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気ままな読書日記

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ジャンル関係なく、気ままに本の感想を書いていきます。
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2022年7月の記事一覧

マイケル・ケイン『わが人生。名優マイケル・ケインによる最上の人生指南書』集英社

マイケル・ケインは、イギリス人である。1986年、映画『ハンナとその姉妹』で、アカデミー賞の助演男優賞を受賞した。しかし、本書でも書いているが、受賞するとは思っていなかったため、映画『ジョーズ'87復讐篇』の撮影スケジュールのため出席できなかった。それに懲りて、2000年、映画『サイダーハウス・ルール』での2度目の受賞では、オスカー受賞のスピーチを行った。

第1章 人生は逆転できる
どんなに悲劇

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山田邦明『クリエイター1年目のビジネススキル図鑑』KADOKAWA

山田邦明『クリエイター1年目のビジネススキル図鑑』KADOKAWA

1,000人以上のクリエーターと対話を繰り返す中で、心から創作を楽しんでいる人の共通点が分ったと著者は言う。それは、自分自身の「創作」に「ビジネス」も含めることができていることであった。

反対に「ビジネス」に「創作」を含め、「成功するために創作をする」「有名になるために創作をする」と、「創作」が手段になってしまい、苦しんでしまう。

創作を目的にし、ビジネスを取り込んでいく。この技術を本書では、

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山本康正『なぜ日本企業はゲームチェンジャーになれないのかーイノベーションの興亡と未来』祥伝社新書

山本康正『なぜ日本企業はゲームチェンジャーになれないのかーイノベーションの興亡と未来』祥伝社新書

日本企業は「型を崩す」ことが他国と比べるとどうしても不得手な傾向がある。一方で同質性の高い組織は進むべき方向性が一度決まってしまえば強いという長所もある。しかし、不確実性が高まっている今の時代、同質性の高さは弱点にもなり、日本発のイノベーションがなかなか生まれにくい。

著者は、文系と理系に分けてしまう教育システムにも関係があると言う。テクノロジーと感受性の両方を持っているような人材がなかなか育た

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沢村正義『柚子をさぐるーゆずの森よりー』フレグランスジャーナル社

沢村正義『柚子をさぐるーゆずの森よりー』フレグランスジャーナル社

柚子が中国から渡来して千三百年以上が経つ。その風味は「東洋のレモン」として人気がある。欧米、東南アジア、中東でも”YUZU”として知られるようになった。そんな柚子について深く知ることができる本である。

柚子の学名は、Citrus junos Sieb. ex Tanaka (Citrus junosはイタリック体が正式)である。日本の学術表記は「ユズ」である。

ミカン科のカンキツ属(Citru

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長浦ちえ『日本水引』誠文堂新光社

長浦ちえ『日本水引』誠文堂新光社

進物(贈り物)や神札(おふだ)などを結ぶ紐状のものを水引と呼んでいるが、それがどのような理由で使用されているか、どのように使用すべきかは自分ではあまり理解していない。本書をよむことで、それらのことがわかる貴重な本である。

古事記や日本書記の天岩戸の場面で、岩でできた洞窟の戸を閉じて籠もってしまった天照大御神のために捧げられた最古の進物は、榊の木に珠飾りと八咫鏡、そして「麻と木綿の糸を垂らして下げ

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おちまさと『がんばるが1割』小学館

おちまさと『がんばるが1割』小学館

「がんばりすぎて、つかれてしまた人」に向けて書かれた本である。イラスタレーターのともわかさんが描いた物憂げな女性が表紙を飾っている。この本では、「がんばれ!」とは言わないという。

がんばることは必要だが、がんばりすぎは意味がないという。寸暇を惜しんで努力したあげく、体を壊してしまうと元も子もないという。がんばりが報われるように、意味のあるがんばりが必要という。

想像力を働かせて工夫をすれば、も

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