俳家の酒 其の五「男山」
「大将、よく知っているね。」
「なに、うけうりだよ。」
あいつの言っていることだから信憑性は保証しないと前置きし、「俳句」の名称自体は既に松尾芭蕉の時代に存在していたことを教えてくれた。それは、川柳につながる前句附にも適用。滑稽を表す「俳」の意味を考えた場合、
「川柳こそが正当俳句と呼ぶにふさわしいのかもしれない」
と笑いつつ・・・。
川柳は、江戸時代中期に活躍した柄井川柳の個人名を冠するジャンルだ。俳句と同じく俳諧の流れを汲むが、俳句が発句から進化したのに対し、川柳は