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師匠の本意|俳句修行日記

師匠の本意|俳句修行日記

『本意』を「ほんい」と読んだ客人に対して、「ほい、ほいですよ」と訂正を求めたのだが、それを聞いた師匠が、「ゴキブリめ!」と言う。「表面だけ掬って優位性を確保しようとする奴は、道中、足を取られて動けんなってしまうもんぞ。」

『ほい』は、撥音が省略された古典的表現だと言われている。しかし、それを現代でも使い続けるには、そこに意味を見出さなければならない。そんなとき師匠は、古代日本語に思いを馳せよと言

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さくさくのショートブレッドをグルテンフリーで作る

さくさくのショートブレッドをグルテンフリーで作る

今回はスコットランド発祥のお菓子、ショートブレッドを米粉で作ります。
バターの配合多めのざっくりした口当たり、ていねいにいれたコーヒーで味わいたいお菓子です。

米粉で作ると違うおいしさ

ショートブレッドはバターの配合が多めなので、ちょっともたれる感じが私にはありますが、米粉だと不思議と「軽い」仕上がりになります。
粉とバターの配合の割合を本来よりも少しバター少なめにしたのですが、それにしても軽

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絵日記|雨の日の結婚式、エディンバラ市役所にて。

絵日記|雨の日の結婚式、エディンバラ市役所にて。

エディンバラのMorningsideで、なんとかという教会が毎週木曜日に開く無料の英会話教室に少しのあいだ通っていた。
そこで出会った女の子と仲良くなり、彼女のパートナーや友人も交えて、ケイリー(スコットランドのダンス)や8月のフリンジフェスティバルに何度か一緒に出かけた。たまに遊ぶ程度だったけど、それでもその子が中国に一時帰国したとき、急に寂しい気持ちになったのを思い出す。

そんな彼女がイギリ

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『ワイマールの落日』ノート

『ワイマールの落日』ノート

加瀬俊一
文藝春秋刊

 著者の加瀬俊一は、元外交官でドイツ大使館に勤務した経験があり、第一次世界大戦からナチス政権誕生までのドイツを中心に、著者自身の目で見た当時の生々しい出来事を詳細にわたって書き留めている。著者はヒンデンブルク元帥やヒトラー総統などとも面会している。

 1914年6月末のサラエボの悲劇――オーストリア・ハンガリー国の皇太子夫妻がセルビアの青年によって暗殺された――が導火

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生ゴミ堆肥メモ。

生ゴミ堆肥メモ。

2007年に生ゴミ堆肥を作り始めて、今年で16年になるんだけど、YouTubeの登場によって、生ゴミ堆肥の世界が格段に世間に浸透してきた感、出てきました!!(*´Д`)!

段ボール箱に腐葉土10キロに米ぬか3キロ混ぜて、生ゴミ入れて水分足してかき混ぜたら、発酵して生ゴミ堆肥になるよ☆(●´ω`●) 夏の間はいくら生ゴミを投入しても、バクテリアが食べてくれます!!ゴミが消えちゃう!!

私は、野

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日本語のかたち|俳句修行日記

日本語のかたち|俳句修行日記

 日本には様々な古代文献がある。大半は偽書の烙印が押されているが、「中には国語の成り立ちのヒントとなりそうなものもある」と師匠はいう。それらを掻き混ぜると『一音一義説』というのがよぎるが、それは、国学者らによって提唱された『一音に一つの意味が括りつけられているんじゃないか』という考えである。
 それに同意する部分もあるとして、師匠は『自己修養のための言語』と、これをとらえる。

 記紀や万葉集をめ

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寅さんみたいな父の最期

寅さんみたいな父の最期

8年前、がんの末期でものを食べられなくなった父は、自分の家で自分の最期を迎えることにした。彼は栄養や水分補給の点滴もしないと決めて、その意思は固かった。ときどき、果物の汁をすすったり、氷をなめたりして生きていた。コップで水分をごくごく飲むことはできなくなっていた。

胸腺という、めずらしい箇所のがんだった。国立がんセンターでもう打つ手がないと言われた時、父は一切の治療をやめ、延命もしないと決めて、

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フィルターバブルやエコーチェンバーの罠に落ちないように

フィルターバブルやエコーチェンバーの罠に落ちないように

ある時、ある商品をインターネットで検索し、値段を調べたり、最新機器の口コミを調べたりします。

すると、それ以来、私が開くインターネット上の様々なページの広告に、私が検索した商品やそれに類する商品の広告が恐ろしいほどたくさん掲載されるようになります。

私がインターネットで動画配信などを見ていると、その後、私が見ていた動画と似たような動画をたくさん推奨されるようになります。

私がSNSでよく見か

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フェイクから自分や社会を守るために

フェイクから自分や社会を守るために

「フェイクニュース」や「ディープフェイク」などという言葉が世の中を賑わせています。

AI技術やIT技術の発達により、より巧妙で悪意をもったフェイクニュースやディープフェイクが拡散される恐れがあるというのが本当に心配です。そして何よりも不安なのはそのような情報を自分自身が受け入れてしまい、それをさらに拡散させたり、その情報をもとに決断したり、行動を起こしたり、他人を攻撃してしまう可能性があるという

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ジョークのかおり|俳句修行日記

ジョークのかおり|俳句修行日記

 ずっと感じていたことなのだが、師匠の俳句はなんか変。テレビで競い合っている俳句に比べると、臨場感に欠けるしナウくもない。そのことを遠回しに伝えると、師匠の眉間にしわが寄る。
「だから、ボクは夏井先生のやるような俳句を詠みたいわけで…」
 しかし、それを衝撃の言葉で否定する姿に、ボクはボーゼン…
「えっ、、、何もかもジョークだったんすか???」
 師匠のたまう。「俳句というのは座の文芸じゃ。顔をつ

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