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ワーケーション先候補としての南紀白浜

2023年12月に和歌山県白浜町(南紀白浜)に移住しました。ワーケーション先の候補として和歌山県白浜町を検討する際に参考になりそうな情報をまとめてみます。(あくまでも現時点で私が把握していること、感じていることです。随時アップデートしていきます)


1, 「バケーション」の要素

・ビーチと温泉が有名な「リゾート地」なので、「バケーション」の要素は満載です。地形的に海と山が近く、低山が多いので、気軽に運動が出来ます。
・地元人口に対して年間の観光客数は数十倍なので、それを受け入れる「ハコ」が充分にあります。滞在先も「(リゾート)ホテル」「旅館」「ゲストハウス」「民泊」とバリュエーションがあり、目的や予算に応じて選択出来ます。海が見える部屋でずっと「ワーク」するという贅沢も可能。
・この「自然豊かさ」をワーケーションの意義のひとつと考える人は多いですね。
・ホテルに宿泊しなくても利用できる外湯/日帰り温泉が沢山あるので、リフレッシュ出来ます。無料の足湯も至るところにあり、昼間ちょっと気分転換に行くことも可能。なんなら足湯につかりながらモバイル端末で「ワーク」する人も。
・夏季以外のオフピーク期は宿代もディスカウントになっているところが多いようです。
・人口2万人規模の町なので、「ド田舎」(言い方!)ではないので、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどはあり、生活必需品で困ることはありません。

△「ビーチリゾート」なので夏季のピーク時には観光客も増え、物価も上昇します。その時期は「ワーク」には向かないかもしれないので「バケーション」と割り切りましょう。
△「ランチ難民」は発生しやすいかもしれません。ホテル内のレストラン以外で平日昼間にランチが食べられる店が少なくて、地元民でも苦労します。せっかくのワーケーションなのにコンビニ弁当では味気ないし。

・何ヶ所かの「観光名所」が近くにあり、週末は手軽に観光を楽しむことがオールシーズン出来ます。白浜町の周辺地域にも観光出来る場所は沢山あるので、足を延ばすのも気分が変わって良いと思います。

△町内での「移動」は課題です。車社会になっているので、公共交通機関(バス)はそれほど充実しておらず、行きにくい場所も多くあります。ワーケーションに車で来ない人も多いと思うので、ちょっと不便ですね。タクシー会社やレンタカー会社/カーシェアはあります。

・ピーク時を除けば、「バケーション」を楽しみながら「ワーク」も出来る、まぁバランスの取れた場所だと思います。

2, 「ワーク」の要素

△個人がふらっと行って使える「コワーキングスペース」や「PCレンタル付きのサテライトオフィスは実はあまりありません(長期契約型の施設はある様子)。宿泊先の部屋やラウンジ、近隣のカフェなどが「ワーキングスペース」になります。そういう目的で使える公共の図書館などの施設もありません。

・ただただアイディアを考えるとか、紙ベースで行う事務仕事、など以外の「ワーク」はネットワーク環境があることが大前提になると思いますが、宿泊先のネットワーク環境は事前に確認しておいた方がよさそうです。ある程度以上の規模の仕事をするなら自前の「VPN環境」も用意しておくのがマストですね。情報セキュリティ上のリスクは最小限に。
・複数人で共同作業をするワーケーションというのもあると思います。チームビルディングも兼ねて。その場合に使える広めのスペースを確保出来るかも宿泊先に事前に確認しておきましょう。

△大型の電気店などは無い(隣町に行く必要がある)ので、持参したラップトップの故障や備品の補充などには不便です。

*広域の無線Wi-Fiがありますが、仕事に使えるレベルの速度や安全性ではなさそうです。

・リラックスしてアイディアを出す、集中して考えをまとめる、等の「ワーク」には静かで、でも適度に賑わいがあるこの町の環境が適していると思います。まぁ、いずれにしても「ワーク」の種類は多種多彩なので、各自が工夫するしかないですね。

3, 「ワーケーション」の要素

別項でも書きましたが、まだまだ「ワーケーション」という言葉はコンセプト先行で根付いてはおらず、解釈もさまざまだと思います。「目的」なのか「手段」なのかもちょっと曖昧。実際の仕事の成果にどういう影響があるのかも定量化は難しいところ。今のところ期待先行という状態のままでしょうか。

政治的な話には踏み込みたくないですが、実際のところ政府や地方自治体が「地方から大都市部への人口移動」「地方における少子高齢化」「地方経済の停滞」などの課題を背景に、海外での事例も研究した上で「ワーケーションを推進して普及させましょう」「企業/雇用主も理解して協力してください」と呼び掛けて始まった話かと思います。別項にも自分の体験を書いていますが、かなり以前からも自己責任/自己負担でワーケーション的な働き方をしていた人はそれなりにいたと思いますが、それをちゃんと普及させよう、と。

で、和歌山県も白浜町も「ワーケーション」ワーカー(?)の受け入れには熱心で自治体の公式ウェブサイトにもこのキーワードは沢山出てきます。ただ白浜町が主体的にワーケーション環境整備に注力しているかというと少し疑問で、民間の事業者に依存している、個々の取り組みが個々のまま、というのが実態かと思います。実態把握としても、宿泊先で宿泊者が何をやっているのかなんて統計も取れていないんじゃないかと思うので、「ワーケーション」ワーカーも単に「観光客」としてカウントされているのかもしれません。

前述のようにワーケーションに使える公共の図書館などの施設なども充実していません。「観光客」向けには必要の無いものなので。

ワーケーション先候補として南紀白浜を推奨しておきながら、色々と課題も挙げましたが、環境整備はどこの場所でもまだこれからだと思いますし、それぞれの工夫の余地があるところが面白いのではないかと思います。ぜひご検討ください。

コメントをいただければ、さらに細かい情報をお伝え出来ると思います。

過去に実施されたイベント(2022年)

http://wave.pref.wakayama.lg.jp/news/file/37074_0.pdf

白浜町周辺のワーケーション施設の情報は下記。
そして「安全情報」についてはよく見ておいてください ↓


4, 補足:ローカルビジネス創出の機会として

ここまでは「現在のビジネス/プロジェクト/タスク」を進める方法のひとつとしてのワーケーションの話でしたが、それとは別の試みも行われています。
それは「ワーケーションを地域経済の視察の機会とする、現地の事業者との交流を図る」取り組みで、自治体などが主催して、テーマを決めてのツアーや交流会を行って
・ワーケーションを行う企業がその現地でのビジネス機会を見つける
・ワーケーションを行う企業と現地の事業者が連携して新規ビジネスを創出する
等を狙うものです。
これも「なんとなく」ではなく、イベント後はプロジェクトベースに載せて検討が進むという流れです。

2023年6月に実施されたイベント

白浜町のこれまでの中心産業である「観光業」以外の事業/産業創出、雇用創出が期待されていて、ワーケーション受け入れ側から見ると、むしろこれこそが「ワーケーション」の狙いなのかもしれません。

この方のnoteに2023年2月の詳細なイベントレポートがあります。


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