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続ちょこっとひとこと

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故郷・神戸に戻り、今を綴るもまだまだヨチヨチのエッセイ集。
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2021年9月の記事一覧

「ずっと探してくれたの? 8年も?」

「ずっと探してくれたの? 8年も?」

ずっと探していたブカティーニを入手した。

ブカティーニとは、中心に穴が開いているやや太いロングパスタで、ペルチャテッリとも呼ばれる。
ロングパスタのしなやかな食感と、穴開きパスタのソースの絡みのよさという両方の特徴を兼ね備えていて、味の濃いソースとの相性が抜群。

今回手に入ったブカティーニはディチェコのだ。

初めて買ったのは東京に住んでいたうら若き頃。
とあるレシピを見て試しに作り、かなりお

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自分の持つ時間に思いを巡らした

自分の持つ時間に思いを巡らした

昨日、千年の時を刻む京の町について書きながら、自分の持つ時間に思いを巡らした。
無謀にも京都に対抗したくなったらしい。

財布今使っている財布は、かれこれ15年もの。
心斎橋の東急ハンズで買った。

それまでの財布も使い勝手がよく、新しくする気なんてさらさらなかった。
お金を持ち運ぶ道具たる財布に、お金をかけるのがどうも気に入らない。
財布を買ったがために入れるお金がなくなった、なんてナンセンスす

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京の町には千年の風がゆったりと流れている

京の町には千年の風がゆったりと流れている

京都に行けば、つい寄ってしまう店がいくつもある。
おばんざい、麩料理、汁、お茶、和菓子、喫茶、パン、市場…
ジャンルをあげるだけでキリがないが、それぞれ寄りたい店が頭に浮かぶ。

阿ぶり餅 一文字和輔(いち和)京の北に鎮座する今宮神社。
京都三大奇祭〈やすらい祭〉で知られるが、ふだんはひっそりと静寂。

この東門を出た旧参道に北面するあぶり餅の店を、通称〈いち和〉、正称〈一文字和輔(いちもんじわす

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わざわざ新調せずとも、こうすればよかったということ?

わざわざ新調せずとも、こうすればよかったということ?

今から2年前、PC作業用にメガネを作った。
こんな濃い茶系のメガネだ。

度数はこんな数値だ。

右目:+1.50
左目:+1.75

左の方がやや老眼が先行しているようだった。

ところが最近なんだか合わなくなってきたので、数日前に新調した。
せかせか忙しいお兄さん、店が込んできたからテキパキ進めたそう。
「老眼が進んでますね。とくに右がかなり。右を4段階、左を3段階アップして新しいメガネを作り

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つい先日まで冷蔵庫にオリバー・どろソースあったのに

つい先日まで冷蔵庫にオリバー・どろソースあったのに

ソース文化。
関西と関東とを比較する文脈でよく出る、関西のキーワードだ。
大阪の人はホンマにソース大好きで何でもソースかけよんねん、たとえば天ぷらとかな、豚まんとかな…みたいな。

日本のソースは神戸発祥といわれ、その地は長田(ながた)とも兵庫とも。
開発者の安井敬七郎が明治18年に創業した阪神ソースは、今も神戸に残る日本最古のソースメーカーだ。
神戸に広がる洋食文化をウスターソースが支えたのだ。

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「行間を読む」という深遠な言葉があるように

「行間を読む」という深遠な言葉があるように

ルビ【ruby】
振り仮名用の活字。また、振り仮名。英国でルビーとよばれた5.5ポイントの欧文活字の大きさが、和文で5号活字の振り仮名として用いた7号活字とほぼ等しかったところからいう。(デジタル大辞泉)

最近、noteでルビが使えるようになった。
正直、うっとうしい。
喜びの声が多い中でこんなこと書くのもなんだけど。

ルビは難読漢字が読める魔法のワザ。
けれど多用すると行間がなくなって読みづ

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そろそろ本気出さないと、手遅れになる

そろそろ本気出さないと、手遅れになる

ビッグマックと聞いて、ジャンクと思うかご馳走と思うかは人それぞれ。

原料の怪しさを考えればジャンクフードであることは間違いない。
ただし、ハンバーガー110円に対しビッグマック390円、パテも2枚、バンズも3枚で、特別感があるのもまた事実。
ビッグマックはジャンクなご馳走といっていい。

しかし、ビッグマックが390円というのは国際的に見るとかなり安い。
今夏の調査によると、もっとも高いベネズエ

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〈Sion〉のカレーは今日にでもまた行きたいくらい

〈Sion〉のカレーは今日にでもまた行きたいくらい

このところ僕のnoteは、さながら「オリエンタルホテル特集」となっているが、カレーの話をもっていったん締めくくろう。

***

125年の歴史を誇った神戸の名門・オリエンタルホテルは、平成7年に震災で幕を引くまで、遠くヨーロッパまでその名を轟かすほど料理が評判だった。
この厨房で腕を鳴らした歴代の料理人たちはそれぞれに独立し、伝統に裏打ちされた料理を神戸の町に広げていった。

そうした店が今もい

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神戸〈オリエンタルホテル〉編集後記

神戸〈オリエンタルホテル〉編集後記

先日、こんな記事を書いた。
神戸を代表するホテル、でも今はすでにないホテルの話。

明治3年に開業し、平成7年に幕を下ろした日本最古の西洋式ホテル〈オリエンタルホテル〉の歴史を綴った。
僕はその跡地に建った現オリエンタルホテルや、旧の流れを汲むメリケンパークオリエンタルホテルしか利用したことがないから、平成7年までの旧オリエンタルホテルについては調べて書いただけの記事だった。

すると、この記事を

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noteを続けようと思う大きな力

noteを続けようと思う大きな力

毎日のnoteのルーチンはこうだ。

① 夜、翌朝あげる記事を9割がた書いて、下書きに保存
② 翌朝、推敲して仕上げ、見出し画像、タイトルをつけ投稿
③ 記事を画像リンクも含めテキストデータとしてPCに保存
④ Twitterに更新をツイート
⑤ 自分の記事のランキングを更新するため、ダッシュボードを確認

――ん?

昨日、ダッシュボードの数字に目が止まった。

スキ:35,000

自分の記事

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どうやらアニメ魂が胸のあたりに棲みついているらしい

どうやらアニメ魂が胸のあたりに棲みついているらしい

以前こんな記事を書いたことがある。
昔懐かしの8ミリフィルムで親が幼少期の自分を撮りためていてくれた話。

この記事には、中学生の頃にクレイアニメを制作したことも書いた。
クレイアニメとは、粘土の形を少しずつ変えながらコマ撮りしていくアニメで、いわゆるストップモーションアニメの一種。
総合学習の時間に、友だちと3人で半年かけて8ミリフィルムで撮影した。

8ミリフィルムは文字どおり幅が8ミリで、こ

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どちらも思わずため息の漏れる極上のホテルだ

どちらも思わずため息の漏れる極上のホテルだ

神戸を代表するホテルといえば、言わずもがなの〈オリエンタルホテル〉。
しかしこのホテルの歴史を語るのはそうたやすいことではない。

この記事が、今もなお営業を続ける神戸のオリエンタルホテルに泊まろうとする方々の選択の一助になれば幸いだ。

***

オリエンタルホテルの歴史は、旧居留地の歴史。
幕末の開港にあたり、三宮~元町間の海に面した区画が外国人居住可能なエリア、すなわち外国人居留地として設定

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揚げ物嫌いでもペロリと食べてしまえるカツ丼

揚げ物嫌いでもペロリと食べてしまえるカツ丼

子どもの頃、揚げ物全般が苦手だった。
フライ、カツ、天ぷら、すべて胸やけがしてダメだった。
かろうじて唐揚げが食べられるかなというくらい。

小4の頃、突然肉を食べたくなくなった。
なんで毎日肉使うんよと言って、母を困らせたこともある。

だから「肉」の「揚げ物」、トンカツはもっとも苦しいメニュー。
トンカツ定食、カツ丼、カツカレー、カツサンド…
でも、見た目にはおいしそうに見え、つい店で頼んで必

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あと残っているとすると、大学卒業のシール1枚

あと残っているとすると、大学卒業のシール1枚

昔、小学生の頃の夏休みに、その日の宿題ができたらシールを貼っていくプリントがあったような気がする。
「宿題ができたら」「シールを貼っていく」という部分はうろ覚えなので、あるいは「手伝いをしたら」「色を塗っていく」だったかもしれない。

たとえばこんなのだ。

アサガオはいかにも暑い夏休みを象徴するようでいて、どこか涼しげ。

これにせっせとシールを貼っていった。
なんともアナログだ。
もしかすると

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