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アニメがリアルに見えるコツ

以前、板野サーカスという技法でも有名なアニメーターの板野一郎さんのお話を聞く機会がありました。
お話の内容はアニメーションをいかにリアルにみせるかという話が含まれていたのですが、その記憶を元に要点をご紹介したいと思います。

まず、アニメには「キーフレーム」と「中割り」と言う考え方があります。
一連の動きの始まりと終わりが「キーフレーム」でその間が「中割り」だと考えてください。

例えば、以下のようなキーフレームがあった場合、間のコマである「中割り」はどの様になるでしょうか。

キーフレーム

間のコマなんだから少しずつ剣が下がった絵になるんじゃないの?と多くの人は思うのではないでしょうか?

違います。

正解は、振りかぶって、振り下ろし、振りきります。
キーフレームよりも中割りの動作の方が大きくなります。
剣道やあるいは野球のスイングで考えるとわかりやすいかも知れません。
構えた位置から振りはじめないですよね。一度、反対側に振りかぶってから振りますよね。(板野さんもスポーツ経験者の方が勘がいいかもとおっしゃってました。)

参考までに雑で恐縮ですが、絵にしてみました。こんな感じです。中割りだけ抽出した絵だと思ってください。

名称未設定のアートワーク 9

なんとなく脳内再生できたでしょうか?正解例の方が勢いが感じられます。

この様な話はテレビ番組でも以前観たことがあります。スタジオジブリの特集でもののけ姫の制作現場のドキュメンタリー番組でした。

その番組の中で宮崎駿監督が、長い槍を振り抜くときの表現について話していらっしゃいました。

曰く、振りかぶるコマは長く時間をとり、振り始めたら加速しながら一気に振り抜くことでリアルに見えるそうです。
これは実際より大げさにした方が観客はリアルに感じるそうです。

最近はアプリなどで使用するUIアニメーションの参考資料としてディズニーやピクサーのアニメーションの基礎が紹介されることもよく目にします。

興味ある方はぜひ一度検索してみて欲しいのですが、あえてすごく簡単にまとめると、物理法則とくに慣性の法則を意識して、さらに誇張するということでしょうか。

これは上で紹介した日本アニメ界の巨匠たちの話ともシンクロします。

スマホのアプリのようなものでも脳は自然な動きに敏感です。しかも日々触れるものなので、ここで感じるストレスは蓄積します。スマホアプリを開発されている方は、ぜひ今回の記事も参考にしてみてください。

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