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蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
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2023年1月の記事一覧

【多様性の科学】「集合知」をさらに深く掘り下げる

【多様性の科学】「集合知」をさらに深く掘り下げる

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜認知的多様性を科学する〜「多様性の科学」と日本語版のタイトルが付けられているが、原題は「The Power of Diverse Thinking」。直訳すると、「多様な思考の力」である。
「多様性」という言葉は今だと、「人種・年齢・性別・能力・価値観などさまざまな違いを持った人々が組織や集団において共存している状態」を指す「ダイバーシティ」の日本語直訳の意

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【保育園は誰のもの】改めて「子ども」や「母親」だけのものではない事を考えたい

【保育園は誰のもの】改めて「子ども」や「母親」だけのものではない事を考えたい

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜保育園に関する諸問題〜娘の行っている保育園は、子どもたちが非常に楽しそうにしており、保育士さんも園長さんも良い方たちだ。保育士さんたちが子どもたちに真摯に向き合ってくれており、毎日送り迎えの時に園での様子を教えてくれる。感謝しかない。
その一方で、まだ記憶に新しい静岡県の保育園で起こった「不適切保育」、いわゆる園児への虐待事件。実際に保育園に娘を預けている僕

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【ぼくと数学の旅に出よう】やっぱり数学って面白いよね!

【ぼくと数学の旅に出よう】やっぱり数学って面白いよね!

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜数学好きによる数学エッセイ〜著者のミカエル・ロネーは、確率論を専攻する若い数学者であり、数学の面白さを伝えるためにYouTubeを開設するなど、数学普及のために活動する人物である。

本書は、そんな数学好きの数学者が書いた"数学エッセイ"と言える。歴史を辿りながら、数学の発展を解説してくれる。
難しい数式は一切出てこない。
純粋に「数学って面白いよね!!」を

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【インボイスにそなえる本】会社員にだって関係のあるインボイス制度

【インボイスにそなえる本】会社員にだって関係のあるインボイス制度

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜全くわからない人にとっては良い一冊〜2023年10月から開始されるインボイス制度。

巷では「フリーランスや個人事業主が損をする制度」なんて言われており、僕もその程度の認識でほとんど制度のことを知らず、会社勤めの僕にはあまり関係ない話かと思ってスルーしていた。
そんなわけで、この本を手に取ったのもなんとなく「話題になってるしどんな制度か知っておこうか」ぐらいの

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【世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?】ビジネスパーソンだけではなく、全ての人に必要な「真善美」

【世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?】ビジネスパーソンだけではなく、全ての人に必要な「真善美」

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜新しい視点をくれる山口周さん〜以前読んだ「ビジネスの未来」から2冊目となる山口周さんの著作である。

「ビジネスの未来」を読んだ時にも感じたのだが、山口周さんは世の中の二、三歩先を見ている様な気がする。日本の現状があり、いろんな知識人・経済人・企業人が日本の未来を描いたりするのだが、山口周さんの考察はさらにもう一歩先を行く。
本書は5〜6年前に書かれたものな

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【人間の建設】何度でも読みたくなる天才2人の対談

【人間の建設】何度でも読みたくなる天才2人の対談

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜文系的天才と理系的天才の対話〜本書は、日本語による近代批評の表現を確立した小林秀雄さんと、多変数解析関数論の分野で独創的な業績を残した岡潔さん、2人の対談である。なお、数学関連の本を読んでいると頻繁に出てくる岡潔さんの著書を読んでみたくなり本書を手に取ったわけで、不勉強ながら対談相手の小林秀雄さんについては全く知らない人だった。

しかし、頭の良い人たちの

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