山リバー

ゲーム業界で働く3児の父です。人を楽しませる、驚かせることが大好きです。 信条は遊び心…

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ゲーム業界で働く3児の父です。人を楽しませる、驚かせることが大好きです。 信条は遊び心を忘れない! このノートにある記事は誰かと雑談するときの話の種にでも使ってもらえると幸いです。

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    クリエイターに役立つ情報まとめ

記事一覧

情けは誰かのためじゃないということ

社内で人材の育成についての議論をしているなかでふと思ったことがあったので、久々に筆を取ります。 ちなみに、考えるきっかけがこの議論だっただけで、この記事の論点は…

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3年前
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私のゲーム開発むかしばなし ガチャ編

私は今から13年前、証券システムのエンジニアとして社会人になりました。 それから4年勤め、自分の人生を見つめ直す機会があり、ソーシャルゲームバブルと呼ばれた頃にゲ…

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4年前
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あつ森はじめました

世界的に外出できない日が続き、コンシューマゲームの需要はかなり高まっているのではないでしょうか。 そんな中、私も遅ればせながら、「あつまれ どうぶつの森」をはじ…

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4年前

知っているの罠

過去、いくつかの記事でバイアスについて書きました。 このバイアス、コロナウィルスについて様々な情報に触れることが多い昨今、改めてやっかいな存在だなぁと思っていま…

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4年前
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つい、そうしたくなるデザイン

今回はデザインの話をしたいと思います。 いきなりですが、皆さんはアフォーダンスという言葉を耳にされたことはありますか? 主にデザインの世界で使用される言葉で、意味…

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4年前
2

遊ぶとは何か

私たちゲーム開発者にとって、遊びとはなにかというのは永遠のテーマのひとつです。 この遊びとはなにかについては、1958年のロジェ・カイヨワ著書『遊びと人間』がよく参…

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4年前
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可愛いキャラクターを描くコツ

今日は絵に関する話です。 以前、チャリティーでイラストのワークショップを2時間ほど開催させていただいたことがあるのですが、その時のテーマ、可愛いオリジナルキャラ…

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4年前

新キャラは二人組で登場する

自分で漫画を描こうとすると気付くのですが、新しいキャラクターを出すときにそのキャラクターをどの様に紹介すれば良いかということに悩むことがあります。 例えば、登場…

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4年前

元気の出る言葉

外出自粛の期間も長くなり、なんとなく疲れている、元気が出ないという方も多いのではないでしょうか。 ということで、今日は格言や名台詞から元気の出る言葉を集めてみま…

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4年前
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物語のクオリティを上げるコツ3選

今回は物語のクオリティが上がるちょっとしたコツ3選を紹介したいと思います。 ①主人公は基本いいヤツに物語を作る上で重要になるのが主人公に感情移入できるかです。 も…

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4年前
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やられたらやり返す脳

人間の心理のひとつに「返報性(へんぽうせい)の原理」というものがあるそうです。 ウィキペディアによると「返報性の原理」とは”他人から何らかの施しを受けた場合に、お…

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4年前
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アイデアは既存の要素の組み合わせの誤解

みなさん、アイデアは既存の要素の組み合わせであるという言葉を聞いたことがないでしょうか? 全く新しいアイデアも分解すると既存の要素の組み合わせであると言った趣旨…

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4年前
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アニメがリアルに見えるコツ

以前、板野サーカスという技法でも有名なアニメーターの板野一郎さんのお話を聞く機会がありました。 お話の内容はアニメーションをいかにリアルにみせるかという話が含ま…

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4年前
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ファンを巻き込んで成長するコンテンツ

3月27日にコミックマーケット98の開催中止が発表されました。 コミケで思い出した話があります。 以前、出版社の方から聞いた話だっと思うのですが、コミケは出版社側に…

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4年前
2

勧善懲悪が難しくなってきている?

最近の物語では絶対悪のような存在ってあまり登場しなくなっている様に感じませんか?しかしゲームシステム上だと、まだまだ勧善懲悪の方が都合が良かったりします。 その…

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4年前
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ウケる技術と思いやり

以前の記事で主人公が追い込まれることが物語の推進力である。という内容のことを書きました。 【シナリオを面白くするコツ】 https://note.com/yamashun/n/n5c36e9cf5348

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4年前
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情けは誰かのためじゃないということ

情けは誰かのためじゃないということ

社内で人材の育成についての議論をしているなかでふと思ったことがあったので、久々に筆を取ります。
ちなみに、考えるきっかけがこの議論だっただけで、この記事の論点は少し違うところにあります。

結論から書くと、「情けは人の為ならず」ということを改めて思ったというお話しです。

この言葉でたまに間違ったとらえ方としてあるのが、「情けをかけるのはその人の為にならないから情けをかけるのはよくないよ」というと

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私のゲーム開発むかしばなし ガチャ編

私のゲーム開発むかしばなし ガチャ編

私は今から13年前、証券システムのエンジニアとして社会人になりました。

それから4年勤め、自分の人生を見つめ直す機会があり、ソーシャルゲームバブルと呼ばれた頃にゲーム業界へ転職しました。

転職のタイミングで、職種もエンジニアからプランナーへと変更しました。

その当時はGREEとMobageが全盛期で、当時いた会社でも、1タイトルだけでも、高いものはグロスで月間10数億という売り上げを上げてい

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あつ森はじめました

あつ森はじめました

世界的に外出できない日が続き、コンシューマゲームの需要はかなり高まっているのではないでしょうか。

そんな中、私も遅ればせながら、「あつまれ どうぶつの森」をはじめました。

ちなみに、どうぶつの森をちゃんと遊ぶのはこれが初めてです。
気が短い性格のため、今ひとつ惹かれなかったのですが、ちゃんと始めてみたらちゃんとハマりました笑

そして、やはり勉強になる点が多い!

マリオメーカーに関する記事を

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知っているの罠

知っているの罠

過去、いくつかの記事でバイアスについて書きました。

このバイアス、コロナウィルスについて様々な情報に触れることが多い昨今、改めてやっかいな存在だなぁと思っています。豊富な知識がある人でさえ、このバイアスの影響を受けて間違った判断をすることがあります。

例えば、池上彰さんは過去の著書で「トランプ氏が大統領になることはないだろう」という趣旨のことを、その理由も添えた上で書かれていました。しかし実際

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つい、そうしたくなるデザイン

つい、そうしたくなるデザイン

今回はデザインの話をしたいと思います。
いきなりですが、皆さんはアフォーダンスという言葉を耳にされたことはありますか?
主にデザインの世界で使用される言葉で、意味としては、物が持つ形や色、材質などが、その物自体の扱い方を説明しているという考え方です。
(ウィキペディアで調べたら、元々の意味としては少し違うようです。)

具体的な例で説明しましょう。TOPのマグカップの画像、右の取っ手の部分を掴んで

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遊ぶとは何か

遊ぶとは何か

私たちゲーム開発者にとって、遊びとはなにかというのは永遠のテーマのひとつです。
この遊びとはなにかについては、1958年のロジェ・カイヨワ著書『遊びと人間』がよく参考にされます。(ゲーム開発に関する書籍にもよく登場します)

今回は、この「遊びと人間」に登場する「遊び」の4つの分類について簡単に紹介したいと思います。
※ちなみに、厳密にはこの4つの分類をそれぞれをパイディア(秩序や様式がない遊び)

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可愛いキャラクターを描くコツ

可愛いキャラクターを描くコツ

今日は絵に関する話です。

以前、チャリティーでイラストのワークショップを2時間ほど開催させていただいたことがあるのですが、その時のテーマ、可愛いオリジナルキャラクターを作ってみようについて書いていきたいと思います。

一概に可愛いといっても好みもあるし、それに対するアプローチも様々ですが、ひとつだけ普遍的なことがあります。

それは、人間を含む動物の赤ちゃんの顔は本能的に可愛く感じるようにできて

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新キャラは二人組で登場する

新キャラは二人組で登場する

自分で漫画を描こうとすると気付くのですが、新しいキャラクターを出すときにそのキャラクターをどの様に紹介すれば良いかということに悩むことがあります。
例えば、登場したキャラクターにモノローグで淡々と語らせるという方法もありますが、どうしても説明っぽくなります。

いま適当に作ってみましたが、例えばこんな感じです。

「私は王宮に仕える魔法使いだ。1週間前に王から秘密裏に<主人公>を国外追放する様に命

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元気の出る言葉

元気の出る言葉

外出自粛の期間も長くなり、なんとなく疲れている、元気が出ないという方も多いのではないでしょうか。
ということで、今日は格言や名台詞から元気の出る言葉を集めてみました。

毎日がつまらない人は、「このままでいい、世界はいつも同じだ」と決めつけている人なんです。 by 養老孟司
家から出られなくてつまらないなと感じている方、この機会に今までやりたかったけど、できなかったことをするのはどうでしょう。

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物語のクオリティを上げるコツ3選

物語のクオリティを上げるコツ3選

今回は物語のクオリティが上がるちょっとしたコツ3選を紹介したいと思います。

①主人公は基本いいヤツに物語を作る上で重要になるのが主人公に感情移入できるかです。
もし、主人公に感情移入できないと、その物語にうまく入っていけないため、物語がどの様に展開してもイマイチ楽しめない作品になります。
そういう意味では、多くの人が感情移入できるようにするためには、好感が持てる人物の方が適しています。
しかし、

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やられたらやり返す脳

やられたらやり返す脳

人間の心理のひとつに「返報性(へんぽうせい)の原理」というものがあるそうです。
ウィキペディアによると「返報性の原理」とは”他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理のこと”となっています。

例えば、誰かに優しくされたら、その相手に優しくしたくなる、逆に悪意を示されると、こちらもその相手に対して悪意を抱くと言ったようなことです。

返報性の法則

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アイデアは既存の要素の組み合わせの誤解

アイデアは既存の要素の組み合わせの誤解

みなさん、アイデアは既存の要素の組み合わせであるという言葉を聞いたことがないでしょうか?
全く新しいアイデアも分解すると既存の要素の組み合わせであると言った趣旨の言葉です。

「アイデアは既存の要素の組み合わせ」という言葉は、インパクトがあって、しかも分かりやすく、なるほど!という感覚になります。

しかし、この言葉を真の意味で理解している人は実は少ないのではないかと思っています。

おそらく、こ

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アニメがリアルに見えるコツ

アニメがリアルに見えるコツ

以前、板野サーカスという技法でも有名なアニメーターの板野一郎さんのお話を聞く機会がありました。
お話の内容はアニメーションをいかにリアルにみせるかという話が含まれていたのですが、その記憶を元に要点をご紹介したいと思います。

まず、アニメには「キーフレーム」と「中割り」と言う考え方があります。
一連の動きの始まりと終わりが「キーフレーム」でその間が「中割り」だと考えてください。

例えば、以下のよ

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ファンを巻き込んで成長するコンテンツ

ファンを巻き込んで成長するコンテンツ

3月27日にコミックマーケット98の開催中止が発表されました。

コミケで思い出した話があります。
以前、出版社の方から聞いた話だっと思うのですが、コミケは出版社側にもメリットがあるという話です。
コミケでは多くの二次創作の作品が出品されます。中にはBLなど公式では絶対にできないような作品もあります。
普通に考えたら、ブランドを既存するリスクや、そもそもオリジナルの売り上げの一部を食ってしまうこ

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勧善懲悪が難しくなってきている?

勧善懲悪が難しくなってきている?

最近の物語では絶対悪のような存在ってあまり登場しなくなっている様に感じませんか?しかしゲームシステム上だと、まだまだ勧善懲悪の方が都合が良かったりします。

その最たる例が、キングダムハーツなどディズニーのオールスターが登場するようなゲームで必ず敵キャラとして登場する「ハデス」というキャラクターだと思います。

このハデスは1997年に公開された「ヘラクレス」に登場する死者の国を治める神です。見る

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ウケる技術と思いやり

ウケる技術と思いやり

以前の記事で主人公が追い込まれることが物語の推進力である。という内容のことを書きました。

【シナリオを面白くするコツ】
https://note.com/yamashun/n/n5c36e9cf5348

物語の体をなしているものにとって、主人公が追い込まれる、つまり不安や怒りや緊張を感じることは主人公に次の行動を起こさせるために重要な要素であるということでしたね。

また、別の記事では強敵を倒

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