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旅行記

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そのまま、旅行した時の記録です。もちろん写真もあります。ビール写真が多いかも。
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#創作大賞2023

<散文詩>「前奏曲集第1巻」

<散文詩>「前奏曲集第1巻」

 クロード・アシル・ドビュッシー作曲「前奏曲集第1巻」から,その各曲の題名と曲想をイメージした散文詩を作ってみた。これは,ドビュッシーの世界でもあり,私の世界でもある。

1.デルフィの舞姫

老夫婦は,エーゲ海の小さな島を訪れた。
デルフィという名の島だった。
二人は言葉を交わすこともなく,
島の中央に残る古代の神殿跡を目指した。

神殿跡には,
腰掛けるのにちょうどよい大理石があった。
二人は

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<旅行記・エッセイ>『スワーブを切れたけど―海外都市の顔―』から、アカバとマントンの項目を抜粋して紹介

<旅行記・エッセイ>『スワーブを切れたけど―海外都市の顔―』から、アカバとマントンの項目を抜粋して紹介

 私は、1987年から2023年までの間、仕事と観光で世界の多くの都市や地域を訪問しました。その時の印象をエッセイにしたのが『スワーブを切れたけど―海外都市の顔―』です。25の都市または地域について、それらの一般的な紹介と私が訪ねたあるいは住んだときの出来事や記憶、そしてそれらから想起したあれこれをエッセイにしています。全部で58,000字の長文になるため、いきなりnoteに掲載するには長期にわた

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スワーブが切れなくてー私の海外食い倒れー(その3最終回)

スワーブが切れなくてー私の海外食い倒れー(その3最終回)

 3回に分けた海外生活で食べた料理の話は、これで終わりです。最終回は、アラブ(シリア)料理、アラブ(ヨルダン)料理、アラブ(エジプト)料理、ギリシア料理、ルーマニア料理、各国ビール飲み比べ、番外編(和食居酒屋)です。

12.アラブ(シリア)料理

 日本人にアラブ料理は馴染みがないと思うが、現地で食べてみると、ローマ帝国時代からの歴史とフランスなどのヨーロッパの影響が感じられる、かなり立派なもの

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スワーブが切れなくて―私の海外食い倒れ―(その2)

スワーブが切れなくて―私の海外食い倒れ―(その2)

 昨日に続き、全3回に分けたものの2回目です。取り上げたものは、マレー料理3種類、シンガポール料理、アメリカ料理2種類、ニュージーランド料理です。

5.マレー料理

 マレー料理は、タイ料理と異なり、香辛料はあまり使わない。しかし、中華料理の影響が強く、調理方法や味付けは中華料理のようでもある。その中から、僕が好んで食べていたものを紹介したい。

(1)サテー
 サテーは、簡単に言えば日本の焼き

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スワーブが切れなくてー私の海外食い倒れー(その1)

スワーブが切れなくてー私の海外食い倒れー(その1)

 私が経験した世界の料理を、3回に分けてご紹介したい。最初は、インド、中華そしてタイ。

スワーブ:
ラグビーで、相手との距離がある時に、直進するようにみせかけて、左右どちらかに回り込むようにして、走って抜いていく技術。多くの場合、走るスピードに緩急をつけるチェンジ・オブ・ペースと併用される。

1.はじめに

 昨年定年退職した私は、40年間の勤務のうち25年間を海外勤務となり、そこで生活してき

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<疑似旅行記>千鳥ヶ淵ー靖国神社ー銀座ライオン7丁目店

<疑似旅行記>千鳥ヶ淵ー靖国神社ー銀座ライオン7丁目店

 85歳の実母が、「冥途の土産に、千鳥ヶ淵と靖国神社の桜を見たい」ということで、昨20日、お天気が良いので急遽花見に行った。当初は23日の満開の頃を予定していたのだが、どうやら雨が降るとの予報なので、三分咲くらいだが、それでも出かけることにしたのだ。

 実母とは錦糸町駅で待ち合わせた。これには理由があり、実は近々に保険証が使えなくなるというので、実母もついにマイナンバーカードを申請することになり

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