【ありがとう】ファジアーノ岡山で復活を遂げた“戦う創造主”石毛秀樹

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 2017シーズン以来、石毛秀樹は再びファジアーノのユニフォームに袖を通した。7月末に加入すると、8月2日の天皇杯名古屋戦で肉離れを起こして離脱してしまう。前回加入時に輝きを放ち、清水に帰った石毛は度重なる怪我に苦しめられていた。思うように出場機会を得られない状況を打破すべく、ファジアーノに帰還したはずだったが、ここでも怪我が石毛の行く手を阻むのか。すごい悲しい気持ちになった。暗い雰囲気が漂っていたが、復帰した石毛は以前よりも華麗で、大きな輝きを放つ。

 アウェイ琉球戦でピンポイントクロスでミッチェル・デュークのゴールをアシストすると、アウェイ東京V戦ではシャペウからのボレーシュートを突き刺し、技術の高さとイマジネーション溢れるプレーで再びサポーターの心を掴んだ。その後も、アウェイ相模原戦に代表されるようにレベルの高いゴールを量産して"ゴラッソ製造機"と化した石毛は、定まらなかった右サイドハーフのポジションに入り、有馬ファジのラストピースとなった。

 右サイドハーフを自分のものにしたのは技術力と創造性だけではない。石毛はマジシャンでもあり、ファイターでもある。周囲と連動するプレスで賢く守備を行い、球際では体をぶつけて戦う。また、自陣低い位置まで戻り、サイドバックを助ける献身性も兼ね備えている。ゴールやアシストという明確な結果に甘えることなく、チームの1人として戦うことをいとわない、それが石毛秀樹という選手なのだ。

 個の力で違いを出し、試合を決定づける活躍を残す。それだけでなく、守備でも頑張ってくれる。最後まで戦ってくれる。ファジアーノの魂を感じる石毛には来シーズンも一緒に戦いたいという気持ちでいっぱいだったが、実現しなかった。石毛は下部組織からプレーした清水エスパルスから、ガンバ大阪に完全移籍するという大きな決断を下す。J1でプレーしたい、活躍したいという想いが今回の移籍を決めた大きな要因だろう。

 石毛の移籍を知ったとき、J1に行かないとダメなんだと強く感じた。どんなにチームを愛してくれても、どんなに良い時間を過ごしても、J1でプレーできるという魅力には勝てない。それがJ2、下のカテゴリーの性なのかもしれない。石毛が俺たちに火をつけてくれた。J1に上がらないといけない、と。

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