難波拓未|サッカーライター

2000年4月生まれ。 岡山県岡山市出身。 大学在学中の2022年から Jリーグ「ファ…

難波拓未|サッカーライター

2000年4月生まれ。 岡山県岡山市出身。 大学在学中の2022年から Jリーグ「ファジアーノ岡山」の取材・撮影を開始する。 ホーム戦ではJリーグ公式サイトの マッチレポート、監督・選手コメントを担当。

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サイドバック論~現代サッカーで進化し続ける唯一無二のポジション~

サイドバックというポジションとは サイドバックはサッカーにおけるポジションのひとつであり、サイドバックとは4バックまたは5バックの左右両サイドに位置するディフェンダーのことである。 根底にあるのは持久力 サイドバックになくてはならないものは持久力だ。試合が終わるまで上がったり下がったり、走る距離は尋常ではない。1試合を通して最も長い走行距離をサイドバックの選手が記録するというのは稀ではない。長い距離を走れる持久力に加えて、強度が高い状況で冷静な判断と正確なプレーを可能にす

    • 【レビュー】『連敗阻止するも…』~第9節愛媛FCvsファジアーノ岡山~

      試合結果スタメンマッチレポート粘り強さで二度追い付くも、見え隠れする拙さ 岡山は約1600人のサポーターと共にニンジニアスタジアムに乗り込むも、出鼻をくじかれた。12分、左CB田上の中央へのパスを谷本にカットされる。谷本がインターセプトをそのまま前方の松田へのワンタッチパスにしたことで、ビルドアップのために陣形を広げていた岡山の選手はリカバーできない。古巣対戦の藤田が松田にアタックするも妨害できず、コントロールショットが左スミに決まった。 ミスから先制点を許す苦しいスター

      • 【レビュー】『たくましい忍耐力と浮き出た課題』~第7節大分トリニータVSファジアーノ岡山~

        試合結果スタメンマッチレポート5連勝ならずとも見せた、たくましい忍耐力 大分と岡山がレゾナックドーム大分で激突した一戦は、互いに勢いよくプレスを掛け、攻守の切り替えを鋭く行ったことで、激しい肉弾戦が繰り広げられた。 首位の岡山は、3バックの中央を務める田上がしっかりとディフェンスラインを押し上げることでコンパクトな陣形で攻守をアグレッシブに展開していく。セットプレーをたくさん獲得しながらゴールに迫る中、8分、左CKを仙波が蹴り込むと、阿部がニアサイドに飛び込んで合わせる

        • 【レビュー】『逆境を跳ね返す力』~第6節ザスパ群馬VSファジアーノ岡山~

          試合結果スタメンマッチレポート90+4分の劇的弾。芯の太さを感じる逆転劇。 前半は首位の岡山が最下位の群馬のビルドアップに苦戦した。岡山が3トップでプレスを仕掛けると、群馬はボランチの風間と天笠がその間から顔を出して縦パスをレシーブ。3バックと2ボランチで前後左右にパスを出し入れしながら前進していく。ハマらない岡山は藤田と仙波が前に出て相手ボランチを捕まえに行くも、今度は群馬が右WBの田頭が内側に入ってきたことで3ボランチ気味になり、中盤で数的不利を強いられる。さらに藤田

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        • ファジアーノ岡山J2優勝&J1昇格への道(2024シーズン)
          15本
        • サッカーの勝因
          44本
        • 日記
          30本
        • 読書感想文
          46本
        • ファジアーノ岡山J2優勝&J1昇格への道(2023シーズン)
          74本
        • 選手名鑑
          18本

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          【レビュー】『勝利を呼び込む好循環』~第5節ファジアーノ岡山VS水戸ホーリーホック~

          試合結果スタメンマッチレポート選手層の厚さを発揮した岡山。3連勝で首位堅持。 岡山が選手層の厚さを存分に発揮した。前節から中3日で迎えた今節は先発4選手を変更。柳育、本山が3バックに、河野が右WBに、田中がシャドーに入ると、持ち味を存分に発揮していく。前半は強い風と雨が降ったりやんだりする悪天候の中でスタート。高く上がったボールが大きく戻され、芝生もスリッピーな難しい環境だったが、冷静に適応した。3トップが激しくプレスを掛けてロングボールを蹴らせ、柳育が圧倒的な高さで跳ね

          【レビュー】『勝利を呼び込む好循環』~第5節ファジアーノ岡山VS水戸ホーリーホック~

          【レビュー】『着実に身に付ける勝負強さ』~第4節藤枝MYFC VS ファジアーノ岡山~

          試合結果スタメンマッチレポートソリッドVS流動性。 勝敗を分けたのは“守り切る”と“決め切る”の差。 岡山は前半に左サイドからチャンスを作った。左WBの末吉がキレのあるドリブルで相手を突破して深い位置に進入し、シャドーの岩渕が抜け出す動きとスルーパスを駆使して崩しにかかる。3分、岩渕のスルーパスに抜け出してニアゾーンを取った末吉のクロスに木村が合わせるも、右足アウトサイドで放ったシュートは詰まってしまいGKに止められた。22分には末吉のクロスはクリアされるも、こぼれ球に反

          【レビュー】『着実に身に付ける勝負強さ』~第4節藤枝MYFC VS ファジアーノ岡山~

          【レビュー】『拮抗打破、難敵撃破』~第3節ファジアーノ岡山VSレノファ山口~

          試合結果スタメンマッチレポート良い守備から良い攻撃へ。 狙いを寸断した岡山に軍配。 両者ともに攻撃ではチームとしての狙いを体現し、守備では粘り強く対応する。拮抗した好ゲームを制したのは、焦れることなく戦い続けた岡山だった。 前半は山口が深さを作りにいくところからスタート。サイドに流れる梅木を基準点に全体の陣形をコンパクトにし、後方からロングボールを蹴り込んでいく。梅木の競り合いから生じるこぼれ球をボランチが回収し、新保の推進力を生かして左サイドからの前進を図った。対する

          【レビュー】『拮抗打破、難敵撃破』~第3節ファジアーノ岡山VSレノファ山口~

          【プレビュー】『勝ち切って前節の払拭を』~第3節ファジアーノ岡山VSレノファ山口~

          マッチプレビュー目指すのは勝利のみ。 勝ち切って、前節の払拭を。 岡山にとって、今節は昨季から変わったことを結果で示さなければならない一戦だ。 前節・いわき戦は、ラストプレーで勝点3がこぼれ落ちた。前半終了間際にCKから先制し、後半は64分に退場者が出たこと、向かい風の影響を受けてクリアボールが短くなったことで防戦一方に。それでも、守備陣を中心に各々がタスクを全うし、相手に決定的なチャンスを作らせないまま最終局面に突入する。しかし、最後にセットプレーから同点弾を許してしま

          【プレビュー】『勝ち切って前節の払拭を』~第3節ファジアーノ岡山VSレノファ山口~

          【レビュー】『土壇場で逃した勝点3』~第2節いわきFCvsファジアーノ岡山~

          試合結果スタメンマッチレポートアウェイで先制した岡山。 だが、退場と風が響き勝ち切れず。 古巣戦に燃える岡山の岩渕が、勢いよくゴールに向かった。4分、藤田が相手陣内でボールを奪うと、グレイソンのスルーパスに抜け出した岩渕がシュート。これはGK立川の左足に防がれる。8分には鈴木のロングフィードをグレイソンが頭でフリックし、またも岩渕が抜け出す。しかし、全速力で戻ってきた生駒のカバーに遭い、足を振り抜くことができない。背番号19は立ち上がりに迎えた2つの決定機を仕留めることが

          【レビュー】『土壇場で逃した勝点3』~第2節いわきFCvsファジアーノ岡山~

          【プレビュー】『持続したい開幕戦の勢い』~第2節いわきFCvsファジアーノ岡山~

          マッチプレビュー開幕戦の勢いを持続できるか。 問われる3バックの迎撃能力 岡山は木山体制3年目も最高のスタートを切った。Cスタに栃木を迎えた前節は、“攻守の切り替え”と“前への意識”を存分に発揮。プレシーズンに準備してきたことを全員が体現し、3-0と快勝を収めた。 昨年も一昨年も開幕戦に勝って勢いよくシーズンをスタートさせている。しかし、第2節以降は思うような結果を得られず、序盤戦は足踏みが続いた。2024シーズンは監督や選手だけでなく、クラブからも「今年こそはJ1昇格

          【プレビュー】『持続したい開幕戦の勢い』~第2節いわきFCvsファジアーノ岡山~

          【分析レポート】『開幕戦で見えたアクティブの正体』~第1節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

          試合結果スタメン最優先は前。 浸透感じる攻撃時の共通意識岡山が攻撃時に狙ったスペースは、栃木の3バックの脇だった。 マイボール時、2シャドーの木村と岩渕の第一選択肢は、藤谷と福島の背後に抜け出していくこと。阿部と鈴木はボールを持つと、躊躇することなく2シャドーが走り込むスペースにパスを流し込んだ。受け手と出し手の関係性が非常にスムーズで、狙う場所とそこへの進入方法を共有できていたことを感じる。だからこそ、栃木が守備体形を整える前に3バックの脇を強襲し、先手を取った。受け手

          【分析レポート】『開幕戦で見えたアクティブの正体』~第1節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

          【レビュー】『徹頭徹尾の縦志向』~第1節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

          試合結果スタメンマッチレポート攻守にアクティブな岡山。充実の3-0で白星発進 前へ、ゴールへ、勝利へ。岡山の勢いが栃木を飲み込んだ。 開始早々の3分、抜け出した木村が勢いそのままにGKのパスをカットしてシュートを放つと、5分には岩渕が右サイドのスペースに走り込んで裏を突いた。ボールを奪ったら、ショートパスをつないで落ち着かせるのではなく、縦に早くゴールに向かう。チームコンセプトの浸透を感じさせる上々の入りを見せる。 岡山の1トップ2シャドーは能動的にアクションを起こし

          【レビュー】『徹頭徹尾の縦志向』~第1節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

          【プレビュー】『洗練されたアグレッシブなサッカー』~第1節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

          マッチプレビュー研ぎ澄ませたアグレッシブなスタイルで狙う開幕戦勝利 木山体制3年目の岡山は、研ぎ澄ませたアグレッシブなサッカーで悲願のJ1昇格を目指す。 今季のメインシステムは[3-4-3]。3トップが流動的に連係し、両WBが高い位置に張り出すことで、中央でもサイドでも起点を作りながら攻撃を展開していく。さらに高い位置から積極的にプレスも行い、隙あらば相手陣内でボールを奪いショートカウンターも狙う。入団4年目の木村は果敢な裏抜けと献身的なプレスで攻守のスイッチを入れられる

          【プレビュー】『洗練されたアグレッシブなサッカー』~第1節ファジアーノ岡山VS栃木SC~

          【選手名鑑】『競争と団結で再び目指す”J2の頂”』~ファジアーノ岡山(2024シーズン)~

          GK(Goal Keeper)#1 堀田 大暉(ほった だいき)足元のスキルと安定感のあるセービングが持ち味のGK。正確なパスでビルドアップに関与し、驚異的な反射神経でピンチを防ぐ。岡山での2年間では60試合に出場し、ピッチ上で経験を積みながら着実に力を付けてきた。今季はブローダーセンと激しい守護神争いが予想される中、既存選手と阿吽の呼吸でプレーできる点は強み。今年1月には第二子が誕生して、二児のパパになった。今季はスパイクを慣れ親しんだアディダスからミズノにチェンジし

          【選手名鑑】『競争と団結で再び目指す”J2の頂”』~ファジアーノ岡山(2024シーズン)~

          【2024への期待】河野諒祐が大柄なFWの力を引き出す

          日本代表がベトナム代表に決められた2024年のアジアカップ初失点が衝撃的だった。 左CKの場面、ニアサイドに鋭いボールが飛んでくると、グエン・ディン・バクがバックヘッドで合わせる。遠藤航の前から放たれたヘディングシュートは、ゴール右上隅に吸い込まれていく。PA内を固めていた日本代表の選手は棒立ち。GK鈴木彩艶もボールを見送ることしかできなかった。 ベトナム代表が日本代表のセットプレーの守備を分析して隙を突いてきたという前提はある。しかし、ニアサイドをピンポイントに狙ったボ

          【2024への期待】河野諒祐が大柄なFWの力を引き出す

          【2024への期待】仙波大志のゴールとアシストが増える

          2024年は仙波大志のゴールとアシストが増えると思っている。 なぜなら、ゴール前でプレーするシーンが多くなりそうだから。 昨季はボールを前に運ぶ役割を担った。インサイドハーフの仙波が中盤の底に下がってディフェンスラインからボールを引き取ることで、ファジアーノは相手陣内に入っていった。 後方から中盤に入る縦パスは相手に狙われやすい。昨季のホーム甲府戦では、自陣中央で縦パスを受けたボランチがボールを奪われたところから先制を許した。中盤で縦パスを受ける選手は、常に危険と隣り合

          【2024への期待】仙波大志のゴールとアシストが増える