かなしみ

悲しかった恋が、
東京タワーの優しい灯りに消えてゆく


「あと何度、
 愛してると、
 伝えればいいだろう」

と哀しむわたしに、

「変えられるものが、
 運命だとは、思わない」

と哀れを溶かしてくれたあなた


「忘れていいんだ」

と言うあなたに、

「忘れていいのかな」

しか、わたしは返事することできなかったのに、

あなたは、

「嘘でいいんだよ、好き、なんて」

とは決して言わなかった


秋の東京タワーが見える公園で、
あなたと手を繋いだら、
雪の結晶が、幸せになって降る冬が見えた


あなたが愛しくて、
愛(かな)しい






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