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エッセイ

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自分のこと (機能不全家族、依存、仕事、恋愛、心療内科、発達障害)
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2023年3月の記事一覧

「私」なんて居ないんですよ

「私」なんて居ないんですよ

『「私」なんて居ない。』
これはネガティブワードではありません。
寧ろ、私の救いになった言葉です。

大好きなコテンラジオで、パーソナリティをつとめていらっしゃる深井龍之介さんが書いた
「歴史思考」という本を読んだ。

「世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する」
という謳い文句通り、
月並みな表現ですが大変気持ちが楽になりました。

歴史上の偉人を俯瞰して見ると、
・大器晩成の方が多い。

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一隅を照らす

一隅を照らす

今日も今日とて定食屋さんへ

WBCが放送されていた。
「あっ野球だ!」
と呟いた私に、
「野球好き?テレビが見えやすい席でいいよ!」
と優しく声をかけてくださるご主人。
お言葉に甘えて、テレビの正面へ。
大谷選手や吉田選手、ヌートバー選手など大活躍していらっしゃる方々を見て、
『なんて素晴らしい御方達…。日本の誇り…。ありがとう…。』
なんて日本の末梢から感謝を伝えたくなる。
特に三回での逆転は

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おひとりさまの達人【#元気をもらったあの食事】

おひとりさまの達人【#元気をもらったあの食事】

おひとりさまが得意だ。
映画、居酒屋、カラオケ…etc
どこにでも一人で行ける。

中でも、定食屋さんに行くのが一番好き。
子どもの時から大好き。
お安いところだとなお嬉しい。

金曜日、仕事が終わって帰る。
「よしっ!」
コンタクトを外し眼鏡をはめ、ジャージに着替える。
これが私の正装。
金曜日の夜、世間では華金と言われるが、
私は一人で近所の定食屋さんへ行く。

二十代前半は、毎週のように呑み

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「手」を感じるご飯

「手」を感じるご飯

一人暮らし。
仕事が終わったあと、冷たいコンビニご飯を黙々と食べる。
…味気ない。
詰め込むだけの惰性飯。
作った人の「手」が思い浮かばないような食事。
そんな時、昔のことを思い出す。



小学生の時、
母に1000円を渡された。
「これで何か食べて来て。」
お金を渡されたのは初めてで、不安で胸がぎゅっと掴まれたような気持ちになった。
「どうしよう…?」

母は、父と喧嘩するといつもそう。

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不器用な人

不器用な人

私の母は不器用な人だ。
自分の思いを言葉にするのが苦手。
弟や父と喧嘩すると、物に当たり、あらゆる罵詈雑言を吐き散らかす。
喧嘩した後はひたすら無視。
父とは今、3年以上まともに話していない。
そして、家事を放棄する。長い時で数ヶ月。
子どもの時から、そんな母の地雷源を踏まぬように細心の注意を払って生活してきた。



ある日、弟と母が喧嘩した。
弟が悪い部分もあるが、そこまで?と思わされる剣幕

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誰かにとって優しい世界は、皆にとって優しい世界

誰かにとって優しい世界は、皆にとって優しい世界

「発達障害の人が見ている世界」
岩瀬 利郎 著
読了。

「ADHDとASDの人が"見ている世界"を知り、理解することでともに生きやすくする一冊です。」
という紹介文に惹かれて手に取った。

「グレーゾーンの自分なんて理解してもらえない。と言うか自分でも何故できないのか分からない。」
と悲観的になっていた私。

この本は、「周りから見ると」「本人は」と二つの視点で特性について解説しているので、大変

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曖昧に愛し合って、鎖で繋がっている

曖昧に愛し合って、鎖で繋がっている

「母という呪縛 娘という牢獄」
齋藤彩 著
読了。

《あらすじ》
母を殺した娘は、ツイッターに、
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。
母と娘――20代中盤まで、風呂にも一緒に入るほど濃密な関係だった二人の間に、何があったのか。
公判を取材しつづけた女性記者が、拘置所のあかりと面会を重ね、刑務所移送

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自分を愛するように、ありのままの隣人を愛しなさい

自分を愛するように、ありのままの隣人を愛しなさい

住み始めた頃、
「なーんも無い、この街には。」
友だちに会うたびに愚痴っていた。

一年前、転勤により縁もゆかりもない土地にやって来た。
生まれてこのかた都会暮らしだった私。
この街に足を踏み入れた初めての感想

「三階以上の建物が無い…。」
「チェーン店がコンビニとガソリンスタンドぐらいしか無い…。」
「夜まで空いているお店がほとんど無い…。」

無いものばかり目に付いて、
『こんなつまらない田

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時を止めて ときめいて

時を止めて ときめいて

桜の花びらがひらりと舞い落ち、
「取った方の勝ちね。」
と無邪気に笑う貴方。

貴方のこと、勝手に大人だと思っていた。
両手を前に出し、小さな花弁を目で追っている。
噎せ返る程の薄桃色の世界に包まれて幻想的。

こんな素直に物事を楽しめる人だったのか。
意外性に目を奪われた。
時が止まったような感覚。

『逃げるは恥だが役に立つ』というドラマで
みくりさんが言っていた、
「『かっこいい』の場合かっ

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積もるのは、愛ではなく欲

同じだけ、もしくはそれ以上の愛を求めてしまう。
いや、愛とは双方向で自然発生的に互いを慈しむ心だ。
愛ですらない。
これは、私の一方的な「欲」だ。

「好きだったら𓏸𓏸してくれるはず・べき」
という「はず・べき論」に縛られてる。
その枠を満たされないと不満を感じる。
自分のあげた優しさを返して欲しくなる。
私の欲は押し付けがましい。

小さなことでも気になって、
「私は大切にされてるのかな?」

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おもしれー男

おもしれー男

私は、「おもしれー男」が好きだ。

例えば、
喧嘩している最中に、うどんを打ちだすような人。
8センチメートルのシークレットブーツをデートに履いてくる人。
(実話です。元恋人は大変愉快な方ばかりでした。いつか詳しく書いていきたい。)

え???
と思わされるような、突拍子もないことをする人が好き。
天上天下唯我独尊な人に振り回されたいし、
振り回したい。
不安感は恋のスパイス。
吊り橋効果を日常に

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人生で一番愛した人が昨日入籍していた。

人生で一番愛した人が昨日入籍していた。

久々に開いたInstagram。
ストーリーを流し見していると、飛び込んできた元恋人の投稿。

二つ並んだ指輪と、
「昨日入籍しました。」

え???

まだ、私と付き合っていた頃の写真が残っているInstagram。
プロフィール画像も私が撮った写真。
油断してた。
私の事がまだ好きかも、戻って来るかもって。
愚かだった。

動揺のあまり、思わずTwitterで呟いてしまった。いつもは割と真面目

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母には敵わない

母には敵わない

「実はあなたの運動会、見に行ってたんだよね。」
突然の告白。
去年の秋、母は成人した娘の運動会を見に、
はるばる田舎まで足を運んでいたらしい。

「あなた萎縮してるし、落ち着きがなかった。普段からそんな感じで仕事してるでしょう。」

どういうこと?

「ミスしたくないって気持ちが先行して、上手く動けてないし、周りを気にしてばかりで忙しない。怒られたくないっていう気持ちが態度に出てるよ。」
…言い当

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死にたくないけど生きたくない

死にたくないけど生きたくない

そんな気持ちになることがある。
「どうせ仕事は上手くなれないし。」
「社会不適格。発達グレー。」
「職場の人とも上手く関われないし。」
「結婚もできない。」
「というか好きになれる人なんて現れない。」
「実家にも居場所ない。」

あったらいいのに、人生リセットボタン。

そこまで思い詰めずに、どうすればいいか前向きに考えればいいじゃない?
ネガティブになってても意味なくない?
時間の無駄じゃない?

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