざと、 クラウディー・アップルを頼んでみせる 優しく海が薫る店内に…
包摂性とは、外れることを、語れるようになること、だと思う。その先に、お互いを外れていると思わないようになること、それが多様性なのではないだろうか。 外れているこ…
悲しかった恋が、 東京タワーの優しい灯りに消えてゆく 「あと何度、 愛してると、 伝えればいいだろう」 と哀しむわたしに、 「変えられるものが、 運命だとは、…
喫茶店で交換したコーヒーカップ 23年、持ってたの もうあの頃のように 誰かを傷つけることはできなくなったし 100円にこだわっていた君を もう、「君」と呼べる年でもない…
池の水面が風にゆれて 薄暮に手招かれ 10月7日の名もなき渋谷の 小さなこの公園だけに 恋人達の秋がやって来る 子どもとすれ違えば わたしの心のどこかが痛み 最初から…
「君と僕は、違う」 と、立場や世代に社会的に捉われて、 自分と相手との間に線を引く主人公に、 「人は悩んで、恋をするものよ」 と、教える朗らかな母さんは、 どこまで…
ー Universe, Universe ー それは、この宇宙の秘密。 この宇宙で、 1つの星が死ぬとき、 星は、一篇の詩を歌う。 ー Universe, Universe ー それは、この宇宙が運命…
九条 モモ
2024年6月23日 00:58
2024年5月27日 23:28
それはメロン味の飴が溶けていくようでまるでメロン味の飴が溶けていくようであなたとわたしの「距離」も溶けていったからこの氷が溶けていく速さも昨日降った静かな雨もこれから「ふたりだけの公理」を築いていくこともそれはメロン味の飴が溶けていくようにあなたとわたしの「距離」を溶かしていく薔薇の花束を贈った翌日のお返しには、一輪のハイビスカスをあなたが折り紙を折ってくれた日は、必
2024年5月16日 23:26
花束、茶髪に散って、枯れた空、青天にパズルし薔薇に、空気壊れケーキでキスして、共に甘やかにほつれ糸の緑、祝祭に映える一方で、曇天の黄昏から舞い降りた鳩薄紫の綿毛をつけたタンポポは窓格子に張付きそれはまるで、ホコリあなたを禁止された駐車場で徐行する高圧ガスと書かれたトラックの運転手にあなたをさらわれるわたし思いがした昨晩自販機の上を走るパイプ管が人知れず
2024年5月5日 18:35
What a spectacular.四ツ葉にブラックホール裂けて、咲いたダリアの花が、ガガガガガッと割れて、モーゼの海に、そそり立つ三島が燃やした金閣寺さんごじゅうごでモナリザとにらめっこしましょ笑ったら、ダメよあっち向いて、来い奇異な旅人よ、サルーテ!紅いシャクナゲ揺れ硝子窓に、サイレン赤く鳴り蒼いヒマワリ咲き硝子窓に、体液青く飛ぶ月の火山が爆発した日
2024年4月21日 16:41
東京タワーを見上げていた。酸いも甘いも何度も噛んで、あなたと出逢った。「あなたは、初恋の人に似ていただけ」突き放すわたしを、「恋は、落ちたそのときが、いつも初恋」と、あなたは追いかけてきた。病院の待合室で、テレビが教えてくれた、ありふれた恋の理論。「こんな理論さえ当てはまらないわたしたちに、」「明るい未来が待っているとは、思えない?」と、あなたは笑ってくれた。「未
2024年2月18日 22:28
「雪が好きだ」とあなたが言って、名前を呼ばれたような気持ちになった。「どうしたの? あんまり唐突に言うから、 わたしの名前を呼んだのかと思った」と笑ったら、背中越しのあなたの気配が一歩近づいた。なのに、「ん?」としか返事をしなかったから、少しむっとして振り返ると、あなたは、オルゴール店内の背の高いクリスマスツリーを見上げていた。「夏のほうが好きだったんだ」と言ったあなたは、
2024年2月10日 23:25
ベラ・バクスター「poor things. lol 」エンドロールの最後に、彼女は、そうジョークを言って、笑った。
2023年12月17日 15:55
夢を見ることは、時に、人生を残酷に映すこともあるだろう。それでも、君は、夢を見る。なぜだろう。夢は、最後のその時も、きっと、夢見る君のそばにいる。さあ、醒めない夢を見よう。夢は、君の人生を、チョコレートのように甘くする。
2023年12月2日 12:48
背伸びして、あなたのロングコートの1番上のボタンをとめる唇を躱すよりあなたを傷つける方法を知りたくて合いそうになる目をそらすあなたを送り出した後リビングに戻るとカーテンが風に揺れていることがいつも、気になるあなたはこの部屋にいない、と風に教えられているような気持ちになるんだろうあなたがくれる沢山の幸せや愛よりもたった一言が許せない、わたしクリスマスの光に彩られ
2023年10月28日 21:42
「海だなぁと思って」港町のテラスで、君は当たり前のことを言ってみせる晴れた日には、いつもわざと、クラウディー・アップルを頼んでみせる優しく海が薫る店内に夕陽が差込み始める頃、グラスにジュースを少し残し、君が言い始める冗談に、わたしは渾身の防衛戦「アップル・ジュースが、 夕陽より紅くなればね」なんて、言ってみせた「雪は、冬の花だよね」と当たり前のことを言ってし
2023年10月19日 12:26
包摂性とは、外れることを、語れるようになること、だと思う。その先に、お互いを外れていると思わないようになること、それが多様性なのではないだろうか。外れていることと、窓ガラスを割ることは、違う。しかし、この国では、外れていることと、窓ガラスを割ることが、まだまだ同義で語られてしまい、取り締まりと気づかずに取り締まりに近いことが行われている。外れていることを、個性と、なぜ捉えられないのか。まだ
2023年10月17日 22:29
悲しかった恋が、東京タワーの優しい灯りに消えてゆく「あと何度、 愛してると、 伝えればいいだろう」と哀しむわたしに、「変えられるものが、 運命だとは、思わない」と哀れを溶かしてくれたあなた「忘れていいんだ」と言うあなたに、「忘れていいのかな」しか、わたしは返事することできなかったのに、あなたは、「嘘でいいんだよ、好き、なんて」とは決して言わなかっ
2023年10月12日 22:06
喫茶店で交換したコーヒーカップ23年、持ってたのもうあの頃のように誰かを傷つけることはできなくなったし100円にこだわっていた君をもう、「君」と呼べる年でもない20年前に気づくべきだった電車での会話が相性のすべてだってこと「君」は、走り去る電車の中から手を振ることしかしてくれなかったのにそんなが「君」が、ただ、好きだった増えていくお土産の写真3日に1回になったSNSす
2023年10月7日 18:44
池の水面が風にゆれて薄暮に手招かれ10月7日の名もなき渋谷の小さなこの公園だけに恋人達の秋がやって来る子どもとすれ違えばわたしの心のどこかが痛み最初から踵が磨り減った深紅のハイヒールを渋谷のデパートに探しに行く老夫人とすれ違ってもわたしの心のどこかは痛み最初から踵が磨り減った深紅のハイヒールを渋谷の同じデパートに探しに行く手慣れたフォンコールお手のもののアンコ
2023年10月1日 23:20
「君と僕は、違う」と、立場や世代に社会的に捉われて、自分と相手との間に線を引く主人公に、「人は悩んで、恋をするものよ」と、教える朗らかな母さんは、どこまでも粋に生きている。母さんに導かれて、主人公が辿り着く答えに、わたしたちも気づかされる。「人は、そんなに変わらない」と。
2023年8月12日 22:51
ー Universe, Universe ーそれは、この宇宙の秘密。この宇宙で、1つの星が死ぬとき、星は、一篇の詩を歌う。ー Universe, Universe ーそれは、この宇宙が運命(さだ)めた秘密。この宇宙は、数多の詩を編む、大きな大きな、1冊の詩集。ほら、今日もまた、星が死ぬ。そして、最後に、星は歌う。あの星は、生きた。一篇の詩を歌うため。この