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「彼は両目をぎゅっとつぶり、質問が浮かんでくるにまかせた。どこにいったの?ぼくを見つけ…

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「彼は両目をぎゅっとつぶり、質問が浮かんでくるにまかせた。どこにいったの?ぼくを見つけにきて。ここにいるよ。見つけにきて」エイミー・ベンダー、管啓次郎訳『無くした人』

記事一覧

久しぶりの更新と

しばらくnoteを全く開いてなかった。 最近は横文字で長い文章を書くのがしんどい。 (二度目の再スタートだったのに)やっぱり続かないね、やめようかなあ、と思ってたのに、…

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1年前
5

それでも、創作は続く

言葉を書くなり音楽を作るなり絵を描くなり、それはなんでもいいんだけど、無から何かを創作をするってことは、喜びの反面、孤独で苦しい。ぶっちゃけ、わたしの場合、楽し…

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1年前
6

極端な性格のわたしが最近思うこと、

何故こんなに極端な性格なのかと思うのだけど、小さい頃から人生というのは「すごく好きでとてもやりたいこと」と「やりたくないけどやらなきゃならないこと」の二種類しか…

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1年前
7

沖縄旅を終えて

先週まで用事をかねて沖縄、那覇に行っていた。沖縄は小学校のとき以来。あの土地の戦争の爪痕に衝撃を受けて長い作文を書いたけれど、ひめゆりの塔にも糸満の平和祈念公園…

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1年前
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向田邦子というまなざし

『向田邦子 暮らしの愉しみ』(新潮社)という本がお気に入りだ。 向田さんの小説はほぼぜんぶもっているけれど、彼女の小説の稀有なパワーとうつくしさが何で作られたのか…

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1年前
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Merry Christmas

クリスマスというのは、楽しい思い出より切なかったり悲しかったりした思い出の方が記憶に残りやすいのは何でなんだろう。 稲葉浩志氏の「いつかのメリークリスマス」とか…

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1年前
10

わたしたちは揺らぎのなかにいる

今年も年末ですね。はやいものです。 昨夜の『鎌倉殿の13人』の最終回を観ました。このドラマが珠玉だったのは、主人公が正しさより悪寄りの秩序を最期まで貫き通したとこ…

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1年前
5

太陽が心臓なら月は銀色の弾丸、

セカイ系のぼくたちの、夏に積もった雪はすっかり溶けたから、 休み時間の教室の窓辺、海の波に似たうすいカーテンにかくれてきみはぼくにさよならと言ったけど、その声が…

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1年前
7

エルピス ー希望、あるいは災いー

残りあと二話なのに!なにこの読めなさ!なにこの絶望感! と、思わず地団駄を踏んでしまう今夜の回だった。 ギリシャ語で「希望」「希望の女神」の意味を持つエルピスと…

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1年前
6

ため息のためのオピウム

雨の日を大きな硝子ドームに閉じ込めて 憂鬱のうえからまんべんなくスパイスをふりかけて 暗闇の深い青に銀色を付け足して そこから思いきり駆け出して とっておきの魔法を…

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1年前
5

羊を数えるよりも優しいやりかた

自分のだめなところがかぎりなく浮かんでねむれない夜、すきなだけだめなところと嫌なところを羅列したあとで、その言葉のうしろに「でも」をつけてみる。 「なぜ、あの子…

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1年前
9

『silent』とは、こころのかたちの重さである

目黒蓮くん沼にはまる、一歩手前のひとを、「今、恵比寿」って言うらしい、って、どこかで耳にしたんですけど、なんか、いい。目黒の前の駅だから、今、恵比寿。考えた人、…

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1年前
19

ずっと離れてそばにいて

さよならアイスコーヒー、さよなら夏、さよなら青春、さよなら8月。 夏の暑さに目眩がして、もう暑いのは嫌だと言って、まばたきをしたらもう秋で、みどりは黄色になり赤…

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1年前
7

初恋

最初に誰かを好きになったのは小学生の頃だけど、初恋、という言葉でわたしが一番に思い出すのは、中学一年から二年にかけての演劇部の恋だった。 演劇に興味を持ったのは…

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1年前
21

Something great

期限内に判断して物事をチョイスしなければならないことがあって、それが自分だけの感覚では心もとないように思うとき、何か大きな存在に質問して委ねるということをたまに…

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1年前
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きみのためのひかり

随分放置してたnoteを、諸々記事を削除したりしつつもう一度やり直すことにした。久しぶりに読み返して自分の文章の浅さに愕然としたので、ちょうどよいタイミング。 Twitt…

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1年前
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久しぶりの更新と

久しぶりの更新と

しばらくnoteを全く開いてなかった。
最近は横文字で長い文章を書くのがしんどい。
(二度目の再スタートだったのに)やっぱり続かないね、やめようかなあ、と思ってたのに、開いたら、
新しいバージョンにアップデートしますか?
という文字が出てたので、つい、ポチっ、と、してしまった。さっき。

いやいやいや…
音楽教室をやめようと思ってた矢先、お高い楽器ケースをネットで見つけてつい買ってしまい、はて??

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それでも、創作は続く

それでも、創作は続く

言葉を書くなり音楽を作るなり絵を描くなり、それはなんでもいいんだけど、無から何かを創作をするってことは、喜びの反面、孤独で苦しい。ぶっちゃけ、わたしの場合、楽しい二割、あとはしんどい。孤独。好きだからしていることだから、誰にも言い訳も出来ないし。

しんどいのは、言い訳出来ないのにいちいち何かと比べるし大袈裟にいろんなことを、落ち込むから。関係ない人の関係ない成功が羨ましくて、勝手に嫌になる。だっ

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極端な性格のわたしが最近思うこと、

極端な性格のわたしが最近思うこと、

何故こんなに極端な性格なのかと思うのだけど、小さい頃から人生というのは「すごく好きでとてもやりたいこと」と「やりたくないけどやらなきゃならないこと」の二種類しかない、と思いこんでしまっている。「とりあえず何も考えずにすること」という、真ん中がいつも、ない。感情が強いせいもあるけど、好きか好きじゃないか、いつもそこを見つめてしまう。更に気持ちにむらがあるのもあって、凝りだすとそのことしか考えられなく

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沖縄旅を終えて

沖縄旅を終えて

先週まで用事をかねて沖縄、那覇に行っていた。沖縄は小学校のとき以来。あの土地の戦争の爪痕に衝撃を受けて長い作文を書いたけれど、ひめゆりの塔にも糸満の平和祈念公園にも足を運んだはずなのに、まるで初めて見たような気持ちがした。それだけ社会が変化したことと、沖縄の置かれた厳しい立場について様々な人の声やものを見聞きしてきたせいなのかもしれない。

個人タクシーで南部戦跡(ひめゆりの塔、平和祈念公園、旧海

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向田邦子というまなざし

向田邦子というまなざし

『向田邦子 暮らしの愉しみ』(新潮社)という本がお気に入りだ。
向田さんの小説はほぼぜんぶもっているけれど、彼女の小説の稀有なパワーとうつくしさが何で作られたのか、これを読むと二割くらいは、わかる。
彼女というひとを形づくるに欠かせない、旅、猫、食べ物、お洒落、骨董等のことが、日記などを紐解きつつ、バランス良く記されている。

食や物へ独自のこだわりがつよくあったわりに、雑駁というか、潔いというか

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Merry Christmas

Merry Christmas

クリスマスというのは、楽しい思い出より切なかったり悲しかったりした思い出の方が記憶に残りやすいのは何でなんだろう。
稲葉浩志氏の「いつかのメリークリスマス」とか、あれも凄く悲しい歌だけど。やけにきらきらした街で、着飾ったしあわせそうな人たちを沢山見たりするから、余計にそんな気持ちになるのかな。

わたしの一番古いクリスマスの記憶は、幼稚園くらいのとき夜中に帰ってきた父親と母親が喧嘩して、母が泣きな

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わたしたちは揺らぎのなかにいる

わたしたちは揺らぎのなかにいる

今年も年末ですね。はやいものです。
昨夜の『鎌倉殿の13人』の最終回を観ました。このドラマが珠玉だったのは、主人公が正しさより悪寄りの秩序を最期まで貫き通したところにあるかなと思います。日本人が古来より重んじてきた体制秩序というものに対する主要キャラクターから脇役のそれぞれの姿勢というか立ち位置を鮮明に打ち出しつつも、生きることはそういうものだとかいう簡単な締め括りにせず、かといってお涙頂戴にも逃

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太陽が心臓なら月は銀色の弾丸、

太陽が心臓なら月は銀色の弾丸、

セカイ系のぼくたちの、夏に積もった雪はすっかり溶けたから、
休み時間の教室の窓辺、海の波に似たうすいカーテンにかくれてきみはぼくにさよならと言ったけど、その声があまりにも透明で音楽めいていたから、思わずきみの手を握りそうになったんだ、
これは秋なの?それとも春なの?

世界はどんどん進歩するけど、宇宙のはてに、なにがあるのかは依然として誰も知らないし、火星のひび割れまで出掛けて写真撮ってインスタ映

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エルピス ー希望、あるいは災いー

エルピス ー希望、あるいは災いー

残りあと二話なのに!なにこの読めなさ!なにこの絶望感!
と、思わず地団駄を踏んでしまう今夜の回だった。

ギリシャ語で「希望」「希望の女神」の意味を持つエルピスというこのドラマ、脚本家渡辺あやさんと骨太プロデューサー佐野亜由美さんの本気度が毎回物凄くて、瞬きすら出来ずに見入っている。

三回目くらいまで、とにかく「食べること」「食べられないこと」にこだわり続けた。不倫報道でキャスターを降板させられ

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ため息のためのオピウム

ため息のためのオピウム

雨の日を大きな硝子ドームに閉じ込めて
憂鬱のうえからまんべんなくスパイスをふりかけて
暗闇の深い青に銀色を付け足して
そこから思いきり駆け出して
とっておきの魔法をかけて

ねえもうここには届かないのだから
愛はいつまで待っても届かないのだから
耳を澄まして目を凝らして
そこから思いきり駆け出して
とっておきのつよい魔法をわたしにかけて
とっておきのつよい魔法をわたしにかけて

羊を数えるよりも優しいやりかた

羊を数えるよりも優しいやりかた

自分のだめなところがかぎりなく浮かんでねむれない夜、すきなだけだめなところと嫌なところを羅列したあとで、その言葉のうしろに「でも」をつけてみる。
「なぜ、あの子とうまくいかないのだろう」「でも、一生懸命」。
「なにも出来てない」「でも、やさしい」
「よくがふかい」「でも、しょうじき」
「ふあんてい」「でも、あかるい」
「くよくよする」「でも、すぐ、立ち直れる」
みたいな。

無理矢理でも、自分を誉

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『silent』とは、こころのかたちの重さである

『silent』とは、こころのかたちの重さである

目黒蓮くん沼にはまる、一歩手前のひとを、「今、恵比寿」って言うらしい、って、どこかで耳にしたんですけど、なんか、いい。目黒の前の駅だから、今、恵比寿。考えた人、天才。
それはさておき。

『silent』というドラマは、
人が、人の持ってるさまざまなこころのかたちやふれたときの感じを、お互いがどれだけ大切に思い、どれだけゆるしあえるのか、そしてあたたかさを差し出しあえるのか、ということを、じっと見

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ずっと離れてそばにいて

ずっと離れてそばにいて

さよならアイスコーヒー、さよなら夏、さよなら青春、さよなら8月。

夏の暑さに目眩がして、もう暑いのは嫌だと言って、まばたきをしたらもう秋で、みどりは黄色になり赤になり揺れて揺れて揺らいで気がつけばあっというまに12月が来てしまう。

こんにちは森。こんにちはお布団。こんちには雪のなかではしゃいだあの日。こんにちは信じたくなかったあなたの言葉。こんにちは12月。さよなら今年もほんものの明日をほんも

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初恋

最初に誰かを好きになったのは小学生の頃だけど、初恋、という言葉でわたしが一番に思い出すのは、中学一年から二年にかけての演劇部の恋だった。

演劇に興味を持ったのは朗読が好きだったのとドラマが大好きで当時から物語を書いていたからだったのだけど、独りでそんなところの門を叩くのは勇気が要りすぎて、仲良しの子を三人も誘っての入部だった。顧問の先生が大学で演劇学をやっていたとかで元々本格的な指導で本格的な劇

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Something great

Something great

期限内に判断して物事をチョイスしなければならないことがあって、それが自分だけの感覚では心もとないように思うとき、何か大きな存在に質問して委ねるということをたまにやる。
「これこれこのようなことをすべきかどうか三日以内に教えてください」とか「わたしの考えが正しければわかりやすいかたちで示してください」というような感じで。

大きな存在というのは、ざっくりとではあるがたぶん、この世界を動かしている生命

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きみのためのひかり

きみのためのひかり

随分放置してたnoteを、諸々記事を削除したりしつつもう一度やり直すことにした。久しぶりに読み返して自分の文章の浅さに愕然としたので、ちょうどよいタイミング。
Twitterの行方が不穏だし、インスタでは伝えきれないことを書くのはやはりここしかない。

(放置してる間、残ってくださってたフォロワさんと拙いわたしの文にいいね下さった方々、本当にありがとうございます。ゆっくりとだけど少しずつ更新してゆ

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