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ファジアーノ岡山 J1昇格への道(2021シーズン)

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#スポーツ

【ありがとう】“ファジアーノ岡山を愛し、サポーターに愛されたストライカー”イ・ヨンジェ

 ほしいときにゴールを決める。重要なゴールを決める。2021シーズンは怪我に悩まされ、ピッチに立つ時間は限られた。しかし、重要な場面で2ゴールを決めたイ・ヨンジェはストライカーそのもものだった。

 アウェイ相模原戦は二度リードされるという難しい状況を強いられていた。堅守が武器で、1試合に複数失点をほとんどしない。それがファジアーノ岡山の強みであったため、追いついたのに、再び追いかける展開というの

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【ありがとう】白井永地は無尽蔵のスタミナで前に向かって走り続ける

 果たして白井永地は何人いるのだろうか?サッカーは11人対11人で行うスポーツであるため、白井は1人しかピッチにいないはずなのだが、2,3人いても不思議ではないくらい、どんなところにも顔を出す。無尽蔵のスタミナで、気の利いたポジションを取り続け、攻守にダイナミックに関わり続ける。常に電気を起こす発電機のような、豊富な運動量を備え、攻守にわたりピッチをアップダウンしてチームに貢献するダイナモそのもの

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【ありがとう】ファジアーノ岡山で復活を遂げた“戦う創造主”石毛秀樹

 2017シーズン以来、石毛秀樹は再びファジアーノのユニフォームに袖を通した。7月末に加入すると、8月2日の天皇杯名古屋戦で肉離れを起こして離脱してしまう。前回加入時に輝きを放ち、清水に帰った石毛は度重なる怪我に苦しめられていた。思うように出場機会を得られない状況を打破すべく、ファジアーノに帰還したはずだったが、ここでも怪我が石毛の行く手を阻むのか。すごい悲しい気持ちになった。暗い雰囲気が漂ってい

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【ありがとう】闘争心と力強いプレーで屋台骨を支えたパウリーニョ

 納得がいかない審判の判定に異議を唱えるパウリーニョの声が響く。Cスタ(シティライトスタジアムの略称)の名物になりつつあったが、来シーズンは先頭に立ってチームの意志を審判に伝えるパウリーニョの姿は見られない。パウリーニョはファジアーノを退団し、古巣の松本山雅FCに移籍することになった。

 パウリーニョはファジアーノに戦うメンタリティを持ち込んでくれた。審判に異議を唱える姿はもちろん、好ましいもの

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【ありがとう】個人昇格を勝ち取った上門知樹の成長

 上門知樹は岡山でたくさんの引き出しを身につけてJ1へ挑戦する。生まれ育った琉球からファジアーノにやってきた2020シーズン、2019シーズンにファジアーノの攻撃を牽引して柏レイソルに移籍した仲間隼斗の後釜として大きな期待が寄せられた。仲間が背負っていた19番を継承し、起用されたのも同じ左サイドハーフ。慣れない守備をしながら、強烈なミドルシュートを繰り出すことにトライしたが苦しんだ。それでもファジ

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【シーズンレビュー】有馬体制3年目を振り返る12個のトピックス~融合とその先へ~

キャンプから模索した4-2-3-1で迎えた開幕戦 有馬体制3年目となる2021シーズンは、開幕前のキャンプから新たな形を模索していた。2年間の主な布陣は[4-4-2]。堅実な守備と縦に速い攻撃の2つの要素を軸に、[4-4-2]は成熟しつつあった。総得点を60と設定したファジアーノは、攻撃力アップを図るべく[4-2-3-1]へトライ。従来の[4-4-2]と何が違うのか。それは前線の配置である。2トッ

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【レビュー】『撃ち合いを制した粘り強さ』~第39節SC相模原VSファジアーノ岡山~

スタメン

マッチレポート「3」と「10」を勝ち取る力強さ 降格圏から抜け出すために勝点3が必要な相模原が、9戦負けなしと好調な岡山を迎えた一戦。[3-4-2-1]の布陣で挑む相模原は成岡輝留、木村誠二がスタメンに復帰。[4-4-2]の岡山は、パウリーニョが出場停止、ミッチェル・デュークがW杯最終予選のため離脱。攻守の核を欠くなかで、“エース”上門知樹が復帰し、最終ラインに宮崎智彦も帰ってきた。

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【レビュー】『エモーショナルなラストマッチ』~第42節ファジアーノ岡山VSジェフユナイテッド千葉~

スタメンキックのフィーリングを高めた田口の右足から生まれた2点 試合の入りこそ岡山がシュートを打ち、ゴールへの姿勢を見せた。守備では高い集中力を保ち、入ってくるボールに対して、強くアプローチできていた。流れの中から千葉に決定機を許さなかった。

 しかし、試合が進むにつれて両チームのファウルが多くなり、セットプレーが増えていく。この日のファウルは千葉が18回、岡山が14回。岡山が犯した14回のファ

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【レビュー】『0-5の雪辱を晴らすウノゼロ勝利』~第41節V・ファーレン長崎VSファジアーノ岡山~

【レビュー】『0-5の雪辱を晴らすウノゼロ勝利』~第41節V・ファーレン長崎VSファジアーノ岡山~

スタメン強固な守備ブロックを崩すために 強固な[4-4-2]の守備ブロックを形成する両チームの一戦。左右への揺さぶりに対して、素早いスライドで対応。どちらも中央へ差し込むことに苦戦した。なかなか決定機を作れないまま時計の針が進む。

  岡山が長崎のブロックを攻略するべく、1タッチプレーに3人目の動きを合わせる仕掛けを狙っていた。デュークへの縦パスで攻撃のスイッチを入れると、落としを受けた石毛から

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【レビュー】『現在地と昇格までの距離』~第40節ファジアーノ岡山VS京都サンガ~

 京都のJ1昇格が決まる可能性のあった注目の一戦はスコアレスドロー。京都の昇格は翌日に行われる甲府の結果に委ねられることになった。ゴールネットこそ揺れなかったものの、今シーズン最多の6270人が駆けつけたスタンドの盛り上がり、”強敵”京都相手に見せた堂々の戦いぶり。今シーズンのベストゲームと呼ぶに値するほど、見応え十分な90分だった。「来シーズンもこの選手たちと、このサッカーを…」と期待を膨らませ

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【レビュー】『土俵の取り合い』~第38節ファジアーノ岡山VSモンテディオ山形~

 前節アウェイで甲府に勝ち、8試合負けなし&16試合連続複数失点なしと好調の岡山が、昇格には勝つしかない山形をホームに迎える。両チームが各々の目標を達成するべく勝利を目指した一戦は、土俵の取り合いとなった。

スタメン

制限からボール奪取、岡山の土俵で進んだ前半15分 ショートパスを繋いでゴールを目指す、いわゆるポゼッションを志向する山形のサッカー。これに対して、岡山はひるむことなく、主体的な守

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【レビュー】『充実の3-0』~第34節ファジアーノ岡山VS松本山雅FC~

スタメン

先行逃げ切り型の極みへ 岡山は終始ゲームをコントロールしながら試合を進めることができた。試合の入りで相手にやりたいことをやらせない。2トップ+SHの4枚で松本のビルドアップに停滞感と閉鎖感を与え、ホームのピッチでやらせない姿勢を示した。

 ボールを持つ場面が多かったのは松本。しかし、岡山は慌てない。ボールは持たれていたのではなく、持たせていたのではないかと思うほどに、自慢の[4-4-

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【レビュー】『勝点3がもたらす手応え』~第33節東京ヴェルディVSファジアーノ岡山~

スタメン待ちに待った複数得点 渇望していた複数得点を挙げて、チームはアウェイで勝利を収めることができた。前回複数得点を奪ったのは、第19節琉球戦(ホームで3-0)。3か月以上前のことだ。今シーズン複数得点を決めた試合は、東京Ⅴ戦を入れて6試合。成績は4勝1敗1分と、2点目を取ることができれば勝てる。それが、有馬監督が率いるチームなのだ。

技術が詰った石毛秀樹のゴール 東京Ⅴ戦の2ゴールは、いずれ

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【レビュー】『全員で手繰り寄せた勝点1』~第31節ファジアーノ岡山VSブラウブリッツ秋田~

両チームの勝ち点差は2。勝利すれば勝点3を獲得すると同時に、相手が勝点3を獲得することを防ぐことができる。まさにシックスポインター。岡山と秋田が対戦する一戦は、残留を確実なものにしながら、1つでも順位を上げるために勝たないといけない試合だ。

スタメン

秋田が作り出した混沌(カオス) ホームで勝ちたい岡山は主導権を握りたかったが、秋田の徹底したロングボール戦法の前に苦戦を強いられてしまう。

 

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