マガジンのカバー画像

社会

579
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

モモレンジャーの思ひ出

モモレンジャーの思ひ出

こないだジャッキーチェンの『ベスト・キッド』という映画を見たんだけど、暖かみのある良い作品だった。

いじめられっ子がジャッキーにカンフーを教えてもらって強くなるという話で、舞台は北京市内ということになっている。しかし、トレーニングの最中に、万里の長城をランニングするシーンがくりかえし映る。

北京から万里の長城までバスで片道2時間かかるそうなので「脚力を鍛えるためだけにそこまで行くわけないだろ!

もっとみる
『最後にして最初の人類』について

『最後にして最初の人類』について

ときどき思うことがある。
アートとは、電波に乗せたメッセージを宇宙へ向けて発信するようなことに近いのではないか、と。

そのメッセージは、宇宙の向こう側にいる何者かに届くかもしれない。しかし永遠に虚空を飛び続けるかもしれない。

そういう電波を発信しているような映画に今日出会った。映画というよりアート・フィルムである。

『最初にして最後の人類』(2021)

昨年、渋谷のアート系シアターでひっそ

もっとみる
「この人についていったらうまくいくんじゃないか」

「この人についていったらうまくいくんじゃないか」

昨晩、ジャッキーチェンの『ベスト・キッド』という映画を見ていて「弟子入り」ということについてちょっと考えさせられた。カンフーの達人に「弟子入りする」マインドは、新興宗教に入信するマインドとたいして変わらないのではないかと。

『ベスト・キッド』は、いじめられっ子の男の子がジャッキーチェンに弟子入りして、強くしてもらうというストーリーだ。

この映画はリメイク版でオリジナルは1980年代に公開されて

もっとみる
テクノロジーは「勝ち方」を変えるだけ

テクノロジーは「勝ち方」を変えるだけ

テクノロジーは勝ち方を変えるだけで、世の中を変えないのではないか、みたいなことを言うと、「お前何言ってんだよ」という声が聞こえてきそうである。インターネットが普及してこれだけ変わっただろうと。そんなこともわからないのかと。

でも、インターネット以前と以後を比べてみて、なにもかも変わっているようでいて、実はなんにも変わっていないような気もする。

なんで急にこう思うようになったのかというと、ちょっ

もっとみる
おいしい酒

おいしい酒

今日は大したことは書いていません。どうせ飲むなら酒は「おいしい酒がいいな」というだけです。おいしい酒とは上等な酒という意味ではなくて、きもちのいい酒という意味。

一方で「悪い酒」というのもあるでしょう。これもまずい酒という意味ではなくて、飲み方が悪いということで、酒癖(さけぐせ)といってもいいかもしれない。

悪い酒を飲む人は、だいたいいつでも悪い酒を飲む。だれでもうっかり飲みすぎてしまうことは

もっとみる
「いい人」ってほんとにいい人?

「いい人」ってほんとにいい人?

スポーツのいいところの1つは「結果がはっきりと出る」という点だ。

負けは負けであり「なぜ負けたのか」という点を掘り下げて次に生かさなければ次も負けてしまう。そうやって負け続けたら引退しなければならない。

ビジネスも同じで、結果は数字にはっきりと出る。そこから目をそらして

などとアバウトなことを言っていたら倒産する。

技術で生きている人たちにも同じことが当てはまり、腕の良い技術者と腕の悪い技

もっとみる
社会を元気にするには、多様性を犠牲にするしかないのだろうか

社会を元気にするには、多様性を犠牲にするしかないのだろうか

お祭りさわぎは基本的に苦手だ。しかし社会に必要なものだということもわかる。

お祭りは社会に活気を与えるし、ガス抜きの役割も果たしている。しかし、うかれすぎると集団主義に陥りがちなのも事実で、そのあたりを苦手に感じる。

集団主義とは「個人を犠牲にして全体を優先する考え方」で、江戸時代の武士が、藩のために腹を切ったりしたのが集団主義だ。今回、野球をめぐるさわぎを見ていてあらためてお祭り騒ぎの功罪に

もっとみる
「趣味がいい」っていいことなのか?

「趣味がいい」っていいことなのか?

趣味のいい人&悪い人

「趣味」という言葉には2つの意味があって、その1つは「ホビー」ということだ。しかし「趣味」にはもう1つの意味もあり、それは「趣(おもむき)」という意味である。

「あの人は趣味がイイ」だとか、「この部屋は趣味が悪い」などと言う場合の趣味とは、切手収集とか料理とかラジコンという意味ではなくて、趣(おもむき)の良しあしを指している。

参考までにgoo辞書で「趣味」を検索してみ

もっとみる
下の下には、さらにその下がいる

下の下には、さらにその下がいる

中谷彰宏さんというと「笑っていいとも!」にも出演していたくらいなので、説明しなくてもたいていの人は知っているだろう。なかなかの美男子で俳優業もやっているそうだが、本業は作家さんである。

もともとは広告代理店でバリバリやっていた人で、作家に転身してからは千冊とは言わないまでも500冊以上は出版しているのではないか。

「広告代理店から作家に転身し、数百冊の本を書いて、テレビの人気番組のレギュラーを

もっとみる
不老長寿について

不老長寿について

「これから人間はどんどん寿命が伸びていくんじゃないか」とか、「そのうち不老不死も不可能ではなくなるんじゃないか」とか、そういうことが近年話題になっている。

その議論を聞いていてなんか根本的な違和感を感じるので、ちょっと書いてみたい。大きな問題なので、論点を整理するのが難しいのだが、思いつくままに書いてみよう。

1点目:そもそも議論に意味がない

まず一つ目として、不老不死が可能だとか不可能だと

もっとみる
映画についてモヤモヤすること

映画についてモヤモヤすること

『スティルウォーター』という映画を見た。すぐれた作品として評判が高いし、その通りだと思う。

だれにでも勧められるヒューマニズムあふれる良い作品だし、その上カメラマンがタカヤナギ・マサノブという日本人なのもよかった。群馬県出身の東北大学卒業だそうだ。

武蔵美でも多摩美でも日芸でもなく、東北大学文学部というむさくるしいところを出ても、本気になればハリウッドの一流カメラマンになれるというところを示し

もっとみる
世間は広いな・・

世間は広いな・・

ネットを読んでいたら、「WBCの地上波の視聴率が高い」という記事が出ていた。

日本戦は5試合連続40%超えで、イタリア戦が48%だったそうだ。野球中継全体としてもなんと歴代2位で、

のだそうである。1994年といえばまだGoogleが影も形もなかったころで、そのころの野球中継に匹敵しているわけだからすごい。

ちなみにテレビ全体での最高視聴率は、1963年の第14回NHK紅白歌合戦で81.4%

もっとみる
そんな「昭和」のことは知らない

そんな「昭和」のことは知らない

モロ昭和

ある時期から急に「昭和」ということばが古臭いというニュアンスで使われ始めたことがあったでしょう。あれはいつごろのことだったのかな。

それまで、ぼくにとっての昭和とは、平成や令和のような1つの元号にすぎなかったし、もっとも身近に感じる元号だった。

祖母は大正生まれで、祖父は明治生まれなのだが、子どもの頃、大正とか明治ときくととても大昔のことを言われているような、とおい気分になったもの

もっとみる
未来予測には2つのやり方がある

未来予測には2つのやり方がある

今日のテーマは未来予測である。なんでかというと、さいきんぼくはわりに予測が当たるからだ。それでよろこんでいるのではなくて

なんで当たるのだろう?と考えているうちに、自分が無意識にやっている方法を自覚した。これまで気づいていなかったけど当たる時ってだいたいこういうやり方をしているような・・。ちょっと変わった方法なので、書く価値がありそうな気がしており、ちょっと書き記しておきたい。

未来を知りたい

もっとみる