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カッコいい俳句を詠みたいんじゃ!

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ろくでなしと呼ばれた男の俳句修行日記全50本。ボクはなぜ俳句を詠むのか・・・このヘンテコな難問に迫る!
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記事一覧

俳句と川柳|俳句修行日記

 世間はゴールデンウィーク。そのことを師匠に言うと、「何じゃソレ」と。声をあげてもダメな…

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タブーと写生について|俳句修行日記

 ぜんぜん俳句が上達しない。酒焼けした師匠を横目に、「カッコいい俳句が詠みたいな」と独り…

82

AI の中心で、愛をさけぶ|俳句修行日記

 業績がパッとしないことを咎められたので、「出る杭は打たれるといいますから」と言って反論…

情句百物語
11か月前
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季語のはたらき|俳句修行日記

 次の記事のテーマを決めるから、俳句を詠めと師匠が言う。「ぱわ原に馬しか見るものなかりけ…

情句百物語
11か月前
62

季重なりのこと|俳句修行日記

 昨夜、師匠が帰ってからデスクで寝てしもて、出てきた師匠に「何ねこんどんのじゃ」と小突か…

情句百物語
11か月前
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切れとは何か|俳句修行日記

 上達しない俳句を嘆いていると、「おまえの問題はキレにある」という。「キレとは何ですか」…

情句百物語
11か月前
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掛詞から縁語へと|俳句修行日記

 師匠の俳句はダジャレばっかり。先日、ソレは俳句じゃないと言う人がいて、反論できずに困り果てた。現代俳句では、掛詞さえも避けるという。 「和歌が命脈を保ってきたのは、掛詞の恩恵によるところが大きい。それは、短詩の表現幅を広げるとともに、遊戯性をも付与してきたんじゃ。じゃから、俳句の前身とされる俳諧では、『賦物(ふしもの)』としての言葉遊びに用いられることもあった。」 「しかしな、遊戯性が高度化すると、一般人には理解しようのない芸事に成り果ててしまうもんよ。そんな中にやって

「軽み」と呼ばれる極意|俳句修行日記

 酔っぱらってハメを外したボクも悪いんだけど、「軽い人」と言われてショック。そのショック…

情句百物語
10か月前
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運命をなぞる景色|俳句修行日記

 最近は、道端で猫を見かけることがない。聞くと、「外は危険がいっぱいじゃから、みんな家ネ…

情句百物語
10か月前
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五七五と言霊の正体|俳句修行日記

 今日もまた目が覚めて、毎日おなじことの繰り返し。「こんなことに意味あるんかな?」と首を…

情句百物語
10か月前
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吟行の心得|俳句修行日記

 デスクに向かって俳句を詠んでいても面白くはない。師匠に吟行の予定を聞くと、「金がないん…

情句百物語
10か月前
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不易流行考|俳句修行日記

「『不易流行』を知らんようでは弟子じゃない」と脅されて、仕方なく徹夜で調べ上げた。どうや…

情句百物語
9か月前
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俳句の面白み|俳句修行日記

「俳句」とは、俳優のセリフのようなかっこいい決め言葉だと思っていたが、「滑稽な文句のこと…

情句百物語
9か月前
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俳句の奥義|俳句修行日記

 このところやる気がわかない。師匠に喝を入れられたので、「俳句って、なんか虚しいじゃないすか。わずか十七文字の言葉が、様々に解釈されて、こちらの意図したことが伝わらない」と言った。  師匠のたまう。「それが俳句の面白さじゃ。己の口元を離れると、その句はもはや個人のものではない。聞く者は、その者が占める座標からそれを見つめるもんじゃ。よって、一つの俳句が持つ景色は、鑑賞者の数だけ存在するものぞ。」 「俳句は、他者を動かすために詠むもんじゃない。俳句を公表するということは、己の