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SDGs史 連載中

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SDGs を『Oh. 工学者、時々、哲学』的な視点で概説します。 SDGs が流行りだした潮流のトリビア的な知見を提供しています。
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#エシカル

SDGs史#17 Goals 1が「貧困をなくそう」なわけ

SDGs史#17 Goals 1が「貧困をなくそう」なわけ

『ボヘミアン・ラプソディー(2018)』をご覧になりましたでしょうか?
ライブエイド(1985)でのQueenのパフォーマンス、そして、そこに至るまでのフレディ・マーキュリーのナイーブな軌跡を描いた名作ですよね。

映画を前振りに話をすすめますライブエイドは、20世紀最大のチャリティ・イベントと称されます。「1億人の飢餓を救う」をスローガンとし、「アフリカ難民救済」を目的としたものです。

当時、

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SDGs史#11 SDGsのロゴ・デザインに至る半世紀の物語り

SDGs史#11 SDGsのロゴ・デザインに至る半世紀の物語り

 これまでのSDG史の流れをうけて、SDGsのロゴとストックホルム人間環境会議の関係を書いてみます。

 メッセージは、教育が大切、という当たり前のものです。「理解し、行動する」、そして、歴史から学ぶ意義を考えるきっかけになると嬉しいです。

©国際連合広報局

 SDGsは、誰にもわかりやすく、行動に移しやすい、と印象付けがブランディングの成功の肝だったと思います。

ロゴを開発したスウ

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SDGs史#7 70年代 エネルギー選択の分かれ道 日本とデンマーク 1/2

SDGs史#7 70年代 エネルギー選択の分かれ道 日本とデンマーク 1/2

 『アナと雪の女王1, 2』どちらも大好きです。最近、家具を見に行くと北欧デザインが流行っています。どちらも、日本の自然観、感性にあっていると思っています。

SDGs史では、北欧が舞台となったお堅い話をしています。先端をいく北欧に親和性を持ちつつ、顕著に学ぼうを基本姿勢に記事にしています。

 さて、1970年代のエネルギー選択が、国のその後を大きく左右していた、というお話です。ストック

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SDGs史#番外編 セヴァン・スズキ世代にとってのSDGs

SDGs史#番外編 セヴァン・スズキ世代にとってのSDGs

 SDGsへと国際社会が合意に向けた一つの山場は、1992年のリオネジャネイロ地球サミットだったことは、疑いようのないことだ。その意義については、別途、記事にするがここでは、リオと私の個人的なつながりに着目したストーリーを書く。これは、後程、このnote寄稿する『私のサステイナビリティとの、出会い①』の最初のシーンを解説するコラムである。気軽にご覧いただきたい。

SDGsにつながるRio+20を

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SDGs史#6 国連の環境担当と基金の創設、市民との連携の芽

SDGs史#6 国連の環境担当と基金の創設、市民との連携の芽

 「人間環境宣言」は、それ自体の意義は、これまで記事にしてきました。今回は、宣言を実現する基盤となった展開を書きます。
 *「せっかくなので、ストックホルムの思い出」も記事にしますね。

 3つの会議後の展開を整理します。①国連内に環境担当が出来たこと、次に、②環境問題に投資するための基金を創設したこと、最後は、③「環境の日」の制定です。最後のは、「アース・デー」と絡めて、解説します。

 この3

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SDGs史#5 レイチェル・カーソンさんを改めてご紹介

SDGs史#5 レイチェル・カーソンさんを改めてご紹介

 1972年ストックホルム人間環境会議の開催に大きな影響を与えたお方「レイチェル・カーソン」さんを改めてご紹介します。ある意味、SDGsの産みの親と言えるかもしれません。

 まずは、サムネの写真の説明。2003年4月23日、ピッツバーグにおりました。たままた「Silent Spring」展が開催されていて、フラッと立ち寄ったんです。サムネはその時の写真です。「Silent Spring」というの

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SDGsの科学的裏付け#1 プラネットバウンダリー

SDGsの科学的裏付け#1 プラネットバウンダリー

 突然ですが、皆さんは、科学・サイエンス、数値、専門知を信じますか?
 それとも、自分の感覚、センス、地域の知恵を信じますか?

 私は、どちらも信じています。科学の流れをくむ工学の世界で暮らし、なおかつ普段は生活者なので、どちらも信じています。なんとなく、その感覚はわかるのでは、と思います。。
 でも、その二つの確固たるものが矛盾するときが往々にしてあります。そんなとき、何を基準に「今」を選択し

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SDGsのロマンチックな良心 インクルーシブ #2

SDGsのロマンチックな良心 インクルーシブ #2

『SDGsのロマンチックな良心 インクルーシブ①』で国際社会が目指す理想を書いた。今日は、理想をもつことの意義を考えたい。

 改めて、SDGsのロマチックな良心、理想を紹介する。
「誰ひとり取り残さない-No one will be left behind」
インクルーシブ 包摂的であること。
である。

 そして、それを支える「5つのP」。People 【人間】, Prospe

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SDGsのロマンティックな良心 インクルーシブ #1

SDGsのロマンティックな良心 インクルーシブ #1

 「サステイナビリティを哲学する意義#2」の解説で、スチュワード・ブランド氏の世界の見方を振り返ろう。ロマンチスト、科学者、エンジニアの3者の関係性を示し、その役割と相互理解の大切さを期待を込めて述べた。SDGsが持つロマンチックな姿勢を伝えるのが、この記事の目的だ。

 そう、それは、SDGsの理念
「誰ひとり取り残さない-No one will be left behind」
 インクルーシブ

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