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気まぐれ日記

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ふと思ったこと、忘れないようにメモしたこと。それから旅のこと。ほんの少しの心の動きを大切にしています。気まぐれ更新📝
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記事一覧

昔は明るかった話、など | 気まぐれ日記

昔は明るかった話、など | 気まぐれ日記

昔は明るかった。世の中も自分も。エンタの神様が毎週あれば、それだけで幸せだった。我が家は22時には消灯ルールだったけれど、布団をテレビに被せて光や音がこぼれないようにし、声を押し殺して笑った。最後のトリを飾る波田陽区が出てくると、あ〜終わっちゃう。。。と残念な気持ちになった。途中からどぶろっくになったっけ。同世代の人なら分かってくれるのでは、と思う。

日本の未来は明るいと誰もが信じていた。世界が

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この町にさよならを告げる | 湯河原日記

この町にさよならを告げる | 湯河原日記

1つの町を出るとき、次の場所に行くことへの楽しみの気持ちの方が、いつも大体大きい。でも、今回はちょっと違った。寂しくて、寂しくて、1か月と少し住んだ家を出てから駅まで向かう道すがら、何度も振り返ってしまった。大事な友ができたからか、好きな味をみつけたからか、たった1カ月半しかいなかったのに。この町が消えて無くなることはないはずなのに、もう戻って来られないような、一度出たら全て、幻になってしまうよう

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雨の湯河原でモーリシャス料理 | 湯河原日記

雨の湯河原でモーリシャス料理 | 湯河原日記

台風による大雨の1日。明日は夫の、明後日はわたしの誕生日。晴れ男と晴れ女のはずなのに、おかしいねぇと言いながらベーコンエピを半分こしてはじまる朝。もちろんお腹は満たされず、喫茶店のモーニングを食べに行くことに。家の近くの喫茶店「ウェンズデー」へ。

ドアを開けると、入り口までお母さんが来てくれて「こんな台風なのに来てくれてありがとうねぇ」と出迎えてくれた。「さぁ何食べる?おすすめはこれで~…」とマ

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ながれゆく日々を愛す | 湯河原日記

ながれゆく日々を愛す | 湯河原日記

家の近くに川が流れている。時々川沿いを散歩する。ゆく川の流れは耐えずして〜、方丈記の一説が好きだ。頭の中でいつか覚えた一節を思い出して、お、まだ覚えている、と得意気につい笑みがこぼれた。同じ日は二度とやってこない。もう二度と。それがどういうことなのか、知るのはきっともっとあとのことだ。

いつかの日記①
連日、大好きな友人に会った。先週も、今週も、昨日も今日も。久々に会う友も、よく会う友も。この

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千年のときに触れる1 | 屋久島日記

千年のときに触れる1 | 屋久島日記

2024/8/3

朝4時に起きて、まだ重い瞼をなんとかあけて成田空港へ向かう。空港は早朝とは思えないほど賑わっていて、旅への期待で溢れていた。無事に飛行機に乗り込み、わたしは眠りについた。

今回は大学時代の友人と屋久島へ。縄文杉を見に、22キロのトレッキングへ挑戦しようということになった。彼女とは頻繁に会うわけではないが、時々ふっと引き寄せられるようにいいタイミングで会う機会が訪れる。佐賀に住

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気持ちは有限 | 気まぐれ日記

気持ちは有限 | 気まぐれ日記

2024年某日

不倫の謝罪コメントって誰に向けて謝ってるんだろう。といつも思う。ちょっと有名な人が、知る人は知っている、みたいな人が謝っていた。それを読んでも別に何にもわたしは思えなくて、記号としてしか頭に入ってこなくて、ごめんなさいの気持ちの無駄遣いだなと思った。仮にもし、本当に謝られるべき人がいるとしたら、その人にとってこの誰に向けたかわからない言葉も私にくれよ、と思うのではないかしらん。少

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あとで後悔をしないように | 気まぐれ日記

あとで後悔をしないように | 気まぐれ日記

2024/07/02

スマホのメモに残して、時々読み返すお父さんの言葉。大好きなドラマのこの台詞はいつもわたしの心をぐんと動かす。

コロナ禍で経験した会いたい人に会えない辛さ、苦しさ、寂しさ。触れ合うことの喜び。ぎゅっと抱きしめて、手を握ることの安心感。好きなひとの匂い。

SNSを通して画面越しに簡単に繋がることができるこの世界で、わたしたちは本当にその人のことを、理解できているのだろうか。

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#18 命のこと | 気まぐれ日記

#18 命のこと | 気まぐれ日記

2024/06/18

浴室に蛾が死んでいた。それは昨日の夜も見た蛾だった。夕方に雨が降ってきて、洗濯物を浴室に取り込んだときに、おそらく洗濯物にくっついていたのだろう。わたしは昨日の夜もこの蛾に遭遇したけれど、我が家に紛れ込んだ蛾をわたしはどうすることもできなかった。夫は昨日から旅に出てしまい、留守にしているので、この蛾を助けられたのはわたししかいなかった。のに。

昨日、蛾と対面したとき、どう

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いつ大人になるのかしらん

いつ大人になるのかしらん

「○歳はもっと大人だと思っていたのに。」何歳になっても、そう思う。わたしの心は高校生のころとなんら変わらないなぁと思うことがたくさんあります。自分の未熟さに愕然とすることも。泣きたくなるような夜に、なかなか寝付けず、好きな女芸人が出産についてわちゃわちゃと語っているPodcastを聞きながら、頭の中を巡らせていました。

このまま30歳になって、40歳になって、50歳になって、死んでいくのかな?と

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#17 逆の逆は、逆 | 気まぐれ日記

#17 逆の逆は、逆 | 気まぐれ日記

2024/06/03

帰ろうと思ったら雨が降っていて、そういえば前に置きっぱなしにしてたビニール傘があるなと思ったら無かった。誰かが使ってしまったのか、間違えてしまったのか、わたしの記憶違いなのか、分からないけれどちょっと悲しかった。雨に打たれてもいいなと思ったけれど、明日はワクチン接種があるので風邪でもひいたら困る。結局、何ヶ月も置きっぱなしになっている忘れ物コーナーの黒い折りたたみ傘を拝借。

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#16 勇気を持って生きていく | 気まぐれ日記

#16 勇気を持って生きていく | 気まぐれ日記

2024/5/30

今日は2つ、忘れたくないことがあった。

1つは頑張ってきた仕事の延長に嬉しいことがあったこと。一生懸命やってよかったなあと思う時間を過ごした。一緒に仕事をしてきた人がいるのだけれど、とても温かい言葉をくれて、宝物が増えた。ちょっと自信がなかった自分の進む道へ、歩みをとめない勇気が出た。わたしはあっちこっち関心がいってしまってどうにも落ち着きがないのだけれど、それを「軽やかさ

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#15 こんな日が未来にいくつもあるのなら | 気まぐれ日記

#15 こんな日が未来にいくつもあるのなら | 気まぐれ日記

2024/05/01

映画館の雰囲気が好きだ。雨が降る道を歩いて、映画館へ向かった。もう遅い時間で平日だというのに、映画館には仕事終わりの映画好きがたくさんいた。幸せな時間だった。映画「パストライブス」を観ながら、自分と照らし合わせてノスタルジーな気分で帰った雨の夜。淡々としたように一見見える物語だったけれど、本当は登場人物の中でたくさんの波がある。その誰もの心のうちが表現された美しい描写が散り

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#13 気まぐれ日記 | ささやかな日々のこと

#13 気まぐれ日記 | ささやかな日々のこと

2024/04/02

出張続きで、1週間ぶりに家に帰る。わたしはアウトドアなタイプだと思うが、家も大好きだ。家って最高だ。安心する。誰にも見られない。誰にも邪魔されない。自分(と夫)だけの世界。陣地。誰もわたしを攻撃しない。泥棒に入られた場合はそうではない。

この1週間はとっても忙しかったから、心の整理をする間がなかった。へとへとだったけれど、昨日はすごく嬉しいことがあった。疲れた心と身体は、

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#12 気まぐれ日記 | 悲しみの中に悦びを

#12 気まぐれ日記 | 悲しみの中に悦びを

2024.03.11

地震が多い。油断するんじゃないよ、って地球に言われているみたいだった。あれから13年。流れるときのはやさに反して、思い出すその光景はとてもスローだ。
中学生だったわたし。体育委員だったから、校庭に避難して、なんとなく整列したクラスの列のみんなの人数を数えて先生に伝えた。泣いている子が何人かいて、しっかりしないとと思った。わたしはしっかりしないと、と思って泣いてる女子をからか

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