#読書感想文
もっと おおきな たいほうを
ウサギはラジオの仕事を終えると、急ぎ足で駅へ向かった。飛び乗った電車の窓からは、夕暮れの景色が、心地よいリズムを刻んで流れていく。やがて小さな駅に到着すると、彼女は静かに図書館へと足を向けた。
閉館間近で慌ただしい窓口を通り過ぎ、児童書コーナーに向かうと、求めていた本を探し始めた。彼女が手にしたのは、二見正直さんの「もっと おおきな たいほうを」という絵本だった。閲覧席に腰を下ろすと、最初のペー
パパの電話を待ちながら
少しばかり強い南風が、カフェのテラス席でカメの読む本のページをカサカサと揺らしていた。彼がふと視線をあげると、アールグレイを二つトレイに乗せたウサギが、微笑みながら静かに近づいてきた。
彼の隣に座り、「どうぞ」と、紅茶を差し出したウサギは、小さなリュックから一冊の本を取り出した。「この本、とても面白かったわ。私に新しい世界線を見せてくれたの。前に歩くエビとか、猫を食べるネズミとか……」
カメは