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デザインの学び

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システミックデザインのデジタルツール:「Kumu」でマップを整理しよう。

システミックデザインのデジタルツール:「Kumu」でマップを整理しよう。

システミックデザインにおいて「システムマップ」のようなマップは、複雑なシステムの構成要素や、それらの関係性を理解するための重要なツールです。しかし、リサーチしたデータを整理して可視化していく作業は、実際のところ、かなりの時間や手間を要します。

そこで活躍するのが「Kumu」というマッピングツールです。昨年開催した『システミックデザインの実践』の著者、ピーター・ジョーンズ氏とクリステル・ファン・ア

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共通教養(科目)に〈デザイン〉を摂り入れる小さな企てについて。

共通教養(科目)に〈デザイン〉を摂り入れる小さな企てについて。

2022年度の後期から、近畿大学の共通教養科目(原則として全学開講、ただし学部によって差異あり)の教養特殊講義Cの一つとして〈デザインマインドが拓く価値創造〉という講義を立ち上げました。

この科目ができたきっかけは、昨年度に本学のアカデミックシアターが実験的に開催した学部横断的なリベラルアーツ講座にあります。そこで本学バイオコークス研究所の冨田義弘先生とご一緒させていただく機会がありました。

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デザインのための科学。そのための言語体系の構築:クリッペンドルフ『意味論的展開』第7章第1-3章読書メモ。

デザインのための科学。そのための言語体系の構築:クリッペンドルフ『意味論的展開』第7章第1-3章読書メモ。

以下は、クローズドな読書会での輪読メモです。読めばわかる内容ですが、個人的備忘としてnoteに書きました。なお、山縣の解釈が入ってます。あらかじめご了承ください。

1. デザインのための新しい科学クリッペンドルフによる「意味論的転回を通じたデザインの新しい基礎理論の構築」は、Artifact, Interface, User Concept Model, Stakeholder, Afforda

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かくも濃く、かくも楽しい学びの場。Xデザイン学校大阪分校パーソナルコース2021年度、おひらき。

かくも濃く、かくも楽しい学びの場。Xデザイン学校大阪分校パーソナルコース2021年度、おひらき。

2021年度に初めて開講されたXデザイン学校大阪分校パーソナルコース。2019年度にベーシックコース、2020年度にマスターコース(ベーシックと併催)を受講して、今年度はこちらに参加しました。

ちなみに、このPeatixは2022年度版です。申込できます(笑)

今は、デザイン*を学ぶことができる“社会人向けの学校”が数多く生まれていて、それぞれに魅力的です。私はXデザイン学校に通ってます。そこ

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これからの大学での学びの可能性。リベラルアーツとしてのデザイン。

これからの大学での学びの可能性。リベラルアーツとしてのデザイン。

山縣ゼミ12th(2022年3月卒業予定)は、もろに新型コロナウイルス禍の影響を受けた代です。合宿にも行けず、飲み会もコロナ以降は、2020年の秋ごろ、蔓延が収束していたときに一度だけ。2020年度の後期はほぼ対面でやりましたが、それ以外はオンラインでゼミをやることが多かったです。

ただ、一方でオンラインをフル活用するということもできたという側面はありました。そして、今まで私自身が取り組んできた

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“神”を細部に宿らしめることとしてのデザイン経営。2021年10月21日から22日にかけての思索。

“神”を細部に宿らしめることとしてのデザイン経営。2021年10月21日から22日にかけての思索。

いつの間にか、私もデザイン経営という言葉をよく使うようになってきました。最初はかなり懐疑的だったし、使うとしても「方便」だと思っていました。今もそういう思いはあります。いちおう学者なので、言葉はちゃんと定義して使いたいほうです。ただ、あまり厳密に定義しすぎずに、徐々に領域境界を浮かび上がらせていくほうがいい場合もあります。デザイン経営という言葉は、その一つであるように感じています。

こういったか

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デザインは経営資源になる。という話

デザインは経営資源になる。という話

経済産業省の「デザイン経営」宣言(2018年)より26年前に、デザインの重要性を説いている紺野先生著書の「デザイン・マネジメント」という本があるのを教えて頂きました。教えて頂いたのはDONGURIのミナベさんで、既にこの本は絶版ということで貸して頂けました。(中古で9千円〜1万円程度します。。。その後タイミング良くもう少し安価に中古で手に入れました!)

26年前というと1992年で、バルセロナオ

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肉厚な「仮説のミルフィーユ」をつくる

肉厚な「仮説のミルフィーユ」をつくる

肉厚シリーズ第3弾です🎉

「仮説のミルフィーユ」とはプロダクトを4つの階層に分解することを推奨しており、これを「仮説のミルフィーユ」と呼んでいます。この4つの階層はすべてプロダクトを作るときの仮説を表していて、上の階層にある仮説を検証して間違っていることが分かったときには、その下の階層の仮説はすべて考え直さなければいけない、という関係です。

プロダクトを考えるときには、上の階層での仮説が構

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北欧デザインスクールのイノベーションを実践から学ぶワークブックの公開

北欧デザインスクールのイノベーションを実践から学ぶワークブックの公開

単なる知識だけではない、イノベーションのためのデザインを実践から学べるワークブックを制作しました。

noteの更新が数ヶ月とまってしまいましたが、公開できる状態に仕上がったので、紹介したいと思います。

ワークブックの意図
教科書ではなくワークブックという形式を選んだ理由は、イノベーションやデザインは、知識を蓄えたり、方法を教わるだけでは、本質的に学ぶことはできないと考えているためです。

経済

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ジョン・マエダさんのCX REPORT 2020を聴いたので、要約してみた。

ジョン・マエダさんのCX REPORT 2020を聴いたので、要約してみた。

2015年から続いていたDesign in Tech Reportが、今年は『CX Report 2020』と名前が変わり、先日(2020年5月22日)発表されました。

こちらのレポートを僕なりに、日本語で要点を整理してみたいと思います。英語の意味や世界の動向などを十分に理解できず、注目する点や解釈が意図とずれているかもしれませので、一個人のまとめとして見ていただけたらと思います。

Youtu

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